この記事のまとめ
サーチコンソール(Search Console)の「AI 搭載の設定ツール」は、検索結果のパフォーマンス レポートで、見たいデータを文章で頼むとフィルタ・比較・表示する指標を組んでくれる試験運用版の機能です。公式ヘルプは2026年10月6日時点で「現在、この機能はテストとフィードバックのために、ごく一部の Search Console ユーザーにのみ表示されています。」と書いており、Discover とニュースのレポートでは使えません。表の並べ替えやデータのエクスポートはできず、どの言語で頼めるかは公式の2ページに書かれていません。アシスタントは今かかっているフィルタを残したまま条件を足すので、適用されたあとはレポート上部のフィルタを自分の目で確かめます(公式ヘルプも「レポートに適用されているフィルタを必ず確認し」と書いています)。
サーチコンソールのAI設定でできるのは、検索パフォーマンスのフィルタ・比較・指標を、文章で頼んで組んでもらうことまでです。 「AIで設定できるようになったらしい」と聞いて画面を探しても見つからない人も、使えてはいるけれど出てきた数字を信じていいか迷っている人も、Google の公式ブログとヘルプの原文で、提供範囲とできること・できないことを確かめられます。 読み終わるころには、自分の画面に出ていなくても困らない理由と、使えたときに何を確かめれば数字を読み違えないかが分かります。
AIが組めるのは「見たい条件」までで、どの記事から直すかは決めてくれません。その判断を自動でやる手は記事の最後に書きます。
Search ConsoleのZIPを読み込むと、候補の判定と1記事分の診断カードを無料で確認できます。登録は不要です。ZIPが無い場合は、診断カードの見本を確認できます。
サーチコンソールのAI設定は、まだ誰の画面にも出る機能ではない
この機能が発表されたのは、Google 検索セントラルの2025年12月4日のブログ記事です。記事の書き出しに近い段落で、試験運用版であることがはっきり書かれています。
このたび、パフォーマンス レポートに試験運用版の機能が追加されました。…
AI を活用したこの機能を使用すると、表示したい分析内容を自然言語で記述できます。入力した内容は適切なフィルタと設定に変換され、レポートが即座に構成されます。
同じ記事は、提供のしかたについて「AI を活用した設定は、一部のウェブサイトで展開されており、今後徐々に拡大していく予定です。」と書いています。そして、いま説明が載っているのはヘルプ「パフォーマンス レポート(検索結果): 高度なフィルタリングと比較」の「AI を使用してパフォーマンス データをカスタマイズする」の節です。私が2026年10月6日に本文を取得した時点でも、こう書かれていました。
現在、各ユーザーは 1 日あたり 20 件のリクエストに制限されています。
現在、この機能はテストとフィードバックのために、ごく一部の Search Console ユーザーにのみ表示されています。この機能は検索結果のパフォーマンス レポートでのみ使用でき、Discover レポートやニュース レポートでは使用できません。
ブログは「一部のウェブサイト」、ヘルプは「ごく一部の Search Console ユーザー」と書いていて、英語版でもそれぞれ "a limited set of websites" と "a small percentage of Search Console users" です。サイトで決まるのか、ログインしている人で決まるのかは、この2ページからは読み取れません。ブログもヘルプも提供を一部に絞っていると書いているので、自分の画面に出ていなくても、設定を誤ったとは限りません。提供範囲の外にいる可能性が高いです。出すための申し込みや設定は、どちらのページにも書かれていません。
ヘルプによると、使える人は検索パフォーマンスのヘッダーにあるフィルタのアイコンからサイドパネルを開き、そこに頼みたいことを入力します。アシスタントがフィルタ・比較・指標の設定を提案し、ヘルプの手順では「次に、提案を確認して、レポートに設定を適用する必要があります。」と続きます。
日本語で頼めるかは、公式には書かれていない
日本語の画面で使えるのか、日本語の文で頼めるのかは、私が確認した公式の2ページ(2025年12月4日のブログと、上のヘルプの節)には書かれていません。日本語・英語の両方の版を取得して「言語」「language」で本文を探しましたが、出てくるのは「自然言語で記述できます」の一文だけでした。
日本語版のヘルプには節があり、例文も「〜を表示して。」と日本語になっています。ただ、そのページの末尾には「このページには、AI 技術を使用して翻訳されたコンテンツが含まれている場合があります。」という注記があり、例文は英語版を訳したものです。日本語の例文があることを、日本語の入力に対応している証拠として読むことはできません。
AIに頼めるのは「フィルタ・比較・指標」の3つだけ
ブログは、この機能が受け持つものを3つに絞って書いています。
フィルタの適用: クエリ、ページ、国、デバイス、検索結果の表示、期間でデータを絞り込みます。
比較の設定: 手動で設定しなくても、複雑な比較(カスタム期間など)を設定できます。
指標の選択: 質問に基づいて、利用可能な 4 つの指標(クリック数、表示回数、平均クリック率、平均掲載順位)のうち、どれを表示するかを選択します。
ブログの日本語版の「検索結果の表示」は、英語版では "search appearance" で、ヘルプの日本語版では「検索での見え方」と訳されている項目です。ヘルプの節も「レポートのフィルタ、比較、指標 / 表の選択を生成できます。」と、同じ3つを挙げています。
できること・できないことを、ヘルプに挙がっている例で並べるとこうなります。できないほうの列は、ヘルプ自身が「これには次が含まれますが、これらに限定されません。」と断っているので、これで全部ではありません。
| 頼んだこと | AIがやるか | ヘルプにある例・記述 |
|---|---|---|
| URL や検索語句で絞る | やる(フィルタ) | 「blog/case-study」を含む URL で絞る。一般的な動物の名前を含む検索語句を、正規表現に一致するフィルタで絞る |
| 2つの期間や2つのデバイスを並べる | やる(比較) | 今年と昨年の第 3 四半期を比べる。モバイルとパソコンを比べる |
| クリック率だけ、順位とクリック数だけを見る | やる(指標) | 平均掲載順位とクリック数を選ぶ |
| クリック数の多い順に並べる | やらない | 表の並べ替え(「クリック数の多いページを表示」など) |
| クリック数が100未満の行だけ残す | やらない | 表に直接フィルタを適用する(クリック数が 100 未満など) |
| CSV に書き出す | やらない | データのエクスポート |
| 大きな出来事の前後で比べる | やらない | 外部イベントに基づく比較(「FIFA ワールドカップの 1 か月後」など) |
| グラフに注釈を足す | やらない | レポートの構成(グラフにカスタムの注釈を追加するなど) |
つまりAIは、手で掛けられるフィルタ・比較・指標の切り替えを、文章から代わりに組むところまでです。組み上がった画面の数字が何を意味するか、そこから何をするかは、手で設定したときと変わらず自分で読みます。
頼んだ条件がずれやすいのは、今かかっているフィルタが残るから
AI設定で数字を読み違える原因として、いちばん気づきにくいのが前に掛けたフィルタです。ヘルプの「機能とスコープ」には、こう書かれています。
アシスタントは既存のレポート フィルタ(期間やデバイスなど)を認識しており、新しいカスタマイズを適用する際に既存のフィルタをそのまま使用します。
ヘルプの例では、[過去 28 日間] と [モバイル] で絞ってある状態で「/blog を含むページを表示して」と頼むと、既存の2つは残ったまま、ページのフィルタが1つ足されます。頼んだ文には「モバイル」も「28日」も入っていないのに、出てくる数字はモバイルの28日分です。
AIは、頼んだ文だけで画面を組み直すのではなく、いまの画面の上に条件を足します。前の分析でデバイスや国を絞ったまま次のことを頼むと、その絞り込みが入った数字を、頼んだ内容そのものの答えとして読んでしまいます。「既存のフィルタを外して」と頼めば外れるのかどうかは、ヘルプに書かれていません。
もう1つは、AIが頼んだ内容を取り違える場合です。ブログは「AI がリクエストを誤って解釈することがあります。データを分析する前に、提案されたフィルタを必ず確認し、意図したフィルタと一致していることを確認してください。」と書き、ヘルプも同じ節の最後でこう念を押しています。
これは AI 機能であるため、アシスタントがリクエストと一致しないフィルタを生成する場合があります。レポートに適用されているフィルタを必ず確認し、意図したクエリと一致していることを確認してください。
ここの「クエリ」は、英語版でも "your intended query" で、前の文の「リクエスト」を受けているので、私は検索語句ではなく「自分が頼んだ内容」の意味で読みました。どちらで読んでも、確かめる先は同じで、レポートに実際に適用されたフィルタです。
適用されたら、この4か所を目で確かめる
確かめる場所は、どれもレポートの上部とグラフの上にあります。AIを使わずに手で設定したときにも見る場所なので、使えない人にもそのまま役に立ちます。
1. フィルタ欄に、頼んでいない条件が残っていないか
同じヘルプのフィルタの説明には「常に表示されている検索タイプと期間のフィルタ」という言い方があります。検索タイプと期間は外せない2つで、それ以外にデバイス・国・ページなどの条件が並んでいたら、それが今回頼んだものか、前から残っていたものかを見分けます。頼んでいない条件が残っていたら、そのフィルタの横の [x] で外してから数字を読みます。
2. 文字列や正規表現の中身が、頼んだ意味になっているか
ヘルプの例には、「一般的な動物の名前」という頼み方を、正規表現に一致する検索語句のフィルタに変える行があります。AIが正規表現を書いた場合は、フィルタを開いて式そのものを読み、拾いたい語が入っているかを確かめます。式の読み方と、サーチコンソールの正規表現で書けない形はサーチコンソールの正規表現が動かない?RE2で使える5つの書き方にまとめています。
「次を含む」の形のフィルタになった場合も、同じページのヘルプにある「大文字と小文字は区別されませんが、それ以外はスペースを含め厳密に適用されます。」が当てはまります。AIが語の間に空白を入れたか入れなかったかで、拾われる行が変わります。
3. 比較の2つの期間が、同じ長さになっているか
「先月と比べて」「前年と比べて」のような頼み方では、AIが比較する2つの期間を決めます。その2つの長さがそろっていないと、変化なのか期間の取り方の違いなのかが分からなくなります。期間をどう取れば比べられるかはサーチコンソールの期間比較で間違えやすいこと、同じ長さで比べるの領分なので、そちらで確かめてください。
4. グラフの上で選ばれている指標が、頼んだものか
指標の選択もAIの担当です。クリック率を見たかったのに表示回数だけが選ばれている、ということが起きれば、表の列も変わります。グラフの上の4つの指標のうち、どれがオンになっているかを見ます。
なお、AIが組んだフィルタでも、手で掛けたフィルタと同じく、絞り込んだとたんに画面上部の合計やCTRが変わります。その読み方はサーチコンソールのフィルタの使い方、絞り込むと合計が変わる理由に分けました。
4か所を確かめれば、画面の数字が「自分が頼んだ条件の数字」だと言えるようになります。ただ、そこまでやっても、どの記事を直すかはまだ決まっていません。そこを自動でやる手もあるので、記事の最後に書きます。
Search ConsoleのZIPを読み込むと、候補の判定と1記事分の診断カードを無料で確認できます。登録は不要です。ZIPが無い場合は、診断カードの見本を確認できます。
並べ替えと「どの記事を直すか」は、AIに頼めない
ヘルプは、できない例の筆頭に表の並べ替え(「クリック数の多いページを表示」など)を挙げています。「伸びしろのある記事を出して」「直すべき記事はどれ?」と頼みたくなりますが、この機能が組むのはフィルタ・比較・指標までで、行を並べ替えることも、行を選んで判断することもしません。
AIが用意するのは、条件を絞った表までです。その表のどの行が直す価値のある記事かを決めるのは、今までどおり自分の仕事です。たとえば「順位は悪くないのにクリックされていない記事」を探すなら、同じ順位ならどのくらいクリック率が出るものかと比べる必要があり、それは4つの指標を並べ替えても出てきません。
書き出しもできないので、表をCSVで持ち出したいときは、いつもどおりレポートのエクスポートを使います。このとき、AIが組んだフィルタが掛かったままだと、書き出したデータもその条件で絞られます。判定などに使うページ単位のCSVを落とす前は、フィルタ欄を確かめて、検索タイプと期間以外の条件を外しておきます(理由は上のフィルタの記事の後半に書いています)。
「サーチコンソール AI」で探している機能が、これではない場合
サーチコンソールで「AI」と名の付くものは、この設定ツールだけではありません。AIによる概要や AI モードでサイトが表示された回数を見たいなら、それは別の機能です。そちらはサーチコンソールの生成AIパフォーマンスレポートとは?見方と出ない理由に書きました。この記事の設定ツールは、AIで検索された結果を数えるものではなく、通常の検索パフォーマンスの表示条件をAIに組ませるものです。
よくある質問
自分のサーチコンソールにAI設定が出てきません
提供範囲の外にいる可能性が高いです。公式ヘルプは2026年10月6日時点で、この機能が試験運用版で「ごく一部の Search Console ユーザーにのみ表示されています」と書いています。出すための設定や申し込みの方法は、ブログにもヘルプにも書かれていません。同じことは、フィルタ・比較・指標を手で設定すればできます。
日本語で頼めますか
公式の2ページ(2025年12月4日のブログと、高度なフィルタリングと比較のヘルプ)には、どの言語で頼めるかは書かれていません。日本語版ヘルプの例文は日本語ですが、そのページには AI 翻訳を含む場合があるという注記があり、例文は英語版の訳です。
1日に何回まで頼めますか
ヘルプには「現在、各ユーザーは 1 日あたり 20 件のリクエストに制限されています。」とあります。「現在」と書かれているので、今後変わることもありえます。何をもって1件と数えるかまではヘルプに書かれていませんが、頼み直しも新しいリクエストだと考えておくと、絞りたい条件を先に1文にまとめてから頼むほうが回数を残せます。
入力した内容は、AIの学習に使われますか
ヘルプには「入力されたテキストが Google AI モデルのトレーニングに使用されることはありません。」とあります。あわせて「機能改善を目的として、一時的に入力内容を記録する場合があります(個人情報はすべて削除されます)。」とも書かれています。英語版では "The text you enter won’t be used to train any of our AI models." です。
AIに頼めば、Discover の数字も絞れますか
絞れません。ブログ(英語版も同じ)とヘルプの両方が、検索結果のパフォーマンス レポートだけが対象で、Discover とニュースのレポートでは使えないと書いています。
まとめ
- サーチコンソールのAI設定(AI 搭載の設定ツール)は、文章で頼むと検索結果のパフォーマンス レポートのフィルタ・比較・指標を組む試験運用版の機能。公式ヘルプは2026年10月6日時点で「ごく一部の Search Console ユーザーにのみ表示」と書いており、ブログは「一部のウェブサイト」から徐々に広げる予定としている
- 画面に出ていないのは提供範囲の外にいる可能性が高く、出すための設定や申し込みは公式に書かれていない。どの言語で頼めるかも、確認した公式の2ページには書かれていない
- Discover・ニュースのレポートでは使えない。表の並べ替え、データのエクスポート、表への直接のフィルタ、注釈の追加などはできない(ヘルプはこれで全部とは書いていない)
- アシスタントは今かかっているフィルタを残したまま条件を足すので、頼んだ文に無い条件が数字に入ることがある
- 適用されたら、フィルタ欄に残った条件、文字列や正規表現の中身、比較する2つの期間の長さ、選ばれた指標の4か所を確かめる。公式も「レポートに適用されているフィルタを必ず確認」と書いている
- AIが用意するのは条件を絞った表まで。どの記事を直すかの判断はしない
AI設定は、フィルタを手で組む手間を減らす機能で、分析そのものを肩代わりする機能ではありません。使えるようになっていても、なっていなくても、確かめる場所と、そのあと自分で決めることは変わりません。
ここから先は、その並べ替えを機械にやらせる自作ツールの宣伝です。
AI設定が引き受けない「どの記事から直すか」を決めるところを、自動でやるツールを作りました。サーチコンソールの検索パフォーマンスから書き出したZIPをそのまま置くと、4.0〜20.5位のページを、表示回数100回以上は通常判定、30〜99回は参考判定、30回未満は本文中心の監査に分け、この順に、同じ区分の中ではCTR機会差の多い順に並べて出します。Search Console に接続するわけではないので、AI設定が使えるかどうかとは関係なく使えます。書き出す前に、フィルタ欄に検索タイプと期間以外の条件が残っていないかだけ確かめてください。 判定と候補3記事のCTR機会差の確認、そのうち1記事分の診断カードまでは無料です。有料は2,980円(税込)の買い切りで、無料の1件を除いた3記事分の診断カードが対象です。3記事分が揃うとき(判定に出た候補が4件以上のとき)だけご案内します。生成の利用期限は購入から7日間で、月額課金や自動更新はありません。ログインも不要です。 CSVファイルそのものはブラウザの外に出ませんが、診断カードを出すときは選んだ1ページぶんの数値(URL・キーワード・順位・表示回数・CTR)を、タイトル取得を押したときは最大10件のURLを送ります。
⚠️ 並べ替えるだけで、CTRや順位が上がることを約束するものではありません。直したあとの効果の追跡もしないので、比べるのは Search Console の画面で行ってください。また、掲載順位4.0〜20.5位に入るページが無いブログでは、候補が0件になることがあります。
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