Search Console を見て、表示回数はあるのにクリックが少ないページが目に入ったとき。 原因は1つではありません。取り違えると、直す必要のないものに手を入れることになります。
考えられるのは3つです。
- タイトルとディスクリプションで選ばれていない
- 検索結果の見た目が変わって、その順位のクリック率自体が下がった
- 実は下がっていない。比べている基準が間違っている
3つ目から書きます。ここを疑わずに直し始める人がいちばん多いと思うからです。
原因3: そもそも「少ない」の基準が間違っている
CTRが1%を切っていると少なく見えます。ですが順位ごとの平均は、思っているより低いです。
| 掲載順位 | 平均的なCTRの目安 |
|---|---|
| 4位 | 2.78% |
| 6位 | 1.72% |
| 8位 | 1.26% |
| 10位 | 0.94% |
| 11〜20位 | 0.71% |
8位でCTRが1%あれば、平均を下回っていません。15位なら0.7%でも妥当です。「1%を切っているから異常」ではありません。
よく引用される「1位のCTRは39.8%」という数字を基準にすると、ほぼすべてのページが異常に見えます。あれは米国B2B偏りの調査で、日本語の一般的な情報検索に当てると2〜3倍に膨らみます。 経緯はこちらの記事に書きました。
指名検索の多いページは、期待を大きく超える
逆のケースもあります。ブログ名やハンドル名で検索されているページは、1位でCTRが60%を超えることがあります。検索した人が最初からそのサイトを目指しているので当然です。
こういうページが混ざっていると、「うちの平均CTRは高いから他のページも大丈夫」という誤解が生まれます。 指名検索のページと、一般キーワードのページは分けて見てください。
私が作ったツールでは、期待を上回っているページの「取りこぼし」を マイナスではなく0として扱っています。放っておくと、順位表の上位に「マイナスの取りこぼし」が並んで並び順が壊れるからです。
原因2: その順位のクリック率自体が下がっている
あなたのタイトルが悪くなったのではなく、検索結果の見た目が変わってクリックが減っているケースです。
大きいのは AI Overview(AIによる要約)です。検索結果の上にAIの回答が挟まると、 1位のクリック率が58%減るという調査があります(Ahrefs・2025年12月・30万キーワード)。 出現率を50%として、期待値を約29%引き下げて考える必要があります。
AI Overview 以外にも、強調スニペット・動画枠・ショッピング枠・「他の人はこちらも質問」など、検索結果を占める要素が増えると、同じ順位でも押される回数は減ります。
見分け方
- 実際に検索してみる。狙っているキーワードで検索して、 自分の記事の上に何が入っているかを見る。AI Overview や動画枠が入っていれば原因の候補です
- 同じ時期に複数ページのCTRが一斉に下がっていないか。自分が触っていないページも同時に下がっていれば、原因は検索結果側にあります
- 順位が変わっていないか。順位が落ちてCTRが下がったなら、 これはCTRの問題ではありません(下記)
検索結果側の変化は、タイトルを直しても戻りません。ただし「AIの要約では答えきれない部分がある」と伝わるタイトルにすることで、 いくらか取り返せる余地はあります。
原因1: タイトルとディスクリプションで選ばれていない
上の2つを潰したうえで、順位が4〜10位・期待CTRの半分を下回っているなら、 ここが原因の可能性が高いです。
実際に見てきたパターンです。
- タイトルが長くて、狙っている語が後半に埋もれている。検索結果では末尾が切れるので、サイト名まで含めた長さで考える必要があります
- 「解説」「まとめ」で終わっている。記事の中身を説明しているだけで、読んだ先に何があるかが分かりません
- 本文にある具体的な数字がタイトルに出ていない。記事の中に「月300円」と書いてあるのに、タイトルは「料金の計算方法」で止まっている
- ディスクリプションが前提説明から始まっている。1文目に結論を置くだけでも見え方が変わります
順位が落ちている場合は、この話ではない
見落としやすい点なので分けて書きます。掲載順位が下がっていると、CTRも一緒に下がります。
タイトルの変更が悪かったのではなく、順位が落ちたせいでクリックされなくなっただけ、 ということが起こります。CTRを見る前に、まず順位が同じかどうかを確認してください。
やや厄介なのは、Search Console のデータを長い期間で見ると、順位が期間全体の平均になることです。 最近20位に落ちたページでも、12か月平均では8位と表示されます。 「8位なのにクリックされない」と見えたページが、実はもう20位だったという誤診が起きます。
期間の取り方と、そのときの順位の読み方はサーチコンソールの「ページ」CSVはどの期間で落とすかに書きました。
確認する順番
| 確認 | 該当したら |
|---|---|
| 順位は下がっていないか | 下がっている → CTRの話ではない。順位の原因を探す |
| その順位の平均と比べているか | 上回っている → 直す必要がない。他のページへ |
| 指名検索のページではないか | そう → 基準が違う。一般キーワードのページと分けて見る |
| 検索結果に AI Overview 等が入っていないか | 入っている → タイトルだけでは戻らない。期待値を下げて見る |
| 4〜10位で期待の半分を下回っているか | そう → タイトルとディスクリプションを直す |
この判定を毎回手作業でやるのが面倒だったので、CSVを貼るだけで出るようにしました。 計算式と閾値は全部公開していますので、スプレッドシートでも再現できます。
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