この記事のまとめ
Search Console で最初に覚える数字は4つだけです。クリック数・表示回数・CTR・平均掲載順位。この4つは「クリック数 = 表示回数 × CTR」という掛け算の関係にあり、見る順番を間違えると原因を取り違えます。正しい順番は クリック数 → 表示回数 → 掲載順位 → CTR で、CTRから見てはいけません。 CTRは絶対値ではなく順位ごとの期待値と比べて判断し、表示回数100回未満のページは、そもそも判断できません。
サーチコンソール(Search Console)を開くと数字が並んでいますが、見方として最初に覚えるのは4つだけで足ります。
そして、その4つには順番があります。見る順番を間違えると、直しても効かないところを直すことになります。実際に多いのが「クリックが減った → タイトルを直そう」という判断です。減った原因が表示回数のほうにあると、これは外れます。
判断のところだけ機械にやらせる手もありますが、まずは数字の読み方から書きます。ここが分かっていないと、何を自動化しているのか分かりません。
Search ConsoleのZIPを読み込むと、候補の判定と1記事分の診断カードを無料で確認できます。登録は不要です。ZIPが無い場合は、診断カードの見本を確認できます。
この記事が扱う画面と、当面見なくていい画面
サーチコンソールには画面がたくさんありますが、この記事は「検索パフォーマンス」だけを扱います。理由は、他の画面は「見ても打ち手が無い」ことが多いからです。
| 画面 | いつ見るか |
|---|---|
| 検索パフォーマンス | 毎週。この記事で扱うのはここ |
| URL検査 | 特定の1ページがインデックスされないときだけ |
| インデックス作成(ページ) | 記事を出したのに検索に出てこないとき |
| サイトマップ | 最初に1回登録したら、あとは基本そのまま |
| リンク | 見ても打ち手がほぼ無い。後回しでよい |
最初から全部見ようとすると、どれも中途半端になります。検索パフォーマンスだけで、リライトの判断はできます。
覚える数字は4つだけ
「検索パフォーマンス」の画面に出ている4つです。
| 数字 | 意味 | 動かせるか |
|---|---|---|
| クリック数 | 検索結果から実際に開かれた回数 | 結果。直接は動かせない |
| 表示回数 | 検索結果に出た回数 | 順位と検索需要で決まる |
| CTR | 表示回数のうち、クリックされた割合 | タイトルと説明文で動く |
| 平均掲載順位 | 検索結果での位置の平均 | 本文の中身で動く |
この4つは独立していません。掛け算の関係になっています。
クリック数 = 表示回数 × CTR 表示回数 ← 掲載順位 と 検索需要 で決まる CTR ← 掲載順位 と タイトル・説明文 と 検索結果の見た目 で決まる
掲載順位は2箇所に出てきます。順位が下がれば表示回数が減り、同時に期待できるCTRも下がります。掛ける項ではなく、両方に効く要因です。ここは後で詳しく書きます。

この式が、見る順番を決めます。
なぜ「CTRから見る」と外すのか
クリックが減ったとき、多くの人はCTRを見ます。下がっていれば「タイトルが悪い」と判断します。ここが最初の落とし穴です。
上の式を見てください。クリック数は表示回数とCTRの積です。つまり表示回数が減っただけでも、クリック数は減ります。このときCTRは変わっていないか、むしろ上がっていることさえあります。
表示回数が減っている場合、原因は2つです。
- 掲載順位が下がった — 検索結果に出る機会そのものが減った
- 検索する人が減った — 季節性、流行の終わり、検索語の変化
どちらの場合も、タイトルを直しても戻りません。前者は本文の問題、後者はこちらでどうにもならない問題です。タイトルを何度書き直しても数字が動かないとき、たいていここを見ていません。
このケースの切り分けだけを詳しく書いた記事があります →順位は変わらないのにクリック数だけ減った
サーチコンソールの正しい見る順番
式から逆算すると、順番はこうなります。
- クリック数 — 変化に気づく
- 表示回数 — 減っていれば、タイトルの問題ではない
- 掲載順位 — 表示回数が減った理由が順位か需要かを切り分ける
- CTR — ここまで来て初めて、タイトルを疑う
CTRは最後です。最初に見ると、表示回数の変化を見落とします。
期間比較は「過去28日 vs 前の28日」のように、同じ長さの期間どうしで比べてください。 Search Console には比較機能があるので、そこで両方の期間を並べられます。
平均掲載順位は「平均」であることに注意する
ここも取り違えやすい数字です。平均掲載順位は、そのページが出ているすべての検索語をまたいだ平均です。
たとえば「平均7.2位」と出ていても、7位あたりに安定しているとは限りません。2位のキーワードと40位のキーワードが混ざって、平均が7.2になっていることがあります。
小数で出てくるのはこのためです。「7.28位」という順位は検索結果には存在しません。平均値なので小数になります。
気になるページは、「クエリ」のタブに切り替えてどの検索語で出ているかを見てください。平均の裏側にある内訳が分かります。
CTRは「順位ごとの平均」と比べる
CTRを見るときに、絶対値で判断してはいけません。「1%を切っているから異常」ではないのです。
順位が違えば、期待できるCTRも違います。検索結果の1位と10位では、クリックされる確率がそもそも違うからです。
日本市場の実測値に、AI Overview によるクリック減を補正した値がこれです。
| 掲載順位 | 期待CTR(補正後) |
|---|---|
| 1位 | 9.90% |
| 4位 | 3.15% |
| 6位 | 2.05% |
| 8位 | 1.52% |
| 10位 | 1.19% |
つまり8位のページでCTRが1.2%なら、平均どおりです。直す必要はありません。同じ1.2%でも、4位なら平均の半分以下なので、タイトルを疑う番になります。
そして差に表示回数を掛けると、取りこぼしているクリック数が出ます。8位で表示1,000回・実CTR0.6%なら、期待1.52%との差0.66%×1,000 =約6クリック。これが「順位を動かさずに取れる可能性のある分」です。この数字の大きい順が、直す順番になります。
数値の出どころと限界は推定の根拠と限界に全部書いています。よく見る「1位のCTRは39.8%」を使ってはいけない理由も別に書きました。AI Overview による減少率の一次データはAhrefs の調査(30万キーワード)、画面そのものの仕様はGoogle公式の検索パフォーマンスレポート解説にあります。
判断できないページもある
すべてのページが判断できるわけではありません。次の2つに当てはまるページは、数字を見ても意味のある判断ができません。
- 表示回数が100回未満 — CTRが偶然で大きく振れます。表示17回ならクリック0回で0%、1回で5.9%。クリック1個で評価がひっくり返ります
- 掲載順位が4.0位より上、または20.5位より下 — 上位は改善余地が小さく、下位はそもそも見られていないので、タイトルの問題ではありません。掲載順位は小数で出るので、3.8位のページは「上位すぎる」側に入ります
では20.5位より下に沈んだページはどうするのかという続きは、検索順位20位以下の記事はどう直すか、2ページ目より下では判定できない理由に書いています。CTRでは判定できない代わりに、何を手がかりに直すかという話です。
表示回数が少ないうちは、リライトより新規記事のほうが効きます。判断材料が無いものを判断しようとしても、時間を使うだけです。
ではその表示回数がどれだけあればアクセスになるのかは、検索順位は何位からアクセスが来るのか、順位ではなく表示回数から逆算するで、順位ごとの期待CTRから月10クリックに必要な表示回数を逆算しています。何位まで上げるかではなく、表示回数の側から見ると必要な数が出るという話です。
ここまでを手作業でやるとどうなるか
考え方は以上です。スプレッドシートで再現できます。手順はリライトする記事の見つけ方に、CSVの落とし方は「ページ」CSVはどの期間で落とすかに書いています。 CSVを落として、順位ごとの期待CTRを引き当てて、実CTRとの差を出して、表示回数を掛ける。それだけです。この計算を実際の数式と列の並びまで落とし込んだ手順は、取りこぼしクリックの計算と、リライトの優先順位をスプレッドシートで出す手順にあります。
ただ、記事が100本あると、これを100回やることになります。1件ずつ順位を見て、期待値を引いて、差を計算する。私はここで毎回30分使っていました。
同じ判定を自動でやるツールも作ったので、面倒なら使ってください。詳しくは記事の最後に書きます。
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よくある質問
Search Console の数字とアナリティクスの数字が合いません
合わないのが正常です。数えているものが違うからです。Search Console は「検索結果でクリックされた回数」、アナリティクスは「ページが実際に表示された回数」を数えています。クリックしたあとに読み込みを中断すれば、前者だけが増えます。
自分で検索して自分のページを開いた分も、Search Console 側には数えられます。アナリティクスのような除外設定が用意されていないためで、その理由と、表示回数の規模ごとにどこまで実害になるのかはサーチコンソールに自分のアクセスは入る?除外設定が無い理由と実害に書いています。
ほかにも、アナリティクスはJavaScriptが動いた場合しか計測できない、 Search Console は正規URL単位で集計する、データの反映時間が違う、といった要因があります。要因は1つではなく、完全に一致させることはできません。片方が壊れているわけでもありません。
この「正規URL単位で集計する」がutm付きのURLにどう効くのかは、URLパラメータとSEO、utmを付けると重複コンテンツになるのかで公式ヘルプの原文まで確認しています。「ページ」CSVにパラメータ付きの行が並んでしまうときの読み方も、そちらに書いています。
データは何日前まで見られますか
直近16か月ぶんです。ただし当日と前日のデータは確定していません。2〜3日待ってから見るほうが確実です。
数字は読めましたが、次に何をすればいいか決まりません
単独の数字には、良いとも悪いとも判断できる情報が入っていません。判断が生まれるのは比較対象と並べたときで、比較対象は過去・順位ごとの期待値・サイト内の他ページの3種類しかありません。 サーチコンソールの数字を見ても次にやることが決まらないのは、比較する相手がいないからに、そのうちどれを自分で用意することになるかを書きました。
毎日見たほうがいいですか
いりません。検索順位が動くには数週間かかるので、毎日見ても判断材料は増えません。週に1回、5分見れば十分です。毎日見ると、誤差を変化と読み違えます。
まとめ
- 覚える数字は4つだけ。クリック数・表示回数・CTR・平均掲載順位
- この4つは「クリック数 = 表示回数 × CTR」という掛け算の関係にある
- 見る順番はクリック数 → 表示回数 → 掲載順位 → CTR。CTRから見ると原因を取り違える
- 平均掲載順位は検索語をまたいだ平均。小数で出るのはそのため
- CTRは順位ごとの期待値と比べる。絶対値で判断しない
- 表示回数100回未満のページは、そもそも判断できない
数字そのものより、どの順に見るかのほうが効きます。順番さえ守れば、直しても効かないところに手をつけずに済みます。
ここから先は、私が作ったツールの話です。
この記事に書いた判定を自動でやるツールを作りました。 Search Console のエクスポートをZIPのまま落とすだけで、クリックを取りこぼしている記事が順に出ます。解凍もファイル選びも要りません。判定と候補3記事の改善余地スコアの確認、そのうち1記事分の診断カードまでは無料で、残りの診断カードが2,980円(税込)の買い切りです。月額課金や自動更新はありません。ログインも不要です。CSVファイルそのものはブラウザの外に出ません(診断カードを出すときに選んだ1ページのURL・数値・入力したキーワードを、「ページタイトルを取得する」を押したときに判定に出たページのURLを最大10件送ります)。
⚠️ ただし表示回数が少ないブログでは、判定できるページが出ません。上に書いたとおり、100回未満だと数字が偶然で振れるためです。まずは記事を増やすほうが先の段階なら、このツールは向きません。
Search ConsoleのZIPを読み込むと、候補の判定と1記事分の診断カードを無料で確認できます。登録は不要です。ZIPが無い場合は、診断カードの見本を確認できます。

