直すべきページは分かった。タイトルの案も出た。けれど、いま順位が付いているページを触って、下がったらどうするのか。
ここでリライトが止まることがあります。私も止まりました。 「タイトルの変更で順位は下がりません」という一般論はどこにでもあるので、 この記事では下がった場合にいくら損するのかを先に計算します。怖さの大きさが分かれば、やるかどうかは自分で決められます。
結論: 狙っている語を残す限り、順位はほとんど動かない
タイトルは、Googleがそのページを何について書かれたものと判断するかの材料の1つです。 だから「順位に一切影響しない」とは言えません。ただし、影響する変え方はかなりはっきりしています。
- 狙っているキーワードをタイトルから抜く → その語での関連性が下がるので、 順位に影響しえます
- 狙っているキーワードは残したまま、語順・具体性・後半の言い回しを変える → 検索結果での見え方は変わりますが、何について書かれたページかは変わりません
つまり、「変えていい部分」と「残す部分」を分ければいいという話です。
タイトルの中には、順位に効く部分とクリックに効く部分がある
| タイトルの要素 | 主に効くもの | 扱い |
|---|---|---|
| 狙っているキーワードそのもの | 順位 | 残す。抜かない |
| 本文の内容との一致 | 順位・検索結果への反映 | ずらさない |
| キーワードの位置(前半か後半か) | クリック | 前半に寄せてよい |
| 具体的な数字・対象読者・結論 | クリック | 足してよい |
| 「解説」「まとめ」などの締め | クリック | 削ってよい |
| サイト名・区切り記号 | クリック(長さを食う) | 短くしてよい |
触っていいのは下の4行です。上の2行さえ守れば、この記事で扱う不安のほとんどは消えます。
それでも1つ順位が落ちたら、いくら損するのか
ここからが本題です。「下がるかもしれない」は、程度が分からないと判断のしようがありません。順位ごとの平均クリック率が分かっていれば、損失の大きさは計算できます。
| いまの順位 | 取りこぼしている幅(最低でも) | 1つ落ちて失う幅 | 2つ落ちて失う幅 |
|---|---|---|---|
| 4位 | 1.39% | 0.66% | 1.06% |
| 5位 | 1.06% | 0.40% | 0.65% |
| 6位 | 0.86% | 0.26% | 0.45% |
| 7位 | 0.73% | 0.20% | 0.43% |
| 8位 | 0.63% | 0.23% | 0.33% |
| 9位 | 0.52% | 0.10% | 0.31% |
| 10位 | 0.47% | 0.21% | 0.23% |
2列目は、このサイトのツールが「タイトルの問題」として拾う条件です。 その順位の平均クリック率の半分を下回っているページだけを対象にしているので、判定に引っかかった時点で、取りこぼしの幅は最低でもこの値あります。
3列目と4列目は、順位が1つ・2つ落ちたときに平均クリック率が下がる幅です。
どの順位でも、2列目が3列目と4列目より大きくなっています。判定に引っかかったページに関しては、順位が2つ落ちる損より、いま取りこぼしている幅のほうが大きいということです。 これが、この記事で言いたいことのすべてです。
この表の前提(鵜呑みにしないために)
- 表示回数が変わらないと仮定しています。1ページ目の中で1〜2位動くだけなら表示回数はあまり変わりませんが、 10位から11位に落ちると検索結果の2ページ目に移るので、この表の外の話になります
- 2列目は「取りこぼしている幅」であって「必ず取り返せる量」ではありません。タイトルを直せば全部埋まる、という意味ではありません
- 4位のページだけは差が小さくなります(取りこぼし1.39%に対して、 2つ落ちると1.06%)。上位ほど1つの順位が重いためです
- 判定に使っているのは表示回数100回以上のページだけです。 これを下回るページでは、そもそもクリック率が偶然で動くので損得の計算が成立しません
本当に注意が要るのは、URLの変更のほう
「タイトルを変える」と「記事のURLを変える」が、頭の中でくっついていることがあります。この2つはリスクが全く違います。
- タイトルの変更 — 元に戻せます。反映されるまで数週間かかるだけです
- URL(スラッグ)の変更 — 古いURLに付いていた評価・被リンク・ ブックマークが切れます。リダイレクトを正しく設定しないと順位は落ちます
ブログの設定によっては、記事タイトルを変えるとスラッグも一緒に変わることがあります。変更前に、URLが変わらないことを確認してください。恐れる価値があるのはこちらです。
「下がった」の多くは、測り方の問題
実際に下がったのか、下がったように見えているだけなのか。Search Console の掲載順位は指定した期間の平均なので、ここで取り違えが起きます。
- 変更前28日と変更後7日を比べている — 期間の長さが違うので比較になりません
- 過去12か月で見ている — 変更の影響が12分の1に薄まって見えます
- 変更の数日後に見ている — 検索結果にまだ新しいタイトルが出ていない可能性があります
比べるなら同じ長さの期間で、新しいタイトルが検索結果に出たことを確認してからです。 確認の手順と待つ期間はリライトの効果はいつ分かるのかに書きました。
怖さを実際に下げる4つの手順
- 変更前の数字を控える。日付・掲載順位・表示回数・CTR・旧タイトル。 これが無いと、下がったかどうかを後から判定できません
- 狙っている語を残す。上の表の1行目です
- URLが変わらないことを確認する
- 1本ずつやる。10本まとめて変えると、順位が動いたときに どれが原因か分かりません
4番目は面倒に見えますが、戻すときに効きます。1本ずつなら、下がった1本だけを戻せます。
元に戻す判断
下がったように見えた瞬間に戻すと、何も学べません。順に確認してください。
| 確認 | そうだった場合 |
|---|---|
| 新しいタイトルが検索結果に出ているか | 出ていない → まだ判定できない |
| 比較した期間の長さは同じか | 違う → 揃えて見直す |
| 触っていない他のページも同時に下がっていないか | 下がっている → 原因はこのページの外にある |
| 狙っている語がタイトルに残っているか | 残っていない → 戻す。ここが原因の可能性が高い |
| 3〜4週間たって、上のどれにも当たらない | 戻してよい。元のタイトルは控えてある |
タイトルは元に戻せます。戻せると分かっていれば、変更のリスクは「数週間ぶんのクリック」に限定されます。 本文を大きく書き直したときと違って、取り返しのつかない変更ではありません。
まとめ
- 狙っているキーワードを残す限り、順位はほとんど動かない。抜くと影響しうる
- 順位が2つ落ちる損より、判定に引っかかったページが取りこぼしている幅のほうが大きい
- 本当に注意が要るのはURLの変更。タイトル変更と一緒にやらない
- 「下がった」の多くは期間の取り方の問題
- 変更前の数字を控える。1本ずつ変える。タイトルは戻せる
どのページなら触る価値があるのか(=2列目が大きいページはどれか)は、判定基準を全部公開した記事の手順で手作業でも出せます。毎回やるのが面倒だったので、CSVを貼るだけで出るようにしました。
リライトレーダー— 1記事ぶんの改善案は無料です。