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CTRの目標値はサイト共通で置かない、順位ごとの期待CTRとの差で見る

CTRの目標値をサイト共通で1つ置くと、直すべきページと直さなくていいページが入れ替わります。目標2%だと期待3.15%の4位は取りこぼしていても達成、期待0.90%の12位は上回っていても未達と出るためです。順位ごとの期待CTRとの差で見る方法と、目標の置き換え方を書きました。

この記事のまとめ

クリック率(CTR)の目標値は、サイト共通で1つ置かないほうがいいです。同じ「CTR 2%」で測ると、期待CTRが3.15%ある4位のページは取りこぼしているのに達成と出て、期待CTRが0.90%しかない12位のページは期待を大きく上回っているのに未達と出るからです。見るのは絶対値ではなく、自分の掲載順位に対する期待CTRとの差で、日本市場の実測(seoClarity「2021 CTR Study」)に AI Overview による減少を織り込んだ値を使います。数字で目標を持ちたいなら「CTR何%」ではなく「改善余地スコアを何件減らす」に置き換えるのが、順位が動いても意味が変わらない唯一の置き方です。

CTRの目標値とは、クリック率がこの数字を下回ったら手を入れる、と決めておく基準のことです。

結論から書きます。この基準を、サイト共通の1つの数字として置くのはやめたほうがいいです。順位によって期待できるCTRがまったく違うので、同じ数字で測ると直すべきページと直さなくていいページが入れ替わります。

「クリック率は何%あればいいのか」という問いに対する答えは、順位を言ってもらわないと出せません、が正確なところです。4位なら3.15%前後、8位なら1.52%前後、12位なら0.90%前後。これだけ開きがあります。

自分のページがどれだけ取りこぼしているかを機械に出させる手もありますが、先に「なぜ共通の目標値が壊れるのか」を書きます。ここが分からないと、出てきた数字の意味も分かりません。

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共通の目標値が機能しない理由は、比べる相手が水平線だから

CTRは掲載順位でほぼ決まる数字です。上に表示されるほどクリックされ、下に行くほどされません。これは書き方の巧拙より先に効いてしまう部分です。

判定に使っている期待CTRを並べると、この落差がはっきりします。4位は3.15%、8位は1.52%、12位は0.90%です。4位と12位では3倍以上の開きがあります。

ここに「CTR 2%を目標にする」という基準を持ち込むと、何が起きるか。順位で下っていく階段に、1本の水平線を引くことになります。

CTRの共通目標と順位ごとの期待CTRを比較し、水平線では測れないことを示す図

水平線と階段は、どこか1点で交わります。その交点より上位のページは全部甘く、下位のページは全部厳しく判定されます。目標を2%に置いた場合、線が期待CTRと交わるのは6位(2.05%)と7位(1.75%)のあいだです。

つまり6位より上のページは、期待を下回っていても達成と出ます。4位のページが2%ちょうどだとすると、それは期待3.15%の6割ほどしか取れていない状態ですが、目標は達成しています。

逆に7位より下のページは、期待を上回っていても未達と出ます。12位のページの期待は0.90%なので、2%という目標は期待の2倍以上を要求していることになります。

これは目標値の設定が下手だから起きるのではありません。水平線で階段を測る限り、どんな数字を選んでも同じことが起きます。2%を1%に下げれば交点が下に移るだけで、甘い帯と厳しい帯が入れ替わって残ります。

同じ数字で測ると、直す順番が逆になる

抽象的な話に聞こえるので、数字を置きます。※サンプルデータの数字です。実績ではありません。

ページ掲載順位表示回数クリック実CTR「CTR 2%」での判定その順位の期待CTR改善余地スコア
ページA4.0位3,000回66回2.20%達成3.15%約28.5回
ページB12.0位3,000回45回1.50%未達0.90%0回(期待を上回る)

目標2%で並べると、手を入れる対象はページBになります。1.50%で未達だからです。ページAは2.20%で達成しているので、対象から外れます。

期待CTRで並べると、答えが逆になります。ページAは4位なのに期待3.15%に対して2.20%しか取れておらず、表示3,000回に対して約28.5クリックを取りこぼしています。

一方のページBは12位で、期待は0.90%です。1.50%はそれを大きく上回っているので、取りこぼしは0として扱います。この状態でタイトルを書き換えると、うまくいっている状態を壊しにいくことになります。

共通の目標値は、実際に取りこぼしているページAを見逃し、うまくいっているページBを直しに行かせます。これがこの記事でいちばん書きたかったことです。目標値が「少し不正確」なのではなく、優先順位を逆向きに並べます。

代わりに見るのは、自分の順位に対する期待CTRとの差

期待CTRとは、その掲載順位のページが平均でどれくらいクリックされるかの目安です。これを自分の順位ごとに当てて、実CTRとの差を見ます。

判定に使っている値は次の3つが代表です。数字の出どころは日本市場の実測(seoClarity「2021 CTR Study」・調査期間2020年7月〜2021年6月)で、そこに AI Overview による減少率を順位別に掛けています。

掲載順位期待CTR(補正後)「CTR 2%」を当てると
4位3.15%期待の6割ほどで達成になる(甘すぎる)
8位1.52%期待を上回っていても未達になる
12位0.90%期待の2倍以上を要求することになる

1位から20位までの一覧と、13位以下を一律の床値にしている理由は掲載順位別のCTR一覧にまとめてあります。

この比べ方には範囲があります。掲載順位4〜20.5位・表示回数100回以上のページだけが対象です。1〜3位は既に取れているので直す余地が小さく、表示回数が少ないページはクリック1回で実CTRが跳ねるため、差を見ても意味がありません。

自分のCTRが期待を下回っているかを実際に確かめる手順はブログのCTRが平均より低いか確認する方法に分けて書きました。なお業種別・サイト別の平均値を目標に使わないほうがいい理由は、平均の中身が自分と違うクエリの束だからで、これは業種別のCTR平均は使えるかで扱っています。

目標の置き方は4つある

目標を持つこと自体は悪くありません。問題は何を目標の単位にするかです。実際に取りうる選び方を並べます。

置き方向いている場面限界
サイト全体のCTRを◯%にする報告用に1つの数字が要るとき順位の構成が変わるだけで動く。上位のページが増えれば何もしなくても上がる
記事ごとにCTR◯%を目標にするページ単位で追いたいとき上位で甘く下位で厳しくなり、直す順番が入れ替わる(この記事の本題)
業種別・サイト別の平均に合わせる外部の基準が欲しいとき平均の中身が自分と違うクエリの束なので、当てても自分の値にならない
期待CTRとの差を改善余地スコアに直し、それを減らす直す順番と、直した効果の上限を同時に知りたいとき期待CTRの前提(出典・AI Overview補正)を引き受けることになる。順位が動けば目標も動く

1つめは、指標としては見てもいいものです。ただし目標には向きません。サイト全体のCTRは順位の混ざったものの平均なので、記事の質と関係なく上下します。

4つめを勧める理由は、順位が動いても意味が変わらないからです。CTRの目標は順位が変わるたびに設定し直す必要がありますが、クリック数の目標はそのまま使えます。

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「改善余地スコアを何件減らす」に置き換える

実際の置き換え方を書きます。使うのは Search Console の「ページ」CSVだけです。

  1. ページ単位のCSVを落とす。クリック数・表示回数・CTR・掲載順位の4つが入っていれば足ります
  2. 掲載順位4〜20.5位・表示回数100回以上に絞る。この外側は数字が判断材料になりません
  3. 1ページずつ、期待CTR − 実CTR を出す。マイナスになったページは0として扱います(期待を上回っている状態です)
  4. その差に表示回数を掛ける。これが1ページあたりの改善余地スコアです
  5. 合計を出し、そのうち何件を回収するかを目標にする。これが「CTR◯%」の代わりになる数字です

たとえば上位10ページの取りこぼし合計が月120クリックだったとします(※サンプルデータの数字です)。目標は「3か月で合計の4分の1、月30クリックを回収する」のように置けます。120の4分の1で30です。

この形にすると、良いことが3つあります。改善余地スコアの大きさがそのまま優先順位になること(率の差ではありません。差が小さくても表示回数が多いページのほうが上に来ます)、達成・未達がアクセスの実際の増減と一致すること、そして順位が動いても目標の意味が変わらないことです。

注意点も書いておきます。期待CTRは平均なので、直せば必ずそこまで届くという保証はありません。改善余地スコアは「うまくいったときの上限」として読んでください。合計の全部を回収する目標は、最初から無理があります。

もう1つ、目標から外したほうがいいページがあります。サイト名や商品名で検索されているページです。指名検索が混ざると実CTRが期待を大きく上回るので、取りこぼしが0と出ます。この見分け方は指名検索が混ざるとCTRが高く出るに書きました。

よくある質問

クリック率は何%あればいいのですか

掲載順位を決めないと答えが出ません。判定に使っている期待CTRでいうと、4位なら3.15%、8位なら1.52%、12位なら0.90%が目安です。4位と12位で3倍以上の開きがあるので、「何%あればいい」という共通の答えを作ると、上位のページで甘く、下位のページで厳しい基準になります。自分の順位に当てた期待CTRと比べてください。

サイト全体のCTRを目標にするのは駄目ですか

見る分にはかまいませんが、目標には向きません。サイト全体のCTRは順位の混ざったものの平均なので、記事を1本も直さなくても、上位に入るページが増えれば上がります。逆に新しい記事が下位に並んだだけで下がります。動いた理由が記事の改善なのか順位構成の変化なのかを、この数字から切り分けることはできません。

期待CTRを上回っているページには、目標を置かなくていいのですか

取りこぼしは0として扱い、対象から外して問題ありません。順位に対して妥当なクリック率が出ている状態なので、そこを触るより、期待を下回っているページに時間を使うほうが増えるクリック数は大きくなります。ただし期待CTRはあくまで平均なので、上回っていること自体は「これ以上伸びない」という意味ではありません。

まとめ

  • サイト共通のCTR目標値は置かないほうがいい。順位によって期待できるCTRが違うため、同じ数字で測ると判定が実態と合わなくなる
  • 固定の目標値は順位で下る階段に引いた水平線で、交点より上位は全部甘く、下位は全部厳しく判定される。目標2%なら交点は6位(2.05%)と7位(1.75%)のあいだ
  • サンプルでは、目標2%だと取りこぼしている4位のページが「達成」、期待を上回っている12位のページが「未達」と出た。直す順番が逆になる
  • 代わりに見るのは自分の順位に対する期待CTRとの差(4位3.15% / 8位1.52% / 12位0.90%)。対象は順位4〜20.5位・表示回数100回以上のページ
  • 数字で目標を持つなら「CTR何%」ではなく「改善余地スコアを何件減らす」。順位が動いても目標の意味が変わらない
  • ただし期待CTRは平均なので、改善余地スコアは「うまくいったときの上限」として読む。全部を回収する目標は最初から無理がある

ここから先は、私が作ったツールの話です。

この記事に書いた計算を自動でやるツールを作りました。Search Console のエクスポートをZIPのまま落とすだけで、掲載順位4〜20.5位・表示回数100回以上のページを拾い、順位ごとの期待CTRとの差を改善余地スコアに直して大きい順に並べます。共通の目標値を置かずに済むのは、この計算をページごとにやっているからです。判定と候補3記事の改善余地スコアの確認、そのうち1記事分の診断カードまでは無料で、残りの診断カードが2,980円(税込)の買い切りです。月額課金や自動更新はありません。ログインも不要です。CSVファイルそのものはブラウザの外に出ません(診断カードを出すときに選んだ1ページのURL・数値・入力したキーワードを、「ページタイトルを取得する」を押したときに判定に出たページのURLを最大10件送ります)。

⚠️ 向かない人もいます。表示回数が100回に届かないページばかりのサイトでは、対象が0件になります。1〜3位が中心のサイトも同じで、判定の範囲外です。サイト名で検索されるページが多い場合は、実CTRが期待を上回って「取りこぼし0」と出るので、この道具では優先順位が付きません。期待CTRの前提(2021年の日本市場の実測に AI Overview の減少率を掛けたもの)を自分で決めたい人にも向きません。

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この記事の内容をツールにしています

Search Console の「ページ」CSVを貼ると、改善余地のある記事を順番に出します。 判定とご自分の記事1件分の診断カードは無料です。ログイン不要。CSVファイルはアップロードせず、ブラウザ内で解析します。

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この記事を書いた人

みやこし

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noteQiitaZenn

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