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11位以下のCTRはなぜ横ばいなのか、2ページ目のクリック率の実測値

11位以下でCTRが横ばいに見える理由を、seoClarity調査の日本の実測値から説明します。実測は12位1.00%が最小で19位2.91%まで上がるU字。この帯は順位とクリック率が対応しないので、タイトルを直しても効果を判定できません。

この記事のまとめ

検索結果の11位以下では、掲載順位とクリック率(CTR)の対応が崩れます。 seoClarity の2021年調査(日本・全デバイス)の実測値では、 10位1.32%・11位1.03%・12位1.00%と下がったあと、16位2.19%・19位2.91%と、下の順位のほうが高くなります。報告書はこれを閲覧とスクロールの行動によるものと推測しています。そのため、この帯では「順位を1つ上げればCTRがこれだけ増える」という計算が成り立ちません。リライトレーダーが13〜20位の期待CTRを1.00%(AI Overview補正後0.90%)の床値で揃え、20.5位より下を判定から外しているのはこのためです。見込みが無いから外しているのではなく、判断できないから外しています。

11位以下の記事のCTRを見て、「低いのか、こんなものなのか分からない」と止まったときの話です。

先に結論を書きます。11位以下では、CTRを順位と比べて判断できません。2ページ目のクリック率は順位の順に並んでおらず、実測では19位のほうが12位より高いからです。だからこの帯のページは、CTRが低く見えてもタイトルの問題とは限らず、タイトルを直しても数字が動かないことがほとんどです。やるべきなのは順位そのものを上げることで、それは本文の仕事になります。

自分のどの記事がこの帯にいるのかをまとめて出すこともできますが、先に理屈を書きます。ここが分かっていないと、出てきた順番の意味が読めません。

次に直す記事を自分のデータで調べる

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11位以下でCTRがほぼ横ばいに見えるのは、順位との対応が崩れているから

まず実測値を出します。seoClarity が2021年に公開した調査の、日本・全デバイスのデータです。調査全体で7,500億回の表示・300億回のクリック・170億キーワードを対象にしています(日本ぶんだけの標本規模は公開されていません)。

掲載順位実測CTR(日本・出典そのまま)
9位1.46%
10位1.32%
11位1.03%
12位1.00%(ここが最小)
13位1.07%
16位2.19%
19位2.91%(12位の約2.9倍)
20位2.85%

10位から11位で1.32%→1.03%と落ちて、12位で1.00%まで下がります。ここまでは順位が下がればCTRも下がる、という素直な形です。

問題はその先です。13位から先は、下に行くほど上がります。19位は2.91%で、1ページ目の9位(1.46%)より高い数字が出ています。

これは日本だけの現象ではありません。報告書は「分析した5か国すべてで、17〜20位は11〜16位より平均CTRが高かった」と書き、その理由を閲覧とスクロールの行動によるものだろうと推測しています。断定はされていません。

11位以下では順位とCTRの対応が崩れ、タイトル変更の効果を判定しにくいことを1〜10位と11〜20位で比較した図解

2ページ目のクリック率が順位の順に並ばない理由

報告書が「推測」と書いている以上、ここから先は確定した話ではありません。ただ、自分の検索を思い出すと納得はできます。

  • 2ページ目に行く人は、1ページ目で決めなかった人です。目的の情報が見つからなかったか、比較したい人。つまり最初から「探し続ける気がある人」だけが残っています
  • その人たちは、2ページ目の一番上から順に見るとは限りません。ざっと下まで流して、目についたものを開く。1ページ目より、位置による有利不利が小さくなります
  • ページの終わりは目に留まりやすいという要因もありえます。スクロールが止まる場所だからです

ここで、よく聞く「2ページ目は誰も見ない」という言い方についても書いておきます。この調査の日本のデータは、そこまで単純なことを言っていません。報告書には「日本では上位10件で42.06%のユーザーが結果をクリックし、2ページ目の終わりまでには61.47%が開く結果を見つけている」と書かれています。

つまり2ページ目が無人なのではありません。起きているのは「順位とクリック率の対応が崩れる」ということです。この違いは大事で、後の判断がまるごと変わります。

この帯では「順位を1つ上げる」の効果が計算できない

1ページ目なら、順位とCTRはきれいに対応しています。 6位から5位に上がれば期待CTRは上がる。だから「1つ上げたらどれくらい増えるか」を見積もれます。

11位以下では、この見積もりが立ちません。実測をそのまま信じるなら、15位から13位に「上がる」とCTRは1.65%から1.07%に下がることになります。順位を上げたのにクリック率が落ちる。これは打ち手の指標として使えません。

リライトレーダーが13〜20位の期待CTRを1.00%の床値で揃えているのは、この矛盾を持ち込まないためです。生値のまま使うと「16位のほうが10位より期待CTRが高い」ことになり、順位を落とすほど評価が上がるツールができあがってしまいます。

掲載順位実測(出典そのまま)ツールのテーブル値判定に使う値(AI Overview補正後)
10位1.32%1.32%1.19%
11位1.03%1.03%0.93%
12位1.00%1.00%0.90%
13位1.07%1.00%0.90%
16位2.19%1.00%0.90%
19位2.91%1.00%0.90%
20位2.85%1.00%0.90%

3列目と4列目の違いは、AI Overview(AIによる要約)による減少ぶんを掛けているかどうかです。係数は順位別で、1位は0.71、 11位以降は0.90です(下位ほど減り方が小さいため)。テーブルの値にこれを掛けたものを判定に使っています。実測13.94%(1位)と、判定に使う9.90%(1位)は別の数字なので、混ぜないでください。

この係数をどう出したかは2021年のCTRをAI Overview時代に補正するに書いています。出典のPDFはseoClarity「2021 CTR Study」で、順位別の国別データは11ページ目、日本の解説は19ページ目にあります。

床値で揃えた結果、12位から20位の期待CTRは、判定上すべて0.90%で横ばいになります。これは「実測が横ばいだから」ではなく、「実測を素直に使うと判定が壊れるから」こう置いているものです。ここは正確に書いておきます。

11位以下の記事は、タイトルを直してもクリック率が動かない

ここまでの話を、手を動かす側の言葉に直します。

タイトルとディスクリプションが効くのは、CTRに対してだけです。表示回数は増やしません。そして11位以下では、そのCTRの期待値が順位で説明できません。

つまりこの帯でCTRが低く出ていても、原因が3つに割れて特定できません。

  • タイトルが弱い
  • その順位帯の行動特性(下まで流し見される・目に留まらない)
  • そもそも表示されているキーワードが、記事の中身とずれている

切り分ける材料が無いまま、タイトルだけ直しても賭けになります。しかも1ページ目と違って、直した結果が良かったのかどうかも、順位が少し動いただけでCTRが上下してしまうので判定できません。

この帯でやることは1つだけです。順位を上げること。11位を10位にする、ではなく、1ページ目のちゃんとした位置まで持っていくという意味です。それは本文の仕事で、検索意図に対して足りていない部分を足す作業になります。

タイトルだけのリライトでどこまで見込めるのかを数字にした記事もあります →タイトルだけのリライトの効果の上限

ツールが20.5位で切っている理由

リライトレーダーの判定に載る条件は2つです。

  • 掲載順位が4.0位〜20.5位
  • 表示回数が100回以上

下側の境界が20.5位という半端な数字なのは、サーチコンソールの掲載順位が平均値で、小数で出てくるからです。 20.4位のページは入り、20.6位のページは外れます。

そして、ここが誤解されやすいところです。20.5位より下を「見込みが無いから」外しているのではありません。期待CTRが横ばいの床値になっている帯なので、実CTRとの差を出しても意味が読めないから外しています。差が出たとしても、それがタイトルのせいなのか順位帯の行動特性なのか、このデータからは切り分けられません。

判定できない帯を無理に判定して並べると、上位に出たページを直しても何も起きないという結果になります。それは時間を捨てることなので、最初から外しています。

なお、11位〜20.5位のページは判定には出ます。ただし診断は必ず「本文確認候補」になります。 11位以下のページの診断が「タイトル確認候補」になることはありません。診断カードにはタイトル案も付きますが、主役は見出しと中身の指摘です。この帯でタイトルを触っても仕方がない、というのが判定の結論そのものだからです。

自分の記事がどの帯にいるかを一覧で出すこともできます。詳しくは記事の最後に書きます。

直す記事と作業内容を決める

Search ConsoleのZIPを読み込むと、候補の判定と1記事分の診断カードを無料で確認できます。登録は不要です。ZIPが無い場合は、診断カードの見本を確認できます。

サーチコンソールで、自分の11位以下を確認する

手作業でやるなら手順はこうです。

  1. サーチコンソールの「検索パフォーマンス」を開く
  2. 期間を過去3か月など、表示回数がある程度たまる長さにする
  3. 「ページ」のタブに切り替え、平均掲載順位の列を表示する
  4. 順位が11位より下のページを、いったん全部よける。 CTRは見なくていい
  5. 残った4〜10位のページだけを、順位ごとの期待CTRと比べる

4のところで「もったいない」と感じると思います。私も最初はそうでした。順位が低いページほど伸びしろがあるように見えるからです。ですが伸びしろがあるのは順位のほうで、CTRのほうではありません。混ぜると手が止まります。

順位が低い記事から手を付けるとうまくいかない話はリライトが効果ない本当の理由に、帯ごとの打ち手としてまとめてあります。

期待CTRとの比べ方を含めた判定の手順はリライトする記事の見つけ方に全部書いています。

よくある質問

11位から10位に上げれば、クリック率は上がりますか

クリック率の上がり幅は、思っているより小さいです。判定に使う値で11位が0.93%、10位が1.19%なので、差は約0.26ポイント。表示1,000回あたり2.6クリックぶんにしかなりません。

1ページ目に入る本当の意味は、表示回数のほうにあります。検索する人の目に入る機会そのものが増えるので、クリック数は増えます。CTRの差ではなく、表示回数の差です。

2ページ目には誰も来ないのではないですか

この調査の日本のデータは、そこまでは言っていません。報告書には「日本では上位10件で42.06%がクリックし、2ページ目の終わりまでに61.47%が開く結果を見つけている」と書かれています。 2ページ目でクリックしている人は一定数います。

ただし2ページ目での順位の上下は、クリック率にきれいに反映されません。実測では17〜20位が11〜16位より高く出ています。「誰も来ない」ではなく「順位で説明できない」が正確な言い方です。

なぜ13〜20位を一律1.00%にしているのですか

実測をそのまま使うと、判定が逆になるからです。19位の2.91%を期待CTRに置くと、10位(1.32%)より高い期待値になります。すると順位を落としたページほど「取りこぼしが大きい」と判定されます。

床値で揃えると、この帯の期待CTRは低めに固定されます。つまり取りこぼしを小さく見積もる側に倒しています。大きく見せて上位に並べるより、そのほうが安全だと考えました。

まとめ

  • 日本の実測値は10位1.32% → 11位1.03% → 12位1.00%で最小。そこから19位2.91%まで上がっていく
  • 報告書は5か国すべてで17〜20位が11〜16位より高いとし、閲覧とスクロールの行動によるものと推測している
  • つまり11位以下では順位とクリック率の対応が崩れる。「2ページ目が無人だから」ではない
  • この帯ではタイトルを直しても、効いたかどうかすら判定できない。やるのは本文で順位を上げること
  • リライトレーダーが20.5位で切っているのは見込みが無いからではなく、判断できないから

順位が低い記事を後回しにするのは、諦めではありません。直す場所が別にある、というだけです。


ここから先は、私が作ったツールの話です。

この記事に書いた線引き —掲載順位4.0〜20.5位・表示回数100回以上に絞り、期待CTRとの差を出す— を自動でやるツールを作りました。サーチコンソールのエクスポートをZIPのまま落とすだけで読めます(解凍もファイル選びも不要で、 Shift_JIS で保存し直したCSVも読めます。ただし .xlsx は読めません)。並び順は「CTRの差が大きい順」ではなく改善余地スコアの多い順なので、差が小さくても表示回数の多いページが上に来ます。 11位以下のページは「本文確認候補」として出るので、タイトルを直す候補と混ざりません。判定と候補3記事の改善余地スコアの確認、そのうち1記事分の診断カードまでは無料で、残りの診断カードが2,980円(税込)の買い切りです。月額課金や自動更新はありません。ログインも不要です。

CSVファイルそのものはブラウザの外に出ません。ただし診断カードを出すときは、選んだ1ページぶんの数値(URL・キーワード・順位・表示回数・CTR)を送ります。タイトルを取得するボタンを使うと、最大10件のURLを送ります。ここは正確に書いておきます。

⚠️ 向かない場合もあります。記事の大半が20.5位より下にいるサイトでは、判定に載るページがほとんど出ません。その段階でこのツールを使っても得るものは少ないです。本文を厚くするか、記事を増やすほうが先になります。表示回数が100回に届かないページも同じ理由で外れます。

Search ConsoleのZIPで無料判定する

Search ConsoleのZIPを読み込むと、候補の判定と1記事分の診断カードを無料で確認できます。登録は不要です。ZIPが無い場合は、診断カードの見本を確認できます。

この記事の内容をツールにしています

Search Console の「ページ」CSVを貼ると、改善余地のある記事を順番に出します。 判定とご自分の記事1件分の診断カードは無料です。ログイン不要。CSVファイルはアップロードせず、ブラウザ内で解析します。

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この記事を書いた人

みやこし

ブログのリライトで「どの記事を直すか」を数字で決めるSEOライター向けツールを作っています。 掲載順位ごとの平均クリック率、AI Overviewによるクリック減の補正、タイトルの直し方など。

noteQiitaZenn

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