本文を全部書き直す時間はない。タイトルとディスクリプションだけ直して効果があるなら、 そうしたい。
答えは「ページによる」なのですが、そのページで効くかどうかは、直す前に計算できます。上限の出し方から書きます。
タイトルだけのリライトには天井がある
最初に押さえておくことがあります。タイトルを直しても、表示回数は増えません。
表示回数は、その語が検索された回数と掲載順位で決まります。 タイトルを変えても順位はほとんど動かない (それがタイトル変更が安全な理由でもあります)ので、表示される回数は同じままです。
つまり、増えるのはクリック率のぶんだけで、上限が決まっています。
増えるクリック数の上限 = 表示回数 ×(その順位の平均CTR − いまのCTR)
「PVが2倍になりました」のような結果は、この式からは出てきません。タイトルだけのリライトで起きることは、この範囲の中にあります。
順位別の上限(表示1,000回あたり)
| 掲載順位 | その順位の平均CTR | 理論上の最大 | 現実的な線 |
|---|---|---|---|
| 4位 | 2.78% | 27.8回 | 13.9回 |
| 5位 | 2.12% | 21.2回 | 10.6回 |
| 6位 | 1.72% | 17.2回 | 8.6回 |
| 7位 | 1.46% | 14.6回 | 7.3回 |
| 8位 | 1.26% | 12.6回 | 6.3回 |
| 9位 | 1.04% | 10.4回 | 5.2回 |
| 10位 | 0.94% | 9.4回 | 4.7回 |
| 11〜20位 | 0.71% | 7.1回 | この帯は本文の仕事(下記) |
3列目は、いまのクリック率が0%だと仮定した場合の理論上の最大です。 実際には0%ではないので、ここまでは増えません。
4列目が現実的な線です。このサイトのツールは「その順位の平均の半分を下回っているページ」をタイトルの問題として拾うので、 ちょうど閾値にあるページを平均まで戻せた場合の数字になります。
8位・表示1,000回のページなら、うまくいって6.3クリックです。しかもこれは期間あたりの数字なので、12か月ぶんのCSVで見ているなら1年ぶんです。
効くかどうかは、順位ではなく表示回数で決まる
上の表で、順位による差は4位と10位で3.0倍しかありません。一方で表示回数はページによって桁が違います。
| 同じ8位のページ | タイトルだけで見込める上限 |
|---|---|
| 表示 300回 | 約1.9クリック |
| 表示 1,000回 | 約6.3クリック |
| 表示 3,000回 | 約19.0クリック |
同じ順位・同じ直し方でも、10倍違います。タイトルだけのリライトが効くかどうかは、順位ではなく表示回数でほぼ決まります。
だから、直すページを選ぶときは「順位が惜しいページ」ではなく「表示回数が多くて、その順位の平均を下回っているページ」を選びます。 このサイトのツールが並べ替えに使っているのも、この掛け算そのものです。
あなたのページで計算する
Search Console からその1ページの数字を取れば、その場で出せます。
表示回数 : 2,400
掲載順位 : 8.1
いまのCTR : 0.5%
その順位の平均 : 1.26% ← 上の表から
上限 = 2,400 × (1.26 − 0.5) ÷ 100
= 約 18 クリックこの18という数字を見て、それでも直す価値があるかを自分で決めてください。12か月で18クリックなら、月あたり1.5クリックです。私なら、まず他のページを見ます。
上限が小さくなる最大の原因は、表示回数が足りないこと
このツールで判定に使えるのは、表示回数100回以上のページだけです。 少ないとクリック率が偶然で大きく振れて、判断材料にならないためです。
そして、表示回数がちょうど100回のページで上の計算をすると、 8位なら上限は約0.6クリックです。 タイトルを完璧にしても、1クリック増えるかどうかです。
このとき問題はタイトルではなく、そのページを選んだことです。サイト全体で表示回数がこの水準なら、リライトより先にやることがあります。 その話は表示回数が少ないブログで、リライトする記事をどう決めるかに書きました。
「タイトルだけ」の範囲を取り違えていないか
実務でよく起きる事故です。「タイトル」と呼ばれているものが3つあります。
| 何 | 検索結果に出るか | 効くもの |
|---|---|---|
title タグ | 出る | クリック率 |
| H1(記事の中でいちばん大きい見出し) | 直接は出ない | 記事を開いたあとの読まれ方 |
| メタディスクリプション | 出る(書き換えられることもある) | クリック率 |
多くのブログでは、編集画面の「タイトル」欄がtitle タグとH1の両方になります。 ですがSEOプラグインを入れていると、検索結果用のタイトルを別の欄で設定でき、 そちらが優先されます。
「タイトルを直したのに検索結果が変わらない」のいちばん多い原因がこれです。記事の見出しだけを変えて、検索結果に出ているのは別欄に入ったままの古い文字列、 という状態になります。
直したらsite:検索で、検索結果の文字列が実際に変わったかを確認してください。手順はリライトの効果はいつ分かるのかに書いています。
タイトルだけでは足りない2つの場合
1. 11位以下にいる
検索結果の2ページ目以降はほとんど見られません。表示回数そのものが小さいので、上の計算で出る上限も小さくなります。
ここでやるべきなのは順位を上げることで、それは本文の仕事です。 網羅性を足す、検索意図とのずれを直す、という作業になります。この帯でタイトルだけを磨いても、届く先がありません。
2. 本文とタイトルがずれている
Googleは、書いたタイトルをそのまま使うとは限りません。検索語との関連が薄いと判断されると、本文中の見出しなどに書き換えられます。
つまり、本文に書いていないことをタイトルに書いても、検索結果には出ません。「タイトルだけ直す」が成立するのは、そのタイトルに見合う中身が、すでに本文にある場合だけです。
タイトルに「3つの方法」と書くなら、本文に3つ書いてある必要があります。無いなら、 本文に足すのが先です。これは全面的な書き直しではありません。タイトルで約束したぶんだけ足す、という作業です。
まとめ
- タイトルだけのリライトは表示回数を増やさない。増えるのは取りこぼし分だけで、上限がある
- 上限 = 表示回数 ×(その順位の平均CTR − いまのCTR)。直す前に計算できる
- 効くかどうかは順位より表示回数で決まる
- 表示回数が100回前後なら上限は約0.6クリック。問題はタイトルではなくページの選定
- 直すのは
titleタグとディスクリプション。H1だけ変えても検索結果は変わらない - 本文に無いことはタイトルに書けない。書いても書き換えられる
上限がいちばん大きいページを探す作業は、順位と表示回数の掛け算なので機械的にできます。 計算式と閾値は全部公開していますので、スプレッドシートでも再現できます。
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