リライトレーダーβ

2026-08-22

サーチコンソールでリライトする記事の見つけ方(判定基準を全部公開します)

Search Console を開いても「どの記事をリライトするか」は書いてありません。 そこは自分で決める必要があります。

順位が低い記事から直すのはほぼ失敗します。50位の記事が10位に上がるのは、記事が足りていないか勝てないキーワードを狙っているかで、 リライトで済む話ではないことが多いからです。

割がいいのは「順位は取れているのに、クリックされていない記事」です。順位を1つも動かさずにクリックが増える可能性があり、直すのはタイトルだけなので早く、 失敗しても戻せます。

この記事では、その記事を見つける手順をスプレッドシートで手作業で再現できる形で全部書きます。私が作ったツールがやっている計算そのものです。

手順の全体

  1. Search Console から「ページ」CSVを落とす(期間は過去12か月)
  2. 順位4〜20位・表示100回以上に絞る
  3. 順位ごとの期待CTRを当てる
  4. 期待CTRと実CTRの差 × 表示回数 で「取りこぼしクリック数」を出す
  5. 取りこぼしの大きい順に並べる
  6. 順位帯で「タイトルの問題」と「中身の問題」に分ける

1. CSVを落とす

検索パフォーマンスの画面からエクスポートすると、複数のCSVが入ったZIPが落ちてきます。 使うのはページ.csvです。

期間は「過去12か月」にしてください。既定のままだと個人ブログでは1ページあたりの表示回数が2桁に収まりがちで、 次の絞り込みで全部落ちます。私自身、既定のまま落として0件になりました。

2. 絞り込む

2つの条件で絞ります。

条件理由
掲載順位 4〜20位3位以内はすでに取れている。20位より下は検索結果の2ページ目以降で、 タイトルを直しても見られない
表示回数 100回以上これ未満だと実CTRが偶然で大きく動く。17回表示ならクリック1回で CTRが0%から5.9%に跳ねるので判断材料にならない

3. 期待CTRを当てる

「その順位なら平均どれくらいクリックされるか」の値です。この表を使ってください。

掲載順位期待CTRタイトル問題と判定する差
4位2.78%1.39%
5位2.12%1.06%
6位1.72%0.86%
7位1.46%0.73%
8位1.26%0.63%
9位1.04%0.52%
10位0.94%0.47%
11位0.73%0.37%
12位0.71%0.35%
13〜20位0.71%0.35%

小数の順位(8.4位など)は、前後の値の間を按分してください。 8位が1.26%、9位が1.04%なら、 8.4位は1.17%あたりです。

この数字の出どころ

土台は seoClarity の2021年調査の日本市場データです。そのうえでAI Overview によるクリック減を補正して0.71倍にしています。

補正が必要なのは、AI Overview 以前の期待値と以後の実測値を比べると、全ページで取りこぼしを過大評価するからです。よく引用される「1位のCTRは39.8%」は米国B2B偏りのデータで、 日本のサイトに当てるとほぼ全部が取りこぼし判定になります。

経緯と限界はこちらの記事に書いています。

13位以下が一定なのは意図的です。調査の生データは13位で1.07%まで下がったあと19位で2.91%に上がります(2ページ目に進む人の 行動によるもの)。そのまま使うと「順位を下げたほうが取りこぼしが大きくなる」矛盾が出るので、 下限で固定しています。

4. 取りこぼしクリック数を出す

取りこぼし = 表示回数 × (期待CTR − 実CTR) ÷ 100

  ※ 期待CTR・実CTRはパーセントの数値をそのまま使う
  ※ マイナスになったら 0 にする

マイナスを0にするのが要点です。指名検索(ブログ名・ハンドル名)の多いページは実CTRが期待を大きく上回り、 1位で60%を超えることもあります。放っておくと「取りこぼしがマイナス」の行が 並び順を壊すので、潰します。

スプレッドシートならこうなります。

=MAX(0, C2 * (E2 - D2) / 100)

  C列: 表示回数
  D列: CTR(実測。%を外した数値)
  E列: 期待CTR(上の表から当てた値)

CSVのCTR列は 0.31% のように%付きの文字列で入っているので、数値に直してから使ってください。

5. 並べる

取りこぼしの大きい順に並べます。これで「直す順番」が決まります。

並び順が表示回数に強く引っ張られるのは仕様です。表示100回のページで CTRを2倍にしても増えるのは数クリックですが、表示5,000回のページなら数十クリックになります。効果の絶対量で並べたいので、これが正しい挙動です。

6. タイトルの問題か、中身の問題かを分ける

順位帯で切ります。

条件診断やること
11位以下中身の問題網羅性・検索意図との一致。本文を足す
10位以内で、差が期待CTRの半分以上タイトルの問題タイトルとディスクリプションを直す
10位以内で、差が半分未満取りこぼし小触らない。他のページを優先する

「半分以上」の具体的な数値は、上の表の3列目に入れてあります。 8位なら期待1.26%に対して差が0.63%以上、 つまり実CTRが0.63%を下回っていればタイトルの問題です。

11位以下を「中身の問題」にしているのは、順位が足りていないからです。検索結果の1ページ目に入っていないページは、タイトルを直しても見られる回数が増えません。 まず順位を上げる必要があり、それは本文の仕事です。

3行目の「触らない」が出るのは良い兆候です。順位に対して妥当なCTRが出ているので、そのページに手を入れる価値が薄いという意味です。限られた時間を他に回してください。

この方法の限界

正直に書いておきます。

  • 期待CTRは平均値です。あなたのページ固有の事情(ブランドの知名度・季節性・検索結果の構成)は入っていません
  • 掲載順位はクエリ横断の平均です。複数のキーワードで表示されているページの「平均8位」は、 3位のクエリと20位のクエリの混合かもしれません
  • 12か月平均は、最近下がったページを高く見せます。「8位なのにクリックされない」と見えたページが、実はもう20位のことがあります。 直す直前に直近の順位を確認してください
  • AI Overview の日本固有の出現率は分かりません。補正に使った0.50は米国ベースの報告からの推定です

だから出てくる数字は「直せば必ずその分増える」ではなく「見に行く順番」として使ってください。

毎回やるのが面倒な場合

上の計算はスプレッドシートで再現できます。式も基準も全部この記事に書きました。隠すほどのものではありません。

ただ、記事が増えるたびに手作業でやるのは面倒なので、CSVを貼るだけで ここまでを自動でやるツールを作りました。1記事ぶんの改善案(タイトル案・足りない見出し・直し方の手順)は無料で出ます。

リライトレーダー— ログイン不要で、貼ったCSVはブラウザの外に出ません。

この記事の内容をツールにしています

Search Console の「ページ」CSVを貼ると、クリックを取りこぼしている記事を順番に出します。 1記事ぶんの改善案は無料です。ログイン不要で、貼ったCSVはブラウザの外に出ません。

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