リライトレーダーβ

2026-08-11

タイトルだけのリライトに効果はあるか(増えるクリック数の上限を先に出します)

本文を全部書き直す時間はない。タイトルとディスクリプションだけ直して効果があるなら、 そうしたい。

答えは「ページによる」なのですが、そのページで効くかどうかは、直す前に計算できます。上限の出し方から書きます。

タイトルだけのリライトには天井がある

最初に押さえておくことがあります。タイトルを直しても、表示回数は増えません。

表示回数は、その語が検索された回数と掲載順位で決まります。 タイトルを変えても順位はほとんど動かない (それがタイトル変更が安全な理由でもあります)ので、表示される回数は同じままです。

つまり、増えるのはクリック率のぶんだけで、上限が決まっています。

増えるクリック数の上限 = 表示回数 ×(その順位の平均CTR − いまのCTR)

「PVが2倍になりました」のような結果は、この式からは出てきません。タイトルだけのリライトで起きることは、この範囲の中にあります。

順位別の上限(表示1,000回あたり)

掲載順位その順位の平均CTR理論上の最大現実的な線
42.78%27.813.9
52.12%21.210.6
61.72%17.28.6
71.46%14.67.3
81.26%12.66.3
91.04%10.45.2
100.94%9.44.7
11〜20位0.71%7.1この帯は本文の仕事(下記)

3列目は、いまのクリック率が0%だと仮定した場合の理論上の最大です。 実際には0%ではないので、ここまでは増えません。

4列目が現実的な線です。このサイトのツールは「その順位の平均の半分を下回っているページ」をタイトルの問題として拾うので、 ちょうど閾値にあるページを平均まで戻せた場合の数字になります。

8位・表示1,000回のページなら、うまくいって6.3クリックです。しかもこれは期間あたりの数字なので、12か月ぶんのCSVで見ているなら1年ぶんです。

効くかどうかは、順位ではなく表示回数で決まる

上の表で、順位による差は4位と10位で3.0倍しかありません。一方で表示回数はページによって桁が違います。

同じ8位のページタイトルだけで見込める上限
表示 3001.9クリック
表示 1,0006.3クリック
表示 3,00019.0クリック

同じ順位・同じ直し方でも、10倍違います。タイトルだけのリライトが効くかどうかは、順位ではなく表示回数でほぼ決まります。

だから、直すページを選ぶときは「順位が惜しいページ」ではなく「表示回数が多くて、その順位の平均を下回っているページ」を選びます。 このサイトのツールが並べ替えに使っているのも、この掛け算そのものです。

あなたのページで計算する

Search Console からその1ページの数字を取れば、その場で出せます。

表示回数        : 2,400
掲載順位        : 8.1
いまのCTR       : 0.5%
その順位の平均   : 1.26%   ← 上の表から

上限 = 2,400 × (1.26 − 0.5) ÷ 100
     = 約 18 クリック

この18という数字を見て、それでも直す価値があるかを自分で決めてください。12か月で18クリックなら、月あたり1.5クリックです。私なら、まず他のページを見ます。

上限が小さくなる最大の原因は、表示回数が足りないこと

このツールで判定に使えるのは、表示回数100回以上のページだけです。 少ないとクリック率が偶然で大きく振れて、判断材料にならないためです。

そして、表示回数がちょうど100回のページで上の計算をすると、 8位なら上限は0.6クリックです。 タイトルを完璧にしても、1クリック増えるかどうかです。

このとき問題はタイトルではなく、そのページを選んだことです。サイト全体で表示回数がこの水準なら、リライトより先にやることがあります。 その話は表示回数が少ないブログで、リライトする記事をどう決めるかに書きました。

「タイトルだけ」の範囲を取り違えていないか

実務でよく起きる事故です。「タイトル」と呼ばれているものが3つあります。

検索結果に出るか効くもの
title タグ出るクリック率
H1(記事の中でいちばん大きい見出し)直接は出ない記事を開いたあとの読まれ方
メタディスクリプション出る(書き換えられることもある)クリック率

多くのブログでは、編集画面の「タイトル」欄がtitle タグとH1の両方になります。 ですがSEOプラグインを入れていると、検索結果用のタイトルを別の欄で設定でき、 そちらが優先されます。

「タイトルを直したのに検索結果が変わらない」のいちばん多い原因がこれです。記事の見出しだけを変えて、検索結果に出ているのは別欄に入ったままの古い文字列、 という状態になります。

直したらsite:検索で、検索結果の文字列が実際に変わったかを確認してください。手順はリライトの効果はいつ分かるのかに書いています。

タイトルだけでは足りない2つの場合

1. 11位以下にいる

検索結果の2ページ目以降はほとんど見られません。表示回数そのものが小さいので、上の計算で出る上限も小さくなります。

ここでやるべきなのは順位を上げることで、それは本文の仕事です。 網羅性を足す、検索意図とのずれを直す、という作業になります。この帯でタイトルだけを磨いても、届く先がありません。

2. 本文とタイトルがずれている

Googleは、書いたタイトルをそのまま使うとは限りません。検索語との関連が薄いと判断されると、本文中の見出しなどに書き換えられます。

つまり、本文に書いていないことをタイトルに書いても、検索結果には出ません。「タイトルだけ直す」が成立するのは、そのタイトルに見合う中身が、すでに本文にある場合だけです。

タイトルに「3つの方法」と書くなら、本文に3つ書いてある必要があります。無いなら、 本文に足すのが先です。これは全面的な書き直しではありません。タイトルで約束したぶんだけ足す、という作業です。

まとめ

  • タイトルだけのリライトは表示回数を増やさない。増えるのは取りこぼし分だけで、上限がある
  • 上限 = 表示回数 ×(その順位の平均CTR − いまのCTR)。直す前に計算できる
  • 効くかどうかは順位より表示回数で決まる
  • 表示回数が100回前後なら上限は約0.6クリック。問題はタイトルではなくページの選定
  • 直すのはtitle タグとディスクリプション。H1だけ変えても検索結果は変わらない
  • 本文に無いことはタイトルに書けない。書いても書き換えられる

上限がいちばん大きいページを探す作業は、順位と表示回数の掛け算なので機械的にできます。 計算式と閾値は全部公開していますので、スプレッドシートでも再現できます。

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