リライトレーダーβ

推定の根拠と限界

最終更新: 2026年8月9日

このツールが出す「取りこぼしクリック数」は推定値です。どう計算しているか、どこまで信じてよいかを開示します。

計算式

取りこぼし = 表示回数 × (期待CTR − 実際のCTR)

実際のCTRが期待を上回るページは0として扱います。指名検索の多いページは実際のCTRが期待を大きく超えるため、そのまま引き算すると合計がおかしくなるからです。

対象は掲載順位420.5位、表示回数100回以上のページに絞っています。1〜3位はすでに取れており、それ以下は表示回数が少なすぎてCTRが0%や100%に振れるためです。

期待CTRの出どころ

期待CTRの土台はseoClarity「2021 CTR Study」の日本市場データです。7,500億回の表示と300億回のクリックを対象にした調査で、日本の検索結果を市場横断で測った資料としては、今もこれが唯一です。

そのうえで、AI Overview(AIによる要約)によるクリック減を補正しています。実際に判定で使っている値は次のとおりです。

なお13位以下は1.00%を下限として固定しています。調査の生の数字は13位1.07%から19位2.91%へと逆に上がっていく形(検索結果の 2ページ目に進む人の行動によるもの)で、そのまま使うと「順位を下げたほうが期待CTRが高い」 という矛盾が出るためです。下の表の15位・20位は、この固定後の値です。

掲載順位調査値(13位以下は下限に固定)補正後(実際に使う値)
43.91%2.78%
62.42%1.72%
81.78%1.26%
101.32%0.94%
151.00%0.71%
201.00%0.71%

なぜ2021年の調査を使っているのか

より新しい数字を探しましたが、日本市場について、これより信頼できる新しいデータは見つかりませんでした。調べた結果は次のとおりです。

  • 日本語で「最新のクリック率」として流通している数字(1位39.8%など)は、その多くが米国のB2B分野に偏った調査の再掲です。これを使うとほぼ全ページが「取りこぼし」と判定され、推定値が2〜3倍に膨らみます。
  • 自社の実測値を毎月公開している国内企業もありますが、1サイト・852キーワードという規模で、1位のクリック率が1か月で41.0%から32.4%へ9ポイント動きます。基準としては使えません。
  • 毎月更新されている海外の調査は、対象が米国・英国・オーストラリアのみで日本が含まれていません。

新しさだけを求めて差し替えると、より新しく、より当てにならない数字になります。そのため土台は据え置き、変化した部分だけを補正する方針を採りました。

AI Overviewの補正について

2021年当時、AI Overviewは存在しませんでした。補正をしないと「AI Overview登場前の期待値」と「登場後の実測値」を比べることになり、すべてのページで取りこぼしを多く見積もってしまいます。

Ahrefsが30万キーワードを対象に行った調査(2025年12月時点のデータ)によると、AI Overviewが表示される検索では1位のクリック率が58%減少します。2025年3月時点の同じ調査では34.5%だったので、1年で影響がほぼ倍になりました。AI Overviewの表示割合は43〜60%と報告されているため、本サービスでは50%として計算しています。

補正係数 = 1 −(0.5 × 0.58)= 0.71

この推定の限界

次の点は、原理的に、または現在得られるデータの範囲で解決できていません。

  • AI Overviewが日本でどれくらい表示されるかは分かっていません。43〜60%という数字はおもに米国の調査によるもので、日本固有の割合は確認できませんでした。
  • 58%という減少率は1位についての数字です。順位ごとの内訳は一次資料で確認できていません。
  • Search Consoleの「掲載順位」は複数のキーワードをまたいだ平均値です。平均8位のページが実際には「2位のキーワードと40位のキーワードの合成」ということがあり、その場合は期待CTRが実態より高く出ます。
  • ページごとにAI Overviewがどれくらい表示されているかは、Search Consoleのデータからは分かりません。補正はすべてのページに一律で適用しています。
  • Search Consoleの画面からのエクスポートは1,000行が上限です。規模の大きいサイトでは全ページ分のデータになりません。
  • クリック率は業種やキーワードの種類によって大きく変わります。指名検索の多いページでは1位で60%を超えることもあります。

これらを踏まえ、出てくる数字は「どのページから手を付けるか」を決めるための目安としてお使いください。何クリック増えるかを約束するものではありません。

検索意図について

改善案に含まれる「このキーワードで検索する人が知りたいこと」は、実際の検索結果を見て判定したものではありません。本サービスは検索結果を取得していません。AIが持っている一般的な知識からの推定です。