この記事のまとめ
同じ掲載順位でも、モバイルとPCでクリック率は違います。 seoClarity の2021年CTR調査(2021年5月の30日間・国を分けていない全体値)では、1位はPC 8.17%に対しモバイル 6.74%とPCが高く、3位から10位まではすべてモバイルのほうが高いという逆転が起きています。ただし「日本のモバイルだけのCTR」という数字は、この調査から作れません。デバイス別は国を分けておらず、日本の数値(1位13.94%)は全デバイス合算で、両者の掛け合わせは公開されていないからです。 Search Console で確かめるには、ページのCSVにデバイスの列が無いため、画面側でデバイスのフィルタを掛けてから「ページ」タブに戻る必要があります。
結論から書きます。同じ順位でも、モバイルとPCでクリック率は違います。そしてどちらが高いかは順位によって入れ替わります。
上位(1〜2位)はPCのほうが高く、3位から10位はモバイルのほうが高い。これはseoClarity が2021年に公開したCTR調査の実測値です。以下、どの版のどの表から引いているかを明示しながら書きます。
なお、自分のサイトのどのページで期待値との差が大きいかを先に知りたい場合は、エクスポートしたZIPをそのまま入れて見ることもできます。ただしデバイスの話は先に整理しておいたほうが誤読しません。
Search ConsoleのZIPを読み込むと、候補の判定と1記事分の診断カードを無料で確認できます。登録は不要です。ZIPが無い場合は、診断カードの見本を確認できます。
1〜2位はPC、3位から10位はモバイルのほうがクリックされる

seoClarity の2021年CTR調査には、「Desktop CTR vs Mobile CTR (Overall)」という独立した章があります。そこに載っている順位別の実測値がこれです。
| 掲載順位 | PC(デスクトップ) | モバイル | 高いほう |
|---|---|---|---|
| 1位 | 8.17% | 6.74% | PC |
| 2位 | 3.82% | 3.41% | PC |
| 3位 | 2.43% | 2.50% | モバイル |
| 4位 | 1.63% | 1.71% | モバイル |
| 5位 | 1.11% | 1.18% | モバイル |
| 6位 | 0.84% | 0.89% | モバイル |
| 7位 | 0.67% | 0.75% | モバイル |
| 8位 | 0.54% | 0.64% | モバイル |
| 9位 | 0.52% | 0.55% | モバイル |
| 10位 | 0.44% | 0.48% | モバイル |
出典: seoClarity「2021 CTR Study」 の「Desktop CTR vs Mobile CTR (Overall)」章。この章の期間は2021年5月の30日間で、国を分けていない全体の数字です(日本の内訳ではありません)。 2026年8月16日にPDFを取得し、全文を照合しました。
原文はこう書いています。「3位から10位まで、すべての順位でモバイルのクリック率はPCより高い」("For every position from 3 through to position 10, the click-through rates from mobile devices are all higher than on desktop.")。
つまり「モバイルはCTRが低い」も「モバイルはCTRが高い」も、どちらも不正確です。正しくは「順位が上ならPC有利、下がるほどモバイル有利」。差が付くのは1位で、ここだけ1.4ポイント以上開きます。
なぜ順位によって有利なデバイスが入れ替わるのか
ここが現象の裏側です。理由は1画面に何件入るかにあります。
PCの検索結果は横に広く、縦も詰まっているので、スクロールせずに複数件が同時に目に入ります。その中で1位は位置も見た目も突出しているので、比較検討の前に押されやすい。だから1位に票が集中し、2位以下の取り分が急に減ります。
モバイルは逆です。1画面にほぼ1件しか入りません。1位を見た時点では「他に何があるか」が見えていないので、いったんスクロールするという動作が入ります。スクロールは端末を持ったときに常にやっている動作なので、負担がほとんどありません。
結果として、モバイルでは票が縦に広く散ります。1位の取り分は減り、そのぶんが3位以降に回る。これが逆転の正体です。
調査の側も同じ見立てを書いていますが、断定はしていません。原文は "Presumably, the familiarity of scrolling on mobile devices plays a part in organic CTRs."(おそらく、モバイル端末でのスクロールへの慣れが影響している)と、推測であることを明示した書き方をしています。私もそこは推測として読んでいます。
傍証はあります。同じ調査の季節性の章に、「上位20位を通してのモバイルCTRの年間平均は2.47%、PCは1.95%」という記述があります。上位20位まで含めて均すとモバイルが上回るのは、票が縦に散るという見立てと矛盾しません。
なお、同じ調査の業種別の章では上位10件の合計でPCのほうが高く出る業種もあります。平均は集めた検索語の束で動くという話は業種別のCTR平均は自分のサイトに使えるかに書きました。ここでは「デバイス差も一枚岩ではない」とだけ押さえておきます。
「日本のモバイルCTR」という数字は、この調査から作れない
ここが、この記事でいちばん誤解されやすいところです。上の表は、日本の数字ではありません。
同じPDFの中に、切り口の違う2つの章が入っています。この2つは掛け合わされていません。
| 章 | 切り口 | そこに無いもの |
|---|---|---|
| Desktop CTR vs Mobile CTR (Overall) | デバイス別・国は分けていない | 国の内訳 |
| CTR by Country (All devices) | 国別・全デバイス合算 | デバイスの内訳 |
章の見出しに"(All devices)"と書いてあるとおりです。日本の1位13.94%という数字は後者のもので、PCとモバイルを合算した値です。
したがって「日本のモバイルだけの1位のCTR」は、この調査からは出せません。どこかでその数字を見かけたら、デバイス別(国横断)の表と国別の表を勝手に掛け合わせていないかを疑ってください。私は掛け合わせられる一次情報を確認できていないので、この記事にもその数字は書きません。
当サイトが期待CTRに使っているのは後者の「日本・全デバイス」の列です。比較の手順は自分のCTRを順位別の平均と比べる方法に書きました。
ちなみに seoClarity は2025年7月にもモバイル/PCのCTR調査を出しています(約1,200万キーワード・約7.5億表示・約3,200万クリック)。ただし順位別の数値は資料請求フォームの向こう側にあり、私は中身を確認できていません。公開ページから引けるのは「モバイルもPCも全順位で低下しており、この変化は特定のデバイスに固有ではない」という定性の結論までです。確認できていない数値は、この記事には載せません。
期待値との差が大きいページを先に絞ってから、そのページだけデバイス別に見るのが早いです。ZIPを入れて候補を出すところまでは、解凍もファイル選びも要りません。
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Search Console でデバイス別に見る手順
まず前提として、ページのCSVにデバイスの列はありません。エクスポートしたZIPには「デバイス.csv」も入っていますが、中身はサイト全体をPC/モバイル/タブレットで割った3行だけです。URLごとのデバイス内訳ではありません。
これは仕様の都合ではなく、集計の単位が違うからです。公式ヘルプにこう書かれています。「[クエリ]、[国]、[デバイス]、[日付] でグループ化されたデータは、プロパティごとに集計されます。[ページ] または [検索での見え方] でグループ化されたデータは、ページごとに集計されます」。集計単位が違うものは、同じ表の別の列にはできません。
なので画面側で絞り込んでから、ページの表に戻るという手順になります。
- Search Console の「検索パフォーマンス」を開く
- 表の上の「デバイス」タブを開く。ここで自分のサイトの PC/モバイルの比率が分かる(まずこれを見る)
- 「モバイル」の行をクリックする。公式ヘルプに「表の任意の行をクリックすると、データがその行で自動的にフィルタされます」とあるとおり、上部にフィルタが追加される
- そのまま「ページ」タブに戻る。モバイルだけのページ別データになっている
- 「エクスポート」で落とす。PCぶんはフィルタを掛け直してもう一度
フィルタは「+ フィルタを追加」から直接指定することもできます。公式ヘルプは「国が『米国』かつデバイスが『モバイル』」という例を挙げています。
PCとモバイルを並べて見たいなら、フィルタではなく「比較」を使います。公式ヘルプに「複数のデバイス、検索タイプ、国、検索での見え方のタイプのデータを表示したい場合は、比較を使用する必要があります(2 項目まで比較できます)」とあり、比較にすると行ごとの差の列が表に出ます。
落とすときの注意が1つ。ファイル名はフィルタを掛けても変わりません。モバイルぶんとPCぶんで同じ「ページ.csv」が2回落ちてくるので、落とした直後に自分で名前を分けてください。ZIPの中身の見方はサーチコンソールのCSVエクスポート手順にまとめてあります。
モバイル比率が高いと、期待CTRとの比較はどうずれるか
ここは断定できないところなので、分かることと分からないことを分けて書きます。
当サイトの期待CTRは日本・全デバイスの列から作っています。「全デバイス」の平均は、調査の標本のデバイス構成で重み付けされた値です。自分のサイトの構成がそれと大きく違えば、比較にずれが出る可能性があります。
向きの見当までは付きます。ただし表で確認できるのは3位から10位までで、そこではモバイルのほうがCTRが高いです。判定範囲のうち10位より下は出典に内訳がなく、上位20位平均でモバイルのほうが高いという傍証から同じ向きだろうと推測しているだけです。モバイル比率が高いサイトほど、本来の期待値は全デバイス平均より上にあってもおかしくありません。
ただしずれの大きさは計算できません。日本のデバイス別の内訳が公開されていないからです。日本での逆転の起き方が国横断の表と同じである保証もありません。だからこの記事は「ずれる可能性がある」までしか書きません。
もう1つ、正直に書いておくべき限界があります。当サイトの期待CTRには AI Overview による減少の補正が入っていますが、その元データは「デスクトップのCTR」で測られたものです(Ahrefs の調査。原文に "average desktop clickthrough rate (CTR)" と明記)。モバイルの内訳は原典にありません。補正の考え方はAI Overview でクリックはどれだけ減るかに書きました。
まとめると、この判定はデバイス中立ではありません。ページを直す順番を決める道具としては使えますが、「取りこぼし◯クリック」という絶対値をそのまま信じるものではありません。調査の巻末も「自分のデータで確かめること」と書いています。
デバイス差が分かったあと、何をするか
デバイス差そのものは動かせません。読者がスマホで検索することも、モバイルの画面に1件しか入らないことも、こちらの操作の外にあります。
動かせるのは検索結果に出る文字だけです。そしてここに、デバイスで確かに違う要素が1つあります。モバイルは横幅が狭いぶん、タイトルが切れる位置が早いことです。
モバイル比率が高いサイトなら、切れる位置より前に、狙う語と要点が入っているかを確かめる価値があります。文字数の考え方はSEOのタイトルは何文字がいいのかに分けて書きました(Googleは文字数ではなく幅で切っているので、「◯文字まで安全」という基準は作れません)。
手順にすると、こうなります。
- デバイスタブで自分の比率を見る。モバイルが大半なら、以降の判断はモバイル寄りに倒す
- モバイルだけにフィルタしてページ別のCTRを見る。全体で見たときより乖離が大きいページが浮くことがある
- そのページを実際にスマホで検索して、表示を目で見る。切れている位置と、上に何が挟まっているか(広告・AI Overview など)を確認する
なお、PC用とモバイル用でタイトルを出し分けることはできません。設定できるタイトルは1つです。比率の高いほうに合わせて、狭いほうで成立する書き方にする—— 実務上はそれだけです。
よくある質問
スマホとPCでは、どちらのCTRが高いのですか
順位によって入れ替わります。seoClarity の2021年CTR調査(2021年5月の30日間・国を分けていない全体値)では、1位はPC 8.17% / モバイル 6.74%、2位はPC 3.82% / モバイル 3.41%とPCが高く、3位から10位まではすべてモバイルのほうが高いと報告されています(3位 PC 2.43% / モバイル 2.50%、8位 PC 0.54% / モバイル 0.64%)。差がいちばん大きいのは1位で、1.4ポイント以上開きます。理由として調査はモバイルでのスクロールへの慣れを挙げていますが、推測であることを原文自身が明示しています。
日本のスマホだけの順位別CTRは、どこで見られますか
私は公開された一次情報を確認できていません。よく引用される seoClarity の2021年調査は、デバイス別の章が国を分けておらず、国別の章は全デバイス合算で、この2つは掛け合わされていません(国別の章の見出しは "CTR by Country (All devices)")。したがって「日本のモバイル1位は◯%」という数字は、この調査からは作れません。そう書かれた記事を見かけたら、2つの表を勝手に掛け合わせていないかを確かめてください。確かめられるいちばん近い数字は、自分の Search Console をデバイスで絞り込んだ実測値です。
ページのCSVにデバイスの列を足すことはできませんか
できません。画面側でフィルタを掛けてから落とす必要があります。Google の公式ヘルプによれば、「デバイス」はプロパティごとの集計、「ページ」はページごとの集計で、集計の単位そのものが違います。手順は「デバイス」タブでモバイルの行をクリック →「ページ」タブに戻る → エクスポート。ファイル名は変わらないので、モバイルぶんとPCぶんは自分で名前を分けてください。
モバイル比率が9割です。順位別の平均CTRと比べる意味はありますか
順番を決める用途なら意味があります。絶対値として読むと危険です。期待CTRの元になっている日本の数字は全デバイス合算なので、自分のサイトのデバイス構成が標本と違えばずれが出る可能性があります。国横断の表では3位以降でモバイルが上回るため、本来の期待値は平均より上にあってもおかしくありませんが、ずれの大きさは計算できません(日本のデバイス別内訳が非公開のため)。同じ基準で全ページを並べて、差の大きい順に手を付ける—— この使い方であれば、基準が多少ずれていても順番は壊れにくいです。
まとめ
- 同じ順位でもデバイスでCTRは違い、どちらが高いかは順位で入れ替わる。 2021年の調査では1位はPC 8.17% / モバイル 6.74%、3位から10位はすべてモバイルが高い
- 理由は1画面に入る件数。PCは1位が突出して票が集中し、モバイルは1件ずつスクロールするので票が縦に散る。ただし調査自身が推測と明示している
- 「日本のモバイルCTR」は、この調査からは作れない。デバイス別の章は国を分けておらず、国別の章は全デバイス合算で、掛け合わせは公開されていない
- Search Console ではページのCSVにデバイス列が無い。集計単位が違うためで、「デバイス」タブで行をクリック →「ページ」タブに戻る、という手順になる
- モバイル比率が高いと期待CTRとの比較はずれる可能性があるが、ずれの大きさは計算できない。順番を決める道具として使い、絶対値として読まない
- 打ち手は切れる位置より前に要点を置くこと。PC用とモバイル用でタイトルは出し分けられないので、比率の高いほうに合わせる
ここから先は、私が作ったツールの話です。
Search Console のエクスポートをZIPのまま落とすだけで、掲載順位4.0〜20.5位・表示回数100回以上のページを拾い、改善余地スコア(表示回数 × 期待CTRとの差)の大きい順に並べるツールです。解凍もファイル選びも要りません。デバイスで絞り込んだCSVを入れれば、そのデバイスだけのページを同じ基準で並べることもできます。判定と候補3記事の改善余地スコアの確認、そのうち1記事分の診断カードまでは無料で、残りの診断カードが2,980円(税込)の買い切りです。月額課金や自動更新はありません。ログインも不要です。 CSVファイルそのものはブラウザの外に出ません(診断カードを出すときに選んだ1ページのURL・数値・入力したキーワードを、「ページタイトルを取得する」を押したときに判定に出たページのURLを最大10件送ります)。
⚠️ 向かない人がいます。まず、このツールはデバイスを判別しません。ページのCSVにデバイスの列が無いためで、デバイス別に見たければ自分でフィルタを掛けてから入れる必要があります。期待CTRの基準は日本・全デバイスなので、この記事に書いたとおりデバイス構成が偏ったサイトではずれる可能性があります。絶対値の精度を求める人には向きません。また表示回数が2桁で止まっているブログでは、条件を満たすページが出ません。公開日や更新日も判定できません(ページCSVにその情報が入っていないためです)。
Search ConsoleのZIPを読み込むと、候補の判定と1記事分の診断カードを無料で確認できます。登録は不要です。ZIPが無い場合は、診断カードの見本を確認できます。

