この記事のまとめ
AI Overview(日本語の検索画面では「AIによる概要」)への対策として、個人ブログにできることは多くありません。Google の公式ドキュメント「AI features and your website」(最終更新2025年12月10日)は、AI Overview や AI モードに表示されるための追加要件も、特別な最適化も、専用のファイルや構造化データも必要ないと明記しています。さらにサーチコンソールの検索タイプはウェブ・画像・動画・ニュースの4つで、 AIによる概要ぶんだけを切り出すフィルタは公式ヘルプに列挙されていません。効果を単独で測れない以上、専用の「対策」は検証できません。できるのは3つだけです。①要約で置き換えられない中身を持つ ②結論を先に書き、定義を明示し、表と箇条書きで書く ③クリックされなくても成立する導線を持つ。
AI Overview(日本語の検索画面では「AIによる概要」)への対策として、個人ブログにできることは多くありません。先に結論を書きます。
「AI Overview 対策」という名前のついた特別な施策は、Google の公式ドキュメントには存在しません。できるのは、①要約で置き換えられない中身を持つ ②結論を先に書き、定義を明示し、表と箇条書きで書く ③クリックされなくても成立する導線を持つ、の3つです。いずれも新しいことではなく、順番の問題です。
「うちのブログはもう影響が出ているのか」を先に知りたい人向けに数字から見る道具も作っていますが、先に構造の話をします。ここを飛ばすと、効かない対策に時間を使います。
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AI Overview 対策で個人ブログにできることは、なぜ多くないのか
理由は3つあります。そして3つとも「やる気の問題」ではなく、仕組みの側で決まっていることです。
理由1:Google が「追加の要件はない」と書いている
Google Search Central の「AI features and your website」には、次のことが書かれています(2025年12月10日更新)。
- AI Overview や AI モードに表示されるための追加要件はなく、特別な最適化も必要ない
- 支援リンクとして表示される条件は、インデックスされていて、スニペット付きで Google 検索に表示される資格があること。それ以上の技術要件はない
- AI向けの新しいファイルや、専用の構造化データ(schema.org)を作る必要はない
- 要件を満たしていても、クロール・インデックス・配信が保証されるわけではない
つまり「AI Overview 用の設定」というものが、そもそも用意されていません。用意されていないものに対して、専用の対策は作れません。
理由2:拒否する設定はあるが、降りると表示もトラフィックも失う
「載りたくない」側も同じです。同じドキュメントは、検索でページから表示される情報を制限する手段として nosnippet・data-nosnippet・ max-snippet・noindex を挙げています。ただしこれらは検索結果のスニペット全体に効くものです。
Google-Extended についても触れられていますが、こちらは「Google の他の一部のシステムでのAIトレーニングとグラウンディングを制限するもの」として、検索のAI機能の制御とは別項目で案内されています。
「検索には出したいが、AIによる概要には使われたくない」という設定は、あります。Search Console の「設定」→「検索の生成AI」で、「含める」(既定)と「除外する」を選べます。 Googleは「この設定は、検索の他の部分に影響するランキングや掲載のシグナルとしては使用されません」と明記しています。
⚠️ ただし除外すると、その機能からの表示回数もトラフィックも発生しません。AIによる概要に出ていたぶんのクリックは、そのまま失われます。まだ一部のサイト所有者を対象にした段階的な提供なので、自分の画面に項目が無いこともあります。
個人ブログが最初に選ぶ手ではありません。後述するとおり、除外してクリックがどれだけ減ったのかを確かめられないからです。表示回数だけは切り出せるようになりましたが、クリック数は生成AIレポートに出ません。
理由3:効果を単独で測れない
ここが一番効きます。測れないものは、改善できません。
Google のドキュメントは、AI機能に表示されたぶんもサーチコンソールの検索パフォーマンスの「ウェブ」に含まれると書いています。そして検索パフォーマンス レポートのヘルプで選べる検索タイプは、ウェブ・画像・動画・ニュースの4つです。 AIによる概要ぶんは、この「ウェブ」に合算されています。
⚠️ ただし2026年6月に「生成AIパフォーマンス」レポートが追加されました。AIによる概要とAIモードでの表示回数を、ページ・国・日付・デバイスの4つで分けて見られます。まだ一部のプロパティへの段階的な提供で、表示回数がある程度ないと出ません。
それでも「効果を測る」には足りません。出るのは表示回数だけで、クリック数・CTR・掲載順位は出ないからです。AIによる概要に何回出たかは分かっても、そこから何クリック来たのかは分かりません。
つまり「対策をした → クリックが増えた」の因果は、自分のサーチコンソールでは確かめられません。検証できない施策は、やったかどうかしか分かりません。「AI Overview 対策で順位が上がる」と謳う情報の根拠を確認できないのも、ここが理由です。
サーチコンソールで「AIによる概要」がどう数えられているか
Search Console ヘルプの「表示回数、掲載順位、クリック数とは」に、AIによる概要の数え方が書かれています。ここは公式に明記されている数少ない部分なので、正確に引きます。
| 指標 | AIによる概要での扱い(公式ヘルプの記述) |
|---|---|
| クリック数 | AIによる概要から外部ページへのリンクをクリックすると、クリック数としてカウントされる |
| 表示回数 | 標準の表示回数ルールが適用される。スクロールまたは開けば見える状態になっている必要がある |
| 掲載順位 | AIによる概要に付与される掲載順位は検索結果内で1つのみ。概要内のすべてのリンクに同じ掲載順位が割り当てられる |
読み方はこうです。AIによる概要から来たクリックも、通常の検索結果から来たクリックも、同じ「クリック数」に足し合わされます。引用されて増えたぶんと、通常結果で減ったぶんが、1つの数字の中で相殺されます。
だから「AIによる概要のせいで減ったのか」を、あなたのサーチコンソールの画面だけで断定することはできません。できるのは、クリック数・表示回数・掲載順位・CTRのどれが動いたかを切り分けるところまでです。
その切り分けの手順はサーチコンソールの見方(4つの数字と見る順番)に、順位が変わらないのにクリックだけ落ちた場合の読み方は順位は同じなのにクリックだけ減ったに書いています。

個人ブログができる対策①:要約で置き換えられない中身を持つ
⚠️ 先に注意書きを1つ。「どんな検索でAIによる概要が出るか」の条件を、Google は公開していません。公式に書かれているのは「従来の検索に対して付加的だとシステムが判断したときにのみ表示され、そのため表示されないことも多い」までです。
なので「この種類の記事なら出ない」という当て方は、この記事ではしません。当てにいくと外れます。考えるべきなのは「出るか出ないか」ではなく、「概要が出たあとで、続きを読む理由が残るか」です。
AIによる概要は要約です。要約で用が足りてしまう内容は、要約で足ります。逆に、要約に畳めない情報があります。
| 要約で足りてしまうもの | 要約に畳めないもの |
|---|---|
| 用語の定義、一般的な手順の名前 | 自分で測った数字と、その測り方 |
| 「メリット5つ」のような一般論の列挙 | 実際の画面・実物の写真(どこを押すか) |
| どこにでも書いてある注意点 | 判断が分かれる場所と、自分がどちらを選んだか |
| 公式ドキュメントの言い換え | やってみて外した話、その原因 |
右の列はあなたしか持っていない情報です。左の列だけで構成された記事は、AIによる概要が出ても出なくても、代わりがいくらでもあります。
個人ブログにとって、これは不利な話ではありません。右の列は、人数と予算をかけても増えない種類の情報だからです。1人で運営していることが、そのまま在庫になります。
個人ブログができる対策②:AIが引用しやすい形で書く
⚠️ これは「AI用の裏技」ではありません。繰り返しますが、公式は「特別な最適化は必要ない」と書いています。ここに挙げるのは、その公式ドキュメントが「引き続き価値がある」として列挙している基本のうち、個人ブログが自分だけで実行できるものです。
Google のドキュメントが挙げているのは、たとえば次のような項目です。
- robots.txt やホスティング側でクロールが許可されていること
- 内部リンクでコンテンツを見つけやすくすること
- 重要な内容をテキストの形で提供すること
- テキストを画像や動画で補うこと
- 構造化データを、ページ上の見える文章と一致させること
- ユーザーにとって良いページ体験を提供すること
このうち「重要な内容をテキストの形で提供する」が、個人ブログで一番よく崩れます。結論を画像の中に入れてしまう、比較表をスクリーンショットで貼る、手順を動画だけで説明する。読めない形になっていれば、引用の対象にもなりません。
実際に手を動かすなら、この4つで足ります。
- 見出しの直後に結論を1〜2文で書く。言い訳や前置きを先に置かない
- 用語を最初に定義する。「AIによる概要(AI Overview)とは〜です」の形を1文入れる
- 比較・条件分岐は表にする。文章で3つ以上並べたら、表に置き換えられないか疑う
- 1つの見出しで1つの問いに答える。見出しの中で話題を移らない
⚠️ これをやれば引用される、とは書けません。公式が「インデックスと配信は保証されない」と明記しているとおりです。言えるのは「読めない形にしていると、選ばれる余地がそもそも無い」までです。それでも、この4つは人間の読者にも同じように効きます。外れても損をしない側に賭けているだけです。
個人ブログができる対策③:クリックされなくても成立する導線を持つ
3つ目が、一番地味で、一番効きます。
検索結果でのクリックは、こちらが決められません。順位も、AIによる概要が出るかどうかも、外側で決まります。外側で決まる変数に全部を乗せているのが、危うい状態です。
個人ブログが自分で持てる導線は、だいたいこの3つです。
| 導線 | やること | 効き方 |
|---|---|---|
| 指名検索 | サイト名・書き手の名前を覚えてもらう。記事の中で名乗る | サーチコンソールのクエリで測れる |
| メール(メルマガ・更新通知) | 読み終えた地点で登録先を1つ置く | 検索順位と無関係に届く |
| SNS | 記事の一部を、記事とは別の形で出す | 検索を経由しない入口が増える |
この3つのうち、指名検索だけは数字で追えます。サーチコンソールの「クエリ」で、サイト名や自分の名前を含む検索がどれだけ増えたかを見ます。AIによる概要が出ても、名前で探しに来る人はあなたのページを開きます。
ただし指名検索が増えるとサイト全体の平均CTRが実力以上に高く出ます。その扱いは指名検索が混ざるとCTRが高く出るに書きました。
「AI Overview 対策」を謳う情報を、どう見分けるか
⚠️ 特定の事業者やサービスを指して書いているわけではありません。見分け方だけを書きます。方法は1つで、公式ドキュメントと突き合わせることです。
| よく見る主張 | 公式ドキュメントに書かれていること |
|---|---|
| AIによる概要に載るための専用の構造化データがある | 専用の schema.org 構造化データを追加する必要はないと明記 |
| AI向けの専用ファイルを置くと有利になる | 新しい機械可読ファイルやAI用テキストファイルは不要と明記 |
| AI Overview 用の最適化をすれば表示される | 追加要件も特別な最適化も必要ない。条件はインデックス済みでスニペット表示の資格があること |
| この施策で必ず表示される・順位が上がる | クロール・インデックス・配信は保証されないと明記 |
公式が「不要」と書いているものを「必要」と売っている場合は、その差がどこから来たのかを聞いてください。根拠として一次情報を出せるなら、それは検討に値します。出せないなら、検討する前の段階です。
そしてもう一度書きますが、効果を単独で測れない以上、「AI Overview 対策をしたら数字が上がった」という報告は、ほかの要因と区別できません。同じ期間に順位も、検索需要も動いています。
ここまでが打ち手の話です。残るのは「では、自分のブログのどの記事から手をつけるか」ですが、これは AI Overview とは別の問題です。順位のわりにクリックされていない記事を先に直す、という順番は変わりません。その並べ替えを自動でやるツールも作ったので、面倒なら使ってください。詳しくは記事の最後に書きます。
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よくある質問
AIによる概要に引用されると、クリックは増えますか、減りますか
Google は増減を数字で公開していません。公式ドキュメントにあるのは「AIによる概要のある検索結果からクリックした人のクリックは質が高い(サイトでの滞在時間が長くなる傾向がある)」というGoogle自身の観測と、「AIによる概要によって、人々はより多様なサイトを訪れるようになった」という記述です。どちらもクリック数そのものの増減を示した数字ではありません。
そして上に書いたとおり、あなたのサーチコンソールでも切り分けられません。減少幅の推計は第三者の調査に頼ることになります。その推計を期待CTRにどう織り込んだかは2021年のCTRをAI Overview時代に補正するに書きました。
自分の記事をAIによる概要に使われないようにできますか
できます。Search Console の「設定」→「検索の生成AI」で「除外する」を選ぶと、 AIによる概要とAIモードから外れます。 Googleはこの設定を検索の他の部分のランキングや掲載のシグナルには使わないとしています(一部のサイト所有者への段階的な提供です)。
⚠️ ただし除外するとその機能からの表示回数とトラフィックも無くなります。減った分を後から切り分けることもできません(サーチコンソールが AI機能ぶんを通常の検索と合算しているため)。なお nosnippet・data-nosnippet・max-snippet・noindex は検索結果のスニペット全体に効くので、 AIによる概要だけを狙って止める道具ではありません。
今ある記事を、AI時代向けに全部書き直すべきですか
いいえ。まず数字を見てください。クリックが減ったとき、原因は「表示回数が減った」「順位が下がった」「CTRが落ちた」のどれかで、打ち手がまったく違います。AI Overview を理由に全部を書き直すのは、原因を特定しないまま一番重い作業を選ぶことです。数十本あるなら、動いている数本を特定してからのほうが、同じ時間で結果が変わります。
まとめ
- Google の公式ドキュメントは、AI Overview に表示されるための追加要件・特別な最適化・専用の構造化データは不要と明記している
- AIによる概要だけを止めるなら「検索の生成AI」設定(AIによる概要・AIモード・Discoverの生成AI機能が対象。段階的な提供)。 ただし除外すると表示回数もトラフィックも失う。 nosnippet などはスニペット全体に効くので、狙って止める道具ではない
- サーチコンソールの検索タイプはウェブ・画像・動画・ニュースの4つで、AIによる概要ぶんを単独で測れない。だから専用の「対策」は検証できない
- 個人ブログができるのは3つ。①要約で置き換えられない中身(自分で測った数字・実際の画面・判断の分かれ目) ②結論を先に書き、定義を明示し、表と箇条書きで書く ③指名検索・メール・SNSという、クリックされなくても成立する導線
- 公式が「不要」と書いているものを「必要」と売る情報は、根拠を確認する。効果を単独で測れない以上、「対策したら上がった」は他の要因と区別できない
AI Overview は、こちらから動かせる対象ではありません。動かせるのは、要約されても残る中身と、検索を経由しない導線です。できないことを諦めるほうが、先に進みます。
ここから先は、私が作ったツールの話です。
先に書いておくと、これは「AI Overview 対策ツール」ではありません。上に書いたとおり、AIによる概要への露出はサーチコンソールから切り出せないので、このツールもその数字は持っていません。やっているのは、サーチコンソールの「ページ」CSVを読んで、掲載順位4.0〜20.5位・表示回数100回以上のページに絞り、改善余地スコアの多い順に並べることだけです(「CTRの差が大きい順」ではないので、差が小さくても表示回数の多いページが上に来ます)。期待CTRには AI Overview によるクリック減の補正を掛けてあります。エクスポートはZIPのまま読めます(解凍もファイル選びも不要、 Shift_JIS で保存し直したCSVも読めます。ただし .xlsx は読めません)。
判定と候補3記事の改善余地スコアの確認、そのうち1記事分の診断カードまでは無料で、残りの診断カードが2,980円(税込)の買い切りです。月額課金や自動更新はありません。ログインも不要です。 CSVファイルそのものはブラウザの外に出ませんが、診断カードを出すときは、選んだ1ページぶんの数値(URL・キーワード・順位・表示回数・CTR)を送ります。タイトルを取得するボタンを使うと、最大10件のURLを送ります。
⚠️ 向かない人もいます。AI Overview への露出そのものを測りたい人には、このツールは何も答えません。記事の大半が20.5位より下にあるサイトや、表示回数が100回に届かないページばかりのサイトでは、判定に載るページがほとんど出ません。その段階では、記事を増やすほうが先です。
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