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業種別のCTR平均は使えるか、クエリの種類で変わるので、自分の実測と比べる

順位別の平均CTRは業種やクエリの種類で変わります。公開された平均は集めた検索語の束の加重平均で、指名検索の割合や検索結果の見た目で動くためです。業種別の表を探すより、サーチコンソールで自分の実測を順位帯ごとに並べるほうが早く終わります。

この記事のまとめ

「順位別の平均CTR」は業種やクエリの種類によって変わります。公開されている平均が「その調査が集めた検索語の束の平均」だからで、束の中身が違えば答えも変わります。行き先が決まっている指名検索が多い標本は高く出ますし、検索結果の上にAI Overviewが出るクエリが多い標本は低く出ます(AI Overviewが出る検索では1位のクリックが58%減るという調査があります)。ただし業種別・クエリ種別の平均CTRを日本市場で測った一次情報を、私は見つけられていません。だから業種別の表を探すより、サーチコンソールで自分のサイトの実測を順位帯ごとに並べ、同じ帯の中で外れているページを探すほうが早いです。

自分のブログのCTRが1.5%だったとして、これが低いのか高いのかを知りたい。そう思って「業種別 CTR 平均」で探している人向けの記事です。

先に結論を書きます。業種別のCTR平均は、見つかっても自分の数字の答えにはなりません。業種が同じでも、集まっている検索語の種類が違えばCTRは変わるからです。そしてあなたのサイトの検索語の構成は、あなたのサーチコンソールにしか入っていません。探すより、自分の実測を並べたほうが早いというのがこの記事の中身です。

並べる作業だけ機械にやらせる手も ありますが、なぜ業種別の表が効かないのかを先に書きます。ここが分かると、探す時間がまるごと浮きます。

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「業種別のCTR平均」を探しても、自分の数字の答えは出ない

まず、当サイトが使っている基準について正直に書いておきます。これも業種別ではありません。日本市場全体を集計した実測値(生の値で1位13.94%)に、 AI Overview によるクリック減を補正したものを使っています。業種で分けた数字は持っていません。

そのうえで、仮に業種別の表を見つけたとしても、自分に当てはめる前に3つ確認することになります。

  • どのサイトを、その業種に入れたのか — 分類の基準は調査ごとに違います
  • どんな検索語を集めたのか — ここが同じでないと、平均は比較できません
  • いつ、どの国で、どのデバイスで測ったのか — この3つが違うだけで数字は動きます

この3つが書かれていない表は、自分の数字と比べても意味がありません。高く出ていれば「うちは低い」と思い、低く出ていれば「うちは優秀だ」と思う。どちらも、比べた相手が何だったのか分からないまま出した結論です。

よく引用される「1位のCTRは39.8%」も、標本の性格が違うものを基準にした例です → 「1位のCTRは39.8%」はどこから来た数字か

順位別の平均CTRは「検索語の束の平均」でしかない

ここがこの記事の中心です。そもそも「1位の平均CTRは○%」という数字は、どうやって作られているか。

やっていることは単純で、たくさんの検索語について、1位に出たときの表示回数とクリック数を集めて、割っています。つまり加重平均です。

1位の平均CTR = 集めた検索語の 1位クリック数の合計
                 ÷ 集めた検索語の 1位表示回数の合計

この式には「業種」も「クエリの種類」も入っていません。入っているのは「どの検索語を、どれだけ集めたか」だけです。だから集めた束の中身が違えば、答えが変わります。これは調査の善し悪しの話ではなく、平均という計算の性質です。

たとえば(以下は仕組みを説明するための例で、実測値ではありません)、 1位で集めた表示回数10万回のうち、半分がブログ名で探された検索だった束と、そういう検索がまったく入っていない束があったとします。同じ「1位の平均CTR」という名前の数字が、別の値になります。どちらも計算は正しく、どちらも「1位の平均」です。

束を変えるもの平均CTRへの効き方
指名検索の割合多いほど高く出る。順位ではなく「探していたサイトか」で決まるため
検索結果の見た目AI Overview・広告・画像や動画の枠が上に乗ると、同じ順位でも下に押される
対象の国検索する人の行動も、出てくる結果の作りも違う
対象のデバイス画面に一度に入る件数が違う。調査によって全デバイスだったりデスクトップだけだったりする
測った時期検索結果の作りは年単位で変わる

業種はこの表に入っていません。業種が効くとすれば、「その業種の検索語には、これらの偏りが起きやすい」という間接的な形です。業種そのものがCTRを決めているわけではありません。

同じ1位でも、集めた検索語の束の中身が違えば平均CTRは変わる。指名検索の割合・検索結果の見た目・国・デバイス・時期が束を変える要因で、業種はその間接的な言い換えにすぎない

クエリの種類が違うと、クリックの決まり方そのものが違う

束の中身として一番大きいのが、クエリ(検索語)の種類です。大きく分けると、こうなります。

クエリの種類例クリックを決めているもの
行き先が決まっているブログ名、運営者の名前、商品名探していたサイトかどうか。順位はほとんど関係しない
買う・申し込む手前「○○ 料金」「○○ 申し込み」目的の情報がそこにありそうか。広告枠と並ぶことが多い
調べもの「○○とは」「○○ 方法」「○○ 比較」並んだ結果を見比べて決める。1件で終わるとは限らない

この3つは、同じ「クリック率」という言葉で測っていても、中身が違います。行き先が決まっている検索は、極端に言えば順位が何位でもクリックされます。調べもの検索は、並んだ中から選ばれる競争です。

ここから先は、私が確認できていません

正直に書きます。この3種類それぞれの平均CTRを、日本市場で測った一次情報を、私は見つけられていません。だからこの記事に「調べもの検索のCTRは○%」という数字は書きません。確認していない数字を「〜と言われています」で載せると、読んだ人がそれを基準にしてしまうからです。

一次情報で確認できたのは、検索する人の行動がCTRを動かすこと自体までです。当サイトが基準に使っている日本市場の調査には、17〜20位のCTRが11〜16位より高かったという結果が出ていて、報告書はその理由を「閲覧とスクロールの行動を反映したものだろう」と述べています。順位が下がったのにクリック率が上がるのは、順位だけでCTRが決まっていない何よりの証拠です。

出典は seoClarity「2021 CTR Study」(2020年7月〜2021年6月、調査全体で7,500億表示・300億クリック・170億キーワード)。当サイトが使っているのはこの日本市場・全デバイスの列です。日本単体の標本規模は公開されていません。なお当サイトの判定では、この帯の期待CTRは意図的に床値で揃えてあります。

指名検索が混ざっているページは、そもそも平均と比べられない

束を変える要因のうち、個人ブログで一番起きやすいのが指名検索です。ブログ名や運営者名で検索されたぶんが、そのページのCTRに混ざります。混ざったページは「十分クリックされている」ように見えて、判定から外れます。自分のCTRが妙に高いページがあるときは、まずここを疑ってください。

混ざり方と見分け方は1本にまとめてあります → 指名検索が混ざるとCTRが高く出る

業種より、検索結果の見た目のほうが大きく効いている

もうひとつ、業種別の表を古びさせている要因があります。同じ順位でも、上に何が乗っているかでクリック率が変わることです。

AI Overview が出る検索では、1位のクリックが58%減ったという調査があります(30万キーワード、デスクトップのCTR)。順位はそのままで、クリックだけが減っています。

当サイトはこれを、期待CTRの側に折り込んでいます。 AI Overview が出る検索の割合を50%、出たときの減少率は順位別(58%は1位の値)として、期待CTRを1位で0.71倍、10位で0.90倍しています。結果はこうです。

掲載順位生の実測値(2021年・日本)判定に使う値(補正後)
1位13.94%9.90%
6位2.42%2.05%
10位1.32%1.19%

1位の13.94%(実測)と9.90%(判定に使う値)は別の数字です。どちらを見ているかを取り違えると、そのまま判断が2割ずれます。

そしてAI Overview が出やすいかどうかは、扱っているテーマで違います。つまり「業種でCTRが違う」と言われている現象の一部は、実際には検索結果の見た目の違いかもしれません。ここは私も切り分けられていないので、断定はしません。ただ、業種名で表を探すより自分の検索結果を実際に見に行くほうが早いのは確かです。

58%は1位の値で、減り方は順位によって違います(当サイトの実装は1位の値を全順位に一律で当てているので、下位では過大に出ます) → AI Overviewでクリックはどれだけ減るか

だったら、自分のサイトを物差しにする

ここまでの話をひっくり返すと、答えは自分のデータの中にあります。

あなたのサイトのCTRには、あなたのサイトの束が入っています。あなたが書いているテーマ、あなたの記事が出ている検索語、その検索結果の見た目。全部込みの実測です。これ以上あなたに合った物差しはありません。

この並べ替えを自動でやるツールも作りましたが、まず手でやる手順を書きます。仕組みが分かっていないと、出てきた順番を読み違えます。

直す記事と作業内容を決める

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サーチコンソールで、自分の実測を物差しにする手順

サーチコンソール(Search Console)の「検索パフォーマンス」から、「ページ」のエクスポートを取ります。表計算ソフトで開いて、次の順にやります。

  1. 表示回数100回未満の行を消す — 少ないとCTRが偶然で振れます。表示17回ならクリック0回で0%、1回で5.9%。クリック1個で評価がひっくり返ります
  2. 掲載順位で3つの帯に分ける — 4〜6位 / 7〜10位 / 11〜20位。順位の違うページを同じ土俵に乗せないためです
  3. 帯ごとにCTRを並べ、真ん中あたりの値を見る — これがあなたのサイトの、その順位帯での実力です
  4. 同じ帯で、明らかに下にいるページを拾う —ここが直す候補です。業種別の表は要りませんでした
  5. 拾ったページを画面で開き、クエリを見る — そのページに来ている検索語が、上の3種類のどれなのかを確認します

5番が効きます。下にいる理由が「調べもの検索ばかりだから」なら、それは異常ではありません。逆に同じような検索語なのにCTRだけ低いページがあれば、タイトルと説明文を疑う番です。

画面の「ページ」でURLを1つ選んでから「クエリ」に切り替えると、そのページに来ている検索語が出ます。この掛け合わせは画面ではできますが、画面から落とすCSVには、クエリとページをつなぐ列がありません。手作業でやるなら画面を使ってください。

自分の中だけで比べたときの限界

この方法には弱点があります。サイト全体が世間より低い場合、自分の中の比較では気づけません。全員が同じだけ低ければ、順位はつくのに「特に悪いページ」が見つかりません。

なので外の基準とも1回だけ突き合わせておくと安全です。上の表の「判定に使う値」と自分の帯の中央値を比べて、まるごと下回っているなら、サイト全体でタイトルの付け方を見直す話になります。

外の基準と比べる手順は別に書きました → ブログのCTRが平均より低いか確認する方法

候補が複数出たときの並べ方は、CTRの差そのものではなく、差に表示回数を掛けた「改善余地スコア」の大きい順です。差だけで並べると、表示回数の少ないページが上位に来ます。式と手順は 自分のブログのCTRは平均より低いのかにまとめました。

よくある質問

業種別のCTR平均は、どこかにありませんか

日本市場を業種別に分けて測ったものを、私は見つけられていません。見つからなかったのであって、存在しないという意味ではありません。もし見つけたら、使う前に「どの検索語を、どの国で、いつ、どのデバイスで集めたか」が書かれているかを確認してください。書かれていない表は、自分の数字と比べても解釈できません。

うちのサイトのCTRが低いのは、業種のせいですか

業種のせいかどうかは、その言葉のままでは確かめられません。確かめられるのは「どんな検索語で来ているか」のほうです。調べもの検索が中心なら、比べ読みされるぶんCTRは上がりにくくなります。それは異常ではないので、直す対象は「同じ帯の中で自分より下にいるページ」に絞ってください。

クエリの種類ごとにCTRを出すことはできますか

サーチコンソールの画面ならできます。「クエリ」の一覧には検索語ごとのCTRが出ますし、検索語を含む・含まないで絞り込むフィルタも用意されています。ただし「これは調べもの検索」という分類は、自分で決めることになります。Google が種類のラベルを付けてくれるわけではありません。そして、画面から落とすページCSVにはクエリの列がありません。

まとめ

  • 「順位別の平均CTR」は集めた検索語の束の加重平均。束の中身が違えば答えも変わる
  • 束を変えるのは指名検索の割合・検索結果の見た目・国・デバイス・時期。業種はその間接的な言い換えでしかない
  • クエリの種類ごとの平均CTRを、日本市場で測った一次情報は見つけられていない。だから数値は書かない
  • 探すより、自分のサイトの実測を順位帯ごとに並べるほうが早い。表示回数100回未満は外し、同じ帯の中で下にいるページを拾う
  • 直す順番はCTRの差ではなく、表示回数を掛けた改善余地スコアで決める

比べる相手を間違えているうちは、何%でも判断できません。自分のデータを並べたほうが、探すより速く終わります。


ここから先は、私が作ったツールの話です。

この記事に書いた並べ替えを自動でやるツールを作りました。 Search Console のエクスポートをZIPのまま落とすだけで、掲載順位4.0〜20.5位・ 表示回数100回以上のページに絞り、順位ごとの期待CTRとの差に表示回数を掛けた改善余地スコアの大きい順に並べます。解凍もファイル選びも要りません。判定と候補3記事の改善余地スコアの確認、そのうち1記事分の診断カードまでは無料で、残りの診断カードが2,980円(税込)の買い切りです。月額課金や自動更新はありません。ログインも不要です。 CSVファイルそのものはブラウザの外に出ません。ただし診断カードを出すときは選んだ1ページぶんの数値(URL・キーワード・順位・表示回数・CTR)を送りますし、現在のタイトルを取ってくるボタンを押した場合は最大10件のURLを送ります。ここは正確に書いておきます。

⚠️ 向かない場合があります。このツールはクエリの種類を判別していません。ページCSVにクエリの列が無いためで、判定に使えるのは掲載順位・表示回数・CTRの3つだけです。指名検索が多いページかどうかも、業種も、区別していません。表示回数100回未満のページばかりのブログでは、そもそも判定結果が出ません。クエリの種類まで見て判断したい段階なら、サーチコンソールの画面を直接見るほうが正確です。

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この記事の内容をツールにしています

Search Console の「ページ」CSVを貼ると、改善余地のある記事を順番に出します。 判定とご自分の記事1件分の診断カードは無料です。ログイン不要。CSVファイルはアップロードせず、ブラウザ内で解析します。

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この記事を書いた人

みやこし

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noteQiitaZenn

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