この記事のまとめ
タイトルとディスクリプションだけのリライトでは、表示回数は増えません。増えるのはクリック率のぶんだけなので、増えるクリック数の上限 = 表示回数 ×(その順位の平均CTR − いまのCTR)として直す前に計算できます。 8位・表示1,000回のページなら、現実的な線で約7.6クリック、しかもこれはCSVで見ている期間ぶんの数字です。順位による差は4位と10位で2.6倍しかないので、効くかどうかは順位ではなく表示回数でほぼ決まります(表示回数はページによって桁が違うため)。そして検索結果に出るのは title タグとメタディスクリプションで、H1だけを直しても検索結果は変わりません。
本文を全部書き直す時間はない。タイトルとディスクリプションだけ直して効果があるなら、そうしたい。
答えは「ページによる」なのですが、そのページで効くかどうかは、直す前に計算できます。上限の出し方から書きます。
この計算をCSVから一括でやる道具も作ってありますが、先に式のほうを書きます。式が分かっていれば、スプレッドシートでも同じことができます。
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タイトルだけのリライトには天井がある
最初に押さえておくことがあります。タイトルを直しても、表示回数は増えません。
表示回数は、その語が検索された回数と掲載順位で決まります。タイトルを変えても順位はほとんど動かない(それがタイトル変更が安全な理由でもあります)ので、表示される回数は同じままです。
つまり、増えるのはクリック率のぶんだけで、上限が決まっています。
増えるクリック数の上限 = 表示回数 ×(その順位の平均CTR − いまのCTR)
「PVが2倍になりました」のような結果は、この式からは出てきません。タイトルだけのリライトで起きることは、この範囲の中にあります。
順位別の上限(表示1,000回あたり)
| 掲載順位 | その順位の平均CTR | 理論上の最大 | 現実的な線 |
|---|---|---|---|
| 4位 | 3.15% | 31.5回 | 15.8回 |
| 5位 | 2.49% | 24.9回 | 12.5回 |
| 6位 | 2.05% | 20.5回 | 10.3回 |
| 7位 | 1.75% | 17.5回 | 8.8回 |
| 8位 | 1.52% | 15.2回 | 7.6回 |
| 9位 | 1.24% | 12.4回 | 6.2回 |
| 10位 | 1.19% | 11.9回 | 6.0回 |
| 11〜20位 | 0.90% | 9.0回 | この帯は本文の仕事(下記) |
3列目は、いまのクリック率が0%だと仮定した場合の理論上の最大です。実際には0%ではないので、ここまでは増えません。
⚠️ 最終行(11〜20位)の値は実測ではなく、下限として置いている値です。日本市場の実測は12位を底にしてから、下の順位でむしろ上がります。そのまま使うと「順位を落とすほど取りこぼしが大きい」という壊れた並びになるので、下限で止めてあります。詳しくは 11位以下のCTRはなぜ横ばいなのかに書きました。
4列目が現実的な線です。このサイトのツールは「その順位の平均の半分を下回っているページ」をタイトルの問題として拾うので、ちょうど閾値にあるページを平均まで戻せた場合の数字になります。
8位・表示1,000回のページなら、うまくいって7.6クリックです。しかもこれは期間あたりの数字なので、12か月ぶんのCSVで見ているなら1年ぶんです。
効くかどうかは、順位ではなく表示回数で決まる
上の表で、順位による差は4位と10位で2.6倍しかありません。一方で表示回数はページによって桁が違います。
| 同じ8位のページ | タイトルだけで見込める上限 |
|---|---|
| 表示 300回 | 約2.3クリック |
| 表示 1,000回 | 約7.6クリック |
| 表示 3,000回 | 約22.9クリック |
同じ順位・同じ直し方でも、10倍違います。タイトルだけのリライトが効くかどうかは、順位ではなく表示回数でほぼ決まります。
だから、直すページを選ぶときは「順位が惜しいページ」ではなく「表示回数が多くて、その順位の平均を下回っているページ」を選びます。このサイトのツールが並べ替えに使っているのも、この掛け算そのものです。

あなたのページで計算する
Search Console からその1ページの数字を取れば、その場で出せます。
表示回数 : 2,400
掲載順位 : 8.1
いまのCTR : 0.5%
その順位の平均 : 1.52% ← 上の表から
上限 = 2,400 × (1.52 − 0.5) ÷ 100
= 約 25 クリックこの25という数字を見て、それでも直す価値があるかを自分で決めてください。12か月で25クリックなら、月あたり2.0クリックです。私なら、まず他のページを見ます。
この計算を1ページずつやると、記事が100本あれば100回やることになります。同じ計算をCSVの全ページに回して、上限の大きい順に並べるツールも作ったので、面倒なら使ってください。詳しくは記事の最後に書きます。
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上限が小さくなる最大の原因は、表示回数が足りないこと
このツールで判定に使えるのは、表示回数100回以上のページだけです。少ないとクリック率が偶然で大きく振れて、判断材料にならないためです。
そして、表示回数がちょうど100回のページで上の計算をすると、 8位なら上限は約0.8クリックです。タイトルを完璧にしても、1クリック増えるかどうかです。
このとき問題はタイトルではなく、そのページを選んだことです。サイト全体で表示回数がこの水準なら、リライトより先にやることがあります。その話は表示回数が少ないブログで、リライトする記事をどう決めるかに書きました。
「タイトルだけ」の範囲を取り違えていないか
実務でよく起きる事故です。「タイトル」と呼ばれているものが3つあります。
| 何 | 検索結果に出るか | 効くもの |
|---|---|---|
title タグ | 出る | クリック率 |
| H1(記事の中でいちばん大きい見出し) | 直接は出ない | 記事を開いたあとの読まれ方 |
| メタディスクリプション | 出る(書き換えられることもある) | クリック率 |
多くのブログでは、編集画面の「タイトル」欄がtitle タグとH1の両方になります。ですがSEOプラグインを入れていると、検索結果用のタイトルを別の欄で設定できます。どちらの欄がtitle要素になるかはテーマとプラグインの構成で決まるので、確かめ方は SEOタイトルと投稿タイトルの違いは何か、どちらが検索結果に出るかを自分で確かめるにあります。
「タイトルを直したのに検索結果が変わらない」のいちばん多い原因がこれです。記事の見出しだけを変えて、検索結果に出ているのは別欄に入ったままの古い文字列、という状態になります。
直したらsite:検索で、検索結果の文字列が実際に変わったかを確認してください。手順はリライトの効果はいつ分かるのかに書いています。
タイトルだけでは足りない2つの場合
1. 11位以下にいる
検索結果の2ページ目以降はほとんど見られません。表示回数そのものが小さいので、上の計算で出る上限も小さくなります。
ここでやるべきなのは順位を上げることで、それは本文の仕事です。網羅性を足す、検索意図とのずれを直す、という作業になります。この帯でタイトルだけを磨いても、届く先がありません。
2. 本文とタイトルがずれている
Googleは、書いたタイトルをそのまま使うとは限りません。検索語との関連が薄いと判断されると、本文中の見出しなどに書き換えられます。
つまり、本文に書いていないことをタイトルに書いても、検索結果には出ません。「タイトルだけ直す」が成立するのは、そのタイトルに見合う中身が、すでに本文にある場合だけです。
タイトルに「3つの方法」と書くなら、本文に3つ書いてある必要があります。無いなら、本文に足すのが先です。これは全面的な書き直しではありません。タイトルで約束したぶんだけ足す、という作業です。
よくある質問
タイトルだけのリライトで、クリックはどのくらい増えますか
上限は表示回数 ×(その順位の平均CTR − いまのCTR)です。たとえば8位・表示1,000回のページなら、その順位の平均CTRは1.52%なので、平均の半分から平均まで戻せて約7.6クリック。しかもこれは期間あたりの数字で、12か月ぶんのCSVで見ているなら1年ぶんです。表示回数は増えないので、これ以上には増えません。
タイトルを直したのに、検索結果の文字列が変わりません
H1だけを変えている可能性が高いです。検索結果に出るのは title タグとメタディスクリプションで、記事の中の見出し(H1)は直接は出ません。 SEOプラグインを入れていると検索結果用のタイトルを別の欄で設定でき、その欄がtitle要素になっている構成では、編集画面の「タイトル」欄だけを直しても検索結果は古いままになります。直したあとは site: 検索で、実際に文字列が変わったかを確認してください。
表示回数が100回くらいのページでも直す価値はありますか
そのページでは、ほぼありません。表示回数100回・8位で上の式を計算すると、上限は約0.8クリックです。タイトルを完璧にしても1クリック増えるかどうかで、このとき問題はタイトルではなく、そのページを選んだことです。サイト全体でこの水準なら、リライトより先にやることがあります。
まとめ
- タイトルだけのリライトは表示回数を増やさない。増えるのは取りこぼし分だけで、上限がある
- 上限 = 表示回数 ×(その順位の平均CTR − いまのCTR)。直す前に計算できる
- 効くかどうかは順位より表示回数で決まる
- 表示回数が100回前後なら上限は約0.8クリック。問題はタイトルではなくページの選定
- 直すのは
titleタグとディスクリプション。H1だけ変えても検索結果は変わらない - 本文に無いことはタイトルに書けない。書いても書き換えられる
上限がいちばん大きいページを探す作業は、順位と表示回数の掛け算なので機械的にできます。計算式と閾値は全部公開していますので、スプレッドシートでも再現できます。
リライトレーダー— 判定と候補3記事の改善余地スコアの確認、そのうち1記事分の診断カードまでは無料です。
ここから先は、私が作ったツールの話です。
この記事に書いた計算を、CSVの全ページに対して自動でやるツールを作りました。 Search Console のエクスポートをZIPのまま落とすだけで、改善余地スコア(表示回数 × CTR差)の大きい順にページが並びます。解凍もファイル選びも要りません。判定と候補3記事の改善余地スコアの確認、そのうち1記事分の診断カードまでは無料で、残りの診断カードが2,980円(税込)の買い切りです。月額課金や自動更新はありません。ログインも不要です。CSVファイルそのものはブラウザの外に出ません(診断カードを出すときに選んだ1ページのURL・数値・入力したキーワードを、「ページタイトルを取得する」を押したときに判定に出たページのURLを最大10件送ります)。
⚠️ ただし判定に載るのは、掲載順位4.0〜20.5位で、表示回数100回以上のページだけです。この記事に書いたとおり、表示回数が少ないと上限そのものが小さく、 CTRも偶然で振れて判断材料になりません。まだ記事を増やす段階のブログには、このツールは向きません。公開日や最終更新日で絞ることもできません(ページCSVにその列が無いためです)。
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