この記事のまとめ
サーチコンソールの期間は目的ごとに変えるもので、どれか1つが正解ではありません。クリック数と表示回数は期間内の合計、CTRと掲載順位は期間全体の平均として出るため、期間を延ばすと前者だけが増えて後者は鈍ります。同じページ・同じ実データでも、過去3か月なら「タイトル確認候補・改善余地スコア約4.2」、過去12か月なら候補にすら出ないという食い違いが起きます(本文で計算しています)。使い分けは直す記事を選ぶなら過去12か月・異常に気づきたいなら過去3か月・効果測定は前後で同じ長さの3つです(季節性の強いページだけは、効果測定でも前年の同じ時期と比べます)。
サーチコンソールを開くと、期間の指定が「過去3か月」だったり「過去12か月」だったりします。どちらで見るかで数字が変わるので、どっちが本当なのかで止まる人が多いところです。
結論から書きます。どちらも本当で、期間ごとに答えている問いが違います。そして期間の長さは、リライトする記事を選ぶ結論そのものを変えます。
サーチコンソールの期間とは、検索パフォーマンス レポートが数字を集計する日付の範囲の指定です。この範囲を変えると、4つの指標は同じ方向には動きません。理由をこのあと構造から説明します。
期間を決めたあとに「では、どの記事から直すのか」を出す道具も作りましたが、まず期間の話から書きます。ここを間違えると、そのあとの判定が全部ずれます。
Search ConsoleのZIPを読み込むと、候補の判定と1記事分の診断カードを無料で確認できます。登録は不要です。ZIPが無い場合は、診断カードの見本を確認できます。
期間を変えると、4つの数字は別々の動き方をする
公式ヘルプの「検索パフォーマンス レポート」には、こう書かれています。「グラフには、選択した期間におけるプロパティの合計クリック数、合計インプレッション数、平均クリック率、平均掲載順位が表示されます。」
ここが出発点です。4つのうち2つは合計、2つは平均だと明記されています。
| 指標 | 集計のされ方 | 期間を延ばすと |
|---|---|---|
| クリック数 | 期間内の合計 | 増える(足し算なので必ず) |
| 表示回数 | 期間内の合計 | 増える(足し算なので必ず) |
| CTR | クリック数 ÷ 表示回数 | 期間全体をならした値になる |
| 掲載順位 | 期間全体の平均 | 古い順位が混ざって鈍る |
つまり期間を延ばして得をするのは合計の2つだけで、平均の2つはむしろ実態から離れます。これが「3か月と12か月で言っていることが違う」の正体です。
なお、既定でどの期間が選ばれているかも公式に書かれています。「デフォルトの検索パフォーマンス レポートには、過去 3 か月間の Google 検索の検索結果におけるサイトのクリック数とインプレッション数のデータが表示されます。」開いたまま何もしなければ、見ているのは過去3か月です。
⚠️ このヘルプページには期間のプリセットの一覧は書かれていません(「日付フィルタをクリックします」までです)。画面に並ぶ選択肢の名前は変わることがあるので、この記事では長さのほうで書いています。

同じページが、期間の長さだけで判定から消える
ここがこの記事の中心です。抽象論ではなく、実際に計算してみます。
1年かけて順位が上がったページを考えます。前半は圏外に近く、直近3か月で6位まで上がった、というよくある形です。
前の9か月 表示 200回 / クリック 2回 / 平均 25.0位 直近の3か月 表示 400回 / クリック 4回 / 平均 6.0位 ────────────────────────────────────── 12か月合計 表示 600回 / クリック 6回 / 平均 12.3位
※サンプルデータの数字です。平均掲載順位は表示回数で重みがつくものとして計算しています((200×25.0 + 400×6.0)÷600 = 12.3)。重み付けの式は公式ヘルプには書かれていません。
実CTRはどちらの期間でも1.0%で同じです(2÷200も、4÷400も、6÷600も1.0%)。変わったのは掲載順位だけで、それも実際に順位が動いたわけではなく、集計する範囲を変えただけです。
では、この同じページを「取りこぼしているか」で判定するとどうなるか。掲載順位ごとの期待CTR(AI Overview補正後)と比べます。
| 見る期間 | 掲載順位 | 期待CTR | 実CTR | 判定 |
|---|---|---|---|---|
| 過去3か月 | 6.0位 | 2.05% | 1.0% | タイトル確認候補。改善余地スコア約4.2 |
| 過去12か月 | 12.3位 | 0.90% | 1.0% | 期待を上回っているので候補に出ない |
3か月では、期待2.05%に対して実1.0%なので差は1.05ポイント。表示400回に掛けると約4.2クリックの取りこぼしです。順位が10位以内で、しかも期待の半分以上を落としているので「タイトル確認候補」に分類されます。
12か月では、期待0.90%に対して実1.0%。期待を上回っているので取りこぼしは0となり、直す候補として名前が挙がりません。同じページ、同じ実データで、判定が消えました。
逆向きの事故もあります。前の9か月が表示900回・6位、直近3か月が表示100回・25位まで落ちたページは、12か月の平均が7.9位((900×6.0 + 100×25.0)÷1000)になります。実際はもう25位なのに、画面には7.9位と出るので「順位は取れているのにクリックされない=タイトルの問題」と誤診します。この状態でタイトルを直しても、順位が25位である以上ほとんど効きません。
長い期間の平均が下落を隠すという現象そのものは、サーチコンソールの期間比較で間違えやすいことでも扱っています。あちらは2つの期間を比べる手順が主題で、この記事は1つの期間をどの長さに取るかが主題です。
3か月と12か月は、それぞれ何に強いのか
上の例から分かるとおり、長い期間が優れているわけでも、短い期間が正確なわけでもありません。強い場所が違うだけです。
| 過去3か月 | 過去12か月 | |
|---|---|---|
| 表示回数 | 貯まりにくい。100回に届かず判定できないページが増える | 積み上がる。判定できるページが増える |
| 掲載順位 | 直近の実態に近い | 期間全体の平均。半年前の順位が混ざる |
| 直近の変化 | すぐ数字に出る | 薄まって見えなくなる |
| 季節性 | 期間まるごとが1つの季節に寄る | 1年ぶんなので季節が平均化される |
3か月は直近の変化に敏感なぶん、季節に弱いということです。受験・確定申告・引っ越し・年末年始のように時期そのもので検索量が動くテーマだと、3か月の数字はその季節の姿しか映しません。
12か月は表示回数が貯まるぶん、最近の改善が埋もれます。先ほどの例のように、直近3か月でどれだけ順位が上がっても、平均には前の9か月が混ざります。
⚠️ ただしこの平均化は、季節性の強いページでは欠点にもなります。閑散期の10か月が繁忙期の数字を薄めるので、実CTRも平均掲載順位も、 実際に検索されている時期の姿からずれます。そちらは 検索ボリュームの季節変動を見分ける3手順に書きました。
なお、期間を4倍にしても表示回数が4倍になるとは限りません。公開してから3か月しか経っていない記事は、12か月を選んでも3か月ぶんしかありません。新しい記事ほど、長い期間を選んでも得をしないという偏りがあります。
目的別に、どの期間を選ぶか
「どれくらいの期間で見ればいいか」への答えは、何を決めたいかを先に決めることです。
| 目的 | 選ぶ期間 | 理由 | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| 直す記事を選ぶ(判定) | 過去12か月 | 表示回数100回以上を満たすページを作るため | 順位は期間平均。診断が実態とずれる |
| リライトの効果測定 | 前後で同じ長さ | 合計値どうしを比べるため。長さが違うと増減の意味が消える | 後ろの期間が丸ごと「直したあと」になってから比べる |
| 異常の発見 | 過去3か月 | 直近の落ち込みが平均に薄まらないため | 表示回数が2桁のページは判断しない |
| 直す直前の順位確認 | 過去1か月前後 | 12か月の順位はぼやけているため | この期間でCTRの良し悪しは判断しない |
実際の運用はこの4つの組み合わせになります。12か月で直す候補を絞り、直す直前に短い期間で今の順位を確かめ、直したあとは前後同じ長さで比べる、という順番です。
エクスポート画面でどこを操作して期間を変えるかは「ページ」CSVはどの期間で落とすかにまとめてあります。
判定のほうは、12か月で落としたCSVを条件どおりに絞り込む作業なので、自動でやる道具も作りました。詳しくは記事の最後に書きます。
Search ConsoleのZIPを読み込むと、候補の判定と1記事分の診断カードを無料で確認できます。登録は不要です。ZIPが無い場合は、診断カードの見本を確認できます。
やってはいけない2つ
1. 期間を変えながら数字を比べる
いちばん多い事故です。3か月で見た数字と12か月で見た数字を並べて「増えた」と言ってしまう形です。
クリック数と表示回数は合計なので、期間が長いほうが必ず大きくなります。ここに増減の意味はありません。同じことは掲載順位でも起きて、期間を延ばしただけで順位が「上がった」ように見えることがあります。
比べるときは2つの期間の長さを揃えるのが最低条件です。長さが違う2つを並べた時点で、その比較からは何も読み取れません。
2. 直近を含めた短い期間だけで判断する
「昨日まで」の7日間で見ると、下がっているように見えます。理由は2つあって、どちらも実際の下落ではありません。
- 末尾の数日はまだ確定していない。期間が短いほど、未確定の日が占める割合が大きくなります。日数の内訳はサーチコンソール データ反映はいつにまとめました
- 短い期間ほど表示回数が足りない。表示が100回に届かないページでは、クリック1回の増減でCTRが大きく動きます。7日間の数字でタイトルの良し悪しは判断できません
短い期間が役に立つのは「何かが起きたことに気づく」ところまでです。何が起きたかを決めるには、もう少し長い期間が要ります。
よくある質問
サーチコンソールの期間はどれくらいで見るのが正解ですか
目的で変わるので、1つの正解はありません。直す記事を選ぶ判定なら過去12か月(表示回数100回以上のページを作るため)、直近の異常に気づきたいなら過去3か月、リライトの効果測定なら前後で同じ長さです(季節性の強いページは例外で、前年の同じ時期と比べます)。何もしなければ既定の過去3か月を見ていることになります。
3か月と12か月で掲載順位が違います。どちらが本当ですか
どちらも本当で、答えている問いが違います。掲載順位は選んだ期間全体の平均なので、12か月の順位は「この1年をならすとこのあたり」、3か月の順位は「最近はこのあたり」を意味します。直すページは過去12か月で選び、選んだページの「今の順位」を確かめるときに短いほうの期間を見てください。この記事の例では、直近3か月で6.0位のページが12か月の平均では12.3位になり、判定そのものが変わりました。
期間を長くすれば、表示回数は必ず足りるようになりますか
なるとは限りません。公開してから3か月しか経っていない記事は、12か月を選んでも3か月ぶんしか集まりません。12か月にしても表示回数が2桁のままなら、それはまだリライトの段階ではありません。その場合に何をすればいいかは表示回数が少ないブログで、リライトする記事をどう決めるかに書きました。
まとめ
- 公式ヘルプの記述どおり、クリック数と表示回数は期間内の合計、CTRと掲載順位は期間全体の平均。期間を延ばして得をするのは合計の2つだけ
- 同じページ・同じ実データでも、期間の長さだけで判定が変わる。例では過去3か月なら「タイトル確認候補・改善余地スコア約4.2」、過去12か月なら候補に出なかった
- 3か月は直近に敏感だが季節に弱い。12か月は表示回数が貯まるが、最近の改善が埋もれ、季節性の強いページでは繁忙期の姿も薄まる。どちらかが正確なのではなく、強い場所が違う
- 使い分けは判定=過去12か月 / 効果測定=前後で同じ長さ / 異常の発見=過去3か月 / 直す直前の順位確認=過去1か月前後の4つ
- やってはいけないのは期間を変えながら数字を比べることと、直近を含めた短い期間だけで判断すること
- 期間を長くしても公開してからの日数は伸びない。12か月で表示が2桁ならリライトの段階ではない
ここから先は、私が作ったツールの話です。
この記事で書いた判定を自動でやるツールを作りました。Search Console のエクスポートをZIPのまま落とすだけで、掲載順位4.0〜20.5位・表示回数100回以上のページだけを拾い、改善余地スコア(表示回数 × 期待CTRとの差)の大きい順に並べます。判定と候補3記事の改善余地スコアの確認、そのうち1記事分の診断カードまでは無料で、残りの診断カードが2,980円(税込)の買い切りです。月額課金や自動更新はありません。ログインも不要です。CSVファイルそのものはブラウザの外に出ません(診断カードを出すときに選んだ1ページのURL・数値・入力したキーワードを、「ページタイトルを取得する」を押したときに判定に出たページのURLを最大10件送ります)。
⚠️ ただし、この記事の内容がそのまま向き不向きになります。読み込むのはCSV1枚ぶん、つまり1つの期間だけなので、期間をまたいだ比較はできません。どの期間で落とすかを決めるのは、あくまで使う人の側です。公開して間もない記事しかないサイトでは、12か月を選んでも表示回数が足りず候補が出ません。季節性が極端なテーマで、3か月も12か月も今の姿を映さない場合も、この道具の判定は当てになりません。
Search ConsoleのZIPを読み込むと、候補の判定と1記事分の診断カードを無料で確認できます。登録は不要です。ZIPが無い場合は、診断カードの見本を確認できます。

