この記事のまとめ
「検索順位が何位からアクセスが来るか」は、順位だけでは決まりません。クリック数は「表示回数 × CTR」で決まり、1ページ目の中で順位が動かすのはCTRのほうだからです。日本市場の実測にAI Overview補正をかけた期待CTRは1位で9.90%、10位で1.19%なので、月10クリックに必要な表示回数は1位でも約110回、10位なら約840回です。順位を上げる前に、そのページの表示回数を先に見てください。
サーチコンソールを開くと、掲載順位の列には12位や15位と出ている。それなのにクリック数の列はほとんど0のまま。
この状態で知りたいのは、たいてい「あと何位上げればアクセスが来るのか」という一点だと思います。作業に終わりが見えないと、続けるか諦めるかを決められません。
先に結論を書くと、その質問には順位だけでは答えられません。ただし「答えられない」で終わる話でもなくて、順位と一緒にもう1つの数字を見れば、必要な水準は計算で出せます。
自分のページが今どのあたりにいるかを先に確かめる手もありますが、なぜ順位だけでは足りないのかを知らないと、出てきた数字の読み方を間違えます。先に構造から書きます。
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なぜ「何位から」に一つの答えが無いのか
サーチコンソールのクリック数は、次の式で決まります。
クリック数 = 表示回数 × CTR
順位が動かすのは、おもに右側のCTRです。表示回数は「その検索語を調べた人が何人いて、そのうち何人の画面にあなたのページが出たか」で決まります。1位になっても、その語を月に50人しか調べていなければ表示回数は50回のままです。
ただし1つだけ例外があります。サーチコンソールの表示回数は、検索した人が実際に開いた結果ページでしか記録されません。2ページ目にいるページは画面を送った人のぶんしか数えられないので、11位以下から1ページ目に入ると、表示回数そのものも増えます。逆に、1ページ目の中での上下(8位から4位など)では表示回数はほとんど変わりません。この記事で「順位が動かすのはCTR」と書くのは、1ページ目の中の話だと思ってください。
だから「何位からアクセスが来るか」は、ページごとに答えが違います。同じ10位でも、表示回数が5,000回あるページと80回しかないページでは、得られるクリック数が2桁違います。
流入を増やす手が「表示回数を増やす」と「CTRを上げる」の2系統に分かれる話は、検索流入を増やす方法は2つしかないにまとめてあります。ここでは、後者だけを順位が担当しているという点だけ押さえてください。
順位ごとの期待CTR(判定に使っている値)
では、順位ごとにCTRはどれくらいになるのか。期待CTRとは、その掲載順位のページが平均してどれくらいクリックされるかの目安で、多数のクエリを横断した実測平均から作った基準値です。リライトレーダーが判定に使っている値を、代表的な順位だけ並べます。
| 掲載順位 | 期待CTR(補正後) | 1,000回表示されたときのクリック数 |
|---|---|---|
| 1位 | 9.90% | 約99回 |
| 3位 | 3.59% | 約36回 |
| 5位 | 2.49% | 約25回 |
| 8位 | 1.52% | 約15回 |
| 10位 | 1.19% | 約12回 |
| 11位 | 0.93% | 約9回 |
| 15位※ | 0.90% | 約9回 |
出典は seoClarity が2021年に公開した日本市場の実測値(1位13.94%。2021 CTR Study(PDF))で、そこに AI Overview のぶんを順位ごとに引いた値です。引く幅は Ahrefs が2026年2月に公表した順位別のCTR減少率(2025年12月・30万キーワード。AI Overviews Reduce Clicks)に基づきますが、こちらはデスクトップの海外データなので目安です。補正をかけている理由はAI Overview補正をかけないと取りこぼしを過大に見積もる話に書きました。
※表の15位は実測値ではありません。出典の実測は13位から下で数字がU字を描き(検索結果の画面を送る行動のせいで、下のほうが高く出る)、そのまま使うと「順位を落とすほど期待CTRが上がる」という壊れた判定になります。そのため判定では13位から下を1.00%の床に揃えていて、表の15位はその床にAI Overview補正をかけた推定値です。
どの値もクエリを横断した平均なので、あなたの特定のページでこの数字が出るという意味ではありません。順位別の一覧と根拠は掲載順位別のCTR平均一覧にあります。
表を見て気づくのは、10位と11位の間より、3位と5位の間のほうが落差が大きいことです。1ページ目の中でも上と下でまったく別の世界になっていて、11位より下は横ばいに近づきます。この横ばいの理由は11位以下のCTRはなぜ横ばいなのかに書きました。
「月10クリック」に必要な表示回数を逆算する
ここまでの2つを組み合わせると、知りたかった数字が出せます。目標のクリック数を期待CTRで割ると、必要な表示回数が出ます。
必要な表示回数 = 目標クリック数 ÷ 期待CTR
月10クリック(1日に0〜1回、誰かが読んでくれる水準)を目標にした場合です。
| 掲載順位 | 月10クリックに必要な表示回数 | 月30クリックに必要な表示回数 |
|---|---|---|
| 1位 | 約110回 | 約310回 |
| 3位 | 約280回 | 約840回 |
| 5位 | 約410回 | 約1,300回 |
| 8位 | 約660回 | 約2,000回 |
| 10位 | 約840回 | 約2,600回 |
| 15位※ | 約1,200回 | 約3,400回 |
この表の使い方は1つだけです。自分のページの表示回数を見て、どの行にいるかを確かめてください。
表示回数が月80回しかないページなら、1位に上げても月8回前後にしかなりません。1ページ目に入って表示回数が多少増えたとしても、桁は変わりません。動かすには表示回数のほうを増やす必要があり、それは順位ではなく拾える検索語の数の話になります。
逆に、表示回数が3,000回あって15位のページは、8位まで上げられれば月46回前後まで伸びる計算になります。同じ「15位」でも、やる価値がまったく違います。
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順位より先に表示回数を見る、が結論
ここまでをまとめると、順番はこうなります。
- 表示回数を見る。ここが2桁なら、順位を上げても桁は変わりません
- 順位を見る。表示回数が足りていて順位が低いなら、上げる価値があります
- 実CTRと期待CTRを比べる。順位のわりにCTRが低いなら、順位ではなくタイトルの側に伸びしろがあります
3番目まで来ると、「順位を上げる」以外の手が見えてきます。順位が同じでもCTRが期待より低ければ、そのぶんは順位を動かさずに取り返せるからです。
表示回数が少ないページはどう扱うか
表示回数が100回に満たないページは、CTRの数字自体が信用できません。
表示17回でクリック0回ならCTRは0%、1回なら約5.9%です。クリックが1回動いただけで、「大幅に下回る」と「大幅に上回る」の間を往復してしまいます。この幅の中では、タイトルが悪いのかたまたまなのかを区別できません。
リライトレーダーが判定の対象を表示回数100回以上に限っているのは、この理由です。下限を下げれば候補は増えますが、増えるのは意味のない診断です。表示回数が少ないページの扱いは表示回数が少ないブログは何をリライトする?に書きました。
1〜3位と20.5位より下は、この計算の外側
リライトレーダーが判定に載せるのは、掲載順位4.0〜20.5位のページだけです。上を4.0位で切っているのは、1〜3位のページはすでにクリックを取れていて、期待CTRとの差がほとんど残っていないからです。
下を20.5位で切っているのは、そこから先が検索結果の2ページ目より深いからです。この帯は画面を送った人のぶんしか表示回数に記録されないうえ、期待CTRの推定自体が不安定になります。
20.5位より下でやることは、CTRの改善ではなく順位そのものを上げる作業になります。詳しくは検索順位20位以下の記事はどう直すかを見てください。
やるべきことの選択肢は3つある
自分のページがどの状態かによって、選ぶ手が変わります。どれか1つを選んでください。
| 状態 | 選べる手 | 期待できること |
|---|---|---|
| 表示回数が2桁 | そのページは触らず、別の語を拾える記事を書く | 順位を上げても上限が低いので、母数を作りに行くほうが早い |
| 表示回数が十分・順位が11位以下 | 本文と見出しを直して順位を上げる | 順位が上がればCTRも上がるので、効果が二重になる |
| 表示回数が十分・順位が1ページ目・CTRが期待より低い | タイトルと説明文を直す | 順位を動かさずにクリックだけ取り返せる |
この3つはどれも自分で判断できます。必要なのはサーチコンソールの数字だけで、ツールも有料サービスも要りません。手作業でやる場合の式と手順は取りこぼしクリックの計算をスプレッドシートで出す手順に全部出してあります。
向いていないのは、ブログを始めたばかりで、まだ検索データがほとんど無い場合です。表示回数が全ページ2桁なら、この記事の計算はどの行にも当てはまりません。その段階でやることは記事を増やして拾える語を増やすことで、判定でも計算でもありません。
よくある質問
検索順位10位以内に入ればアクセスは来ますか
表示回数によります。10位の期待CTRは1.19%なので、月1,000回表示されるページなら約12クリック、月100回なら約1クリックです。「10位以内」という条件だけではクリック数は決まりません。
1位になれば何クリックくらい増えますか
いまの表示回数に1位の期待CTR(9.90%)を掛けた数が上限の目安です。表示回数1,000回なら約99回。1ページ目の中で順位を上げても表示回数はほとんど変わらないので、この掛け算より大きくはなりません(2ページ目から1ページ目に入るときだけは、表示回数のほうも一緒に増えます)。
表示回数はどうすれば増えますか
その記事が拾える検索語を増やすか、需要のある語で新しく記事を書くかのどちらかです。1ページ目の中で順位を上げる作業では増えません。例外は11位以下から1ページ目に入るときで、このときだけは1ページ目しか見ない人にも表示されるようになるため、表示回数も増えます。詳しくは検索流入を増やす方法は2つしかないにまとめました。
期待CTRの数字は自分のブログにも当てはまりますか
目安としてのみ使えます。出典はクエリを横断した平均で、ジャンルや指名検索の割合で実際の値は動きます。他人の平均と比べるより、自分のサイトの順位帯ごとの実測を並べるほうが早いです(業種別のCTR平均は使えるか)。
順位が15位で表示回数も少ないページは、どうすればいいですか
そのページは後回しでかまいません。順位を上げてもCTRの上限が低く、表示回数も足りていないので、手を入れた効果が数字に出ません。先に、表示回数が足りているページを探してください。
まとめ
- 「何位からアクセスが来るか」に一つの答えは無い。クリック数は表示回数 × CTR で、順位が動かすのはおもにCTR(11位以下から1ページ目に入るときだけ、表示回数のほうも増える)
- 期待CTRは1位9.90%、5位2.49%、10位1.19%(日本市場の実測にAI Overview補正をかけた値)。13位から下は実測ではなく1.00%の床に揃えた推定で、15位は0.90%
- 月10クリックに必要な表示回数は、5位で約410回、10位で約840回、15位で約1,200回
- 順位より先に表示回数を見る。2桁のページは1位にしても桁が変わらない
- 表示回数100回未満はCTR自体が偶然で振れるので、判断材料にしない
ここから先は、私が作ったツールの話です
上の3つの判断を、記事が数十本あるサイトで毎回やるのは手間がかかります。表示回数を見て、順位を見て、期待CTRと比べて、並べ替える。その作業だけを自動化したのがリライトレーダーです。
Search Console の「ページ」CSVをZIPのまま渡すと、掲載順位4.0〜20.5位・表示回数100回以上のページだけを拾い、改善余地スコアの大きい順に並べます。読み込みと判定はブラウザの中で完結するので、CSVファイルそのものはブラウザの外に出ません(診断カードを出すときに選んだ1ページのURL・数値・入力したキーワードを、「ページタイトルを取得する」を押したときに判定に出たページのURLを最大10件送ります)。
判定と、そのうち候補3記事の改善余地スコアの確認、1記事分の診断カードまでは無料です。残りの診断カードが2,980円(税込)の買い切りで、月額課金や自動更新はありません。ログインも不要です。
Search ConsoleのZIPを読み込むと、候補の判定と1記事分の診断カードを無料で確認できます。登録は不要です。ZIPが無い場合は、診断カードの見本を確認できます。

