この記事のまとめ
リライトでやってはいけないのは、①すでに順位が取れている見出しを消す、②URL(スラッグ)を変える、③一度に何箇所も変える、④キーワードを不自然に足す、⑤同じ内容の記事をもう1本作る、の5つです。共通するのは「いま評価されている根拠を、気づかないうちに消す」という一点で、加筆そのものは危険ではありません。原因は、Google サーチコンソールがページ単位のクエリまでしか示さず、ページ内のどの見出しがどの検索語を拾っているかは分からないことです。掲載順位4.0〜20.5位・表示回数100回以上のページに絞ったうえで、順位相応のCTRが出ているページを外せば、そもそも触る必要のないページを触らずに済みます。
リライトを調べていると、「リライトしたら順位が下がった」という話が先に目に入ります。直したいのに、触って悪化させるのが怖い。
注意点をまとめた記事はたくさんあるのですが、たいてい「見出しを変えない」「URLを変えない」と書いてあるだけで、なぜそうなるのかが書かれていません。理由が分からないと、自分のケースが当てはまるのか判断できません。
やってはいけないのは、上位ページの見出しを消す・URLを変える・一度に何箇所も変える・キーワードを不自然に足す・同じ内容の記事をもう1本作る、の5つです。この記事では着手前の判断だけに絞って、それぞれを「なぜそうなるのか」から書きます。覚えるのではなく、構造が分かれば自分で判断できるようになるからです。
なお、そもそも触らなくていいページを触らないのが一番安全です。どのページが対象かを先に確かめる手もありますが、理由を知らないと結果の読み方を間違えるので、先に構造から書きます。
Search ConsoleのZIPを読み込むと、候補の判定と1記事分の診断カードを無料で確認できます。登録は不要です。ZIPが無い場合は、診断カードの見本を確認できます。
5つに共通している1つの構造
個別の話に入る前に、全部に共通する形を出しておきます。
いま順位が付いているページは、あなたが意図していない検索語も拾っています。1本の記事が10語も20語も拾うのは普通のことで、その多くは書いたときに狙っていなかった語です。
問題は、どの語をページの「どの部分」が拾っているかを確認する手段が無いことです。サーチコンソールが示すのはページ単位のクエリまでで、エクスポートしたCSVもクエリとページが別々の表に分かれています(クエリとページの違い)。
つまりリライトとは、中身が見えない箱の一部を差し替える作業です。やってはいけないことは全部、「見えていない評価の根拠を消してしまう」という1つの形をしています。
① すでに順位が取れている見出しを消す
順位が付いているページの見出しを消すと、あなたが知らない検索語の入口ごと失うことがあります。よくあるのは、「構成を整理しよう」と思って見出しを統合したり、話が逸れている節を削ったりする直し方です。
その節が、あなたの知らない検索語を拾っていることがあります。本題から逸れて見える1段落が、実は月に数百回表示されている入口だった、ということが起きます。
判断の基準はこうです。
- 順位が1ページ目に入っているページの見出しは、消すより足す。並べ替えも避ける
- 11位より下のページは、見出しを直す価値がある。順位そのものを上げる工程だから
この線引きの根拠は見出しのリライトが効くのは11位より下のページに書きました。上位のページで見出しを触るのは、得るものより失うもののほうが大きくなりやすいです。
どうしても整理したい場合は、消さずに残したまま、下のほうへ移すのが折衷案になります。文章が残っていれば、拾っていた語を失う可能性は下がります。
② URL(スラッグ)を変える
記事の内容を大きく変えたので、URLも実態に合わせたい。気持ちは分かりますが、ここは触らないのが原則です。
URLを変えると、Googleから見れば古いURLが消えて、新しいURLが生まれたことになります。順位も被リンクも、古いURLに紐づいていたものです。
301リダイレクトを正しく設定すれば引き継げますが、引き継ぎは3つのレイヤーに分かれていて、全部が同時に移るわけではありません。手順と、何が移って何が移らないかはURLを変えるとSEO評価は切れるにまとめました。
⚠️ リライトと同時にURLを変えないこと。順位が動いたとき、内容のせいなのかURLのせいなのかが永久に分からなくなります。
③ 一度に何箇所も変える
これは順位を下げる直接の原因ではありません。下げるのではなく、学習できなくなります。
タイトルと見出しと本文を同時に直して順位が上がったとして、次の記事で何を再現すればいいのかが分かりません。下がった場合も、どれを戻せばいいのか分かりません。
1回のリライトで変えるのは1箇所。これが結局いちばん速い進み方になります。10本の記事に同じ1箇所の変更を入れれば、10本ぶんの結果が同じ条件で並ぶからです。
変える前の数字を控えておく必要があります。記録する項目は5つで足ります(リライトの記録は5項目で足りる)。次の変更まで3〜4週間空ける理由はリライトの頻度はどれくらい?に書きました。
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④ キーワードを不自然に足す
「狙う語が本文に3回しか出ていないから増やそう」という直し方です。これは効かないだけでなく、読みにくくなるぶん損をします。
語の出現回数で順位が決まるという公式の記述は見つけられませんでした。実際に起きているのは逆で、足りない論点を足した結果として、その語が自然に増えるという順番です(共起語とは、SEO効果は順番が逆)。
判断の基準を1つ挙げるなら、「その文を音読して不自然か」です。不自然なら、読者にとっても不自然です。
文字数を増やすこと自体についても同じ構造です(リライトで文字数を増やすと順位は上がるのか)。
⑤ 同じ内容の記事をもう1本作る
リライトのつもりで新しく書き直し、古い記事も残す。これをやると自分の記事どうしが同じ語で競合します。
検索エンジンはどちらを出すか決めかねて、両方の順位が中途半端になることがあります。しかもこの状態は記事の中を読んでも気づけません。2本の「間」にしか現れないからです。
見つけ方はキーワードカニバリゼーションの確認方法に、直すか統合するか消すかの仕分けは伸びない記事はリライトか、統合か、削除かにあります。
着手前の注意点、やってはいけないこと以外にやること
禁止事項を並べるだけだと動けなくなるので、着手前にやることも2つだけ書きます。
| やること | なぜ |
|---|---|
| 変える箇所を1つに絞る | 効いたかどうかを次の記事に持ち越せる。複数だと持ち越せない |
| 変更前の表示回数・クリック数・CTR・掲載順位を控える | サーチコンソールは「いつ何を変えたか」を持っていない。比較の基準は自分で作るしかない |
そして、そもそも触らなくていいページを触らないのが最大の安全策です。順位に対して妥当なクリック率が出ているページは、直しても増える余地が小さいからです。
目安として、seoClarity「2021 CTR Study」の日本市場・全デバイスの実測に、Ahrefs が公表した AI Overview によるCTR減少率をかけた期待CTRは、4位で3.15%、8位で1.52%、12位で0.90%です。実CTRがこれを上回っているページは、取りこぼしがほぼありません。
補正のかけ方と、順位ごとに減少率が違う理由は2021年のCTRをAI Overview時代に補正するに書きました。
⚠️ よく引用される「1位のCTRは39.8%」を基準にすると、ほぼ全ページが取りこぼし判定になります。あの数字の出どころは「1位のCTRは39.8%」はどこから来た数字かに書きました。
それでも順位が下がったら
5つを守っても下がることはあります。コアアップデート、競合の更新、季節の需要変動など、自分の変更とは無関係な要因があるからです。
大事なのは、下がった直後に慌てて戻さないことです。判断は3〜4週間後。手順はリライトで順位が下がったときの戻し方にまとめてあります。
なお、直した内容が検索結果に出るまでにはクロールとインデックス更新の工程があり、順位が動く前に「まだ反映されていない」だけのことがあります。切り分け方はリライトが反映されない4つの工程に書きました。
よくある質問
リライトで見出しを増やすのは問題ありませんか
足すのは、消すより安全です。いま拾っている語を失うリスクが低いからです。ただし1回の変更は1箇所に絞ってください。見出しを足すのとタイトルを直すのを同時にやると、どちらが効いたか分からなくなります。
タイトルを変えると順位が下がりますか
下がることはあります。狙っている語がタイトルから消えると影響が出やすいので、語を残したまま並びと表現だけを変えるのが基本です。詳しくは記事タイトルを変えると順位が下がる?を見てください。
公開日を新しい日付に変えれば評価は上がりますか
日付だけを変えても中身は変わりません。更新した実態が無いのに日付だけ動かすのは避けてください。情報の鮮度で直すべき箇所の優先順位は古い記事の情報を更新するリライトの方法にあります。
リライトは何本まで同時にやっていいですか
本数の上限はありません。制約は「1本あたり1箇所」のほうです。10本に同じ1箇所の変更を入れるのは、むしろ推奨されるやり方です。条件が揃うので、結果を比べられます。
他の記事を参考に書き写すのは「やってはいけない」に入りますか
入ります。他サイトの文章をそのまま写す、語順だけ入れ替えるといった足し方は、検索の評価より先に著作権の問題になります。検索側でも、他所と同じ内容が増えただけのページになるので、リライトの目的である「足りない論点を足す」から外れます。参考にするなら論点だけを拾って、自分の言葉と自分の数字で書き直してください。
古い記事を消すのは「やってはいけない」に入りますか
入りません。ただし消す前に表示回数を確認してください。表示回数がある記事を消すと、そのぶんの入口が無くなります。判断の基準は古い記事を削除するとSEOの評価は上がるのかにあります。
まとめ
- やってはいけない5つ:上位ページの見出しを消す/URLを変える/一度に何箇所も変える/キーワードを不自然に足す/同じ内容の記事をもう1本作る
- 共通するのは「いま評価されている根拠を、気づかないうちに消す」という構造。加筆そのものは危険ではない
- 原因は、どの部分がどの検索語を拾っているかを確認する手段が無いこと
- 着手前にやることは2つだけ。変える箇所を1つに絞る/変更前の4つの数字を控える
- 最大の安全策は、触らなくていいページを触らないこと
ここから先は、私が作ったツールの話です
「触らなくていいページを触らない」を数十本の記事で毎回判断するのは手間がかかります。その判断だけを自動化したのがリライトレーダーです。
Search Console の「ページ」CSVをZIPのまま渡すと、掲載順位4.0〜20.5位・表示回数100回以上のページだけを拾い、改善余地スコアの大きい順に並べます。順位に対して妥当なCTRが出ているページは候補から自動的に外れます。読み込みと判定はブラウザの中で完結するので、CSVファイルそのものはブラウザの外に出ません(診断カードを出すときに選んだ1ページのURL・数値・入力したキーワードを、「ページタイトルを取得する」を押したときに判定に出たページのURLを最大10件送ります。診断カードを作るときは、送られたURLのページ内容もサーバーが読みに行きます)。
判定と候補3記事の改善余地スコアの確認までは無料です。今月確認する上位3記事の診断カードが2,980円(税込)の買い切りで、月額課金や自動更新はありません。
⚠️ 向かない場合も書いておきます。表示回数100回以上のページがまだ無いサイトでは、判定できるページが1件も出ません(クリック1回でCTRが振れてしまうため、対象から外しています)。公開して間もない記事ばかりで、まずは記事を増やす段階なら向きません。Search Console を導入していないサイトも、渡すCSVが無いので対象外です。
Search ConsoleのZIPを読み込むと、候補の判定と1記事分の診断カードを無料で確認できます。登録は不要です。ZIPが無い場合は、診断カードの見本を確認できます。

