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検索ボリュームの季節変動を見分ける3手順、落ちたのか、毎年落ちる時期なのか

表示回数が落ちたとき、順位が下がったのか毎年落ちる時期が来たのかは、サーチコンソールのグラフでは区別できません。①前年の同じ時期②サイト内の他ページ③検索語そのものの需要、の3手順で見分けます。保持は過去16か月なので、前年と丸ごと並べられるのは期間の長さが約4か月までです。

この記事のまとめ

表示回数が落ちたときにそれが季節変動かどうかを見分けるなら、最初に確かめるのは去年の同じ月も同じ形で落ちていたかです。「順位が下がって落ちた」と「毎年落ちる時期が来た」は、サーチコンソールの画面上ではまったく同じ形のグラフになります。見分ける手順は ①前年の同じ時期と比べる ②同じサイトの他のページも同じ動きをしているか見る ③その検索語そのものの需要をサーチコンソールの外で確かめる、の3つです。ただし Google の公式ヘルプによるとSearch Console が保持しているのは過去16か月ぶんなので、前年の同じ期間と丸ごと並べられるのは、期間の長さがおおよそ4か月までです(直近12か月と前年の12か月は並べられません)。毎年落ちる時期にリライトすると、翌月に季節が戻っただけの上昇を「リライトが効いた」と読み違えます。

8月にサーチコンソール(Search Console)を開いたら、ある記事の表示回数が先月の半分になっている。何もしていないのに落ちているので、慌ててタイトルを直したくなります。

直す前に、確かめることが1つだけあります。去年の同じ月も、同じ形で落ちていたかどうかです。

去年も落ちていたなら、それはあなたが何かを間違えたのではありません。その言葉を検索する人が、毎年この時期に減っているだけです。リライトしても戻りませんし、放っておいても来年の同じ時期に戻ります。この記事では、その見分け方を3つの手順に分けて書きます。

なお、季節かどうかに関係なく「表示回数が急に動いた」ときの切り分け手順そのものは表示回数が急に減った・増えたときに見る3ステップにまとめてあります。この記事は、そのうち「毎年繰り返しているのか」を確かめる部分だけを詳しく書きます。

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検索ボリュームの季節変動とは、毎年同じ月に繰り返す増減のこと

検索ボリュームの季節変動とは、ある言葉を検索する人の数が、毎年ほぼ同じ月に増えて、ほぼ同じ月に減る動きのことです。一度きりの上下ではなく、年単位で同じ形が繰り返される点が特徴です。

分かりやすいのは「確定申告」「自由研究」「年賀状」のように、時期そのものが検索の理由になっている言葉です。ただし「新入社員 研修」は春に、「ふるさと納税 限度額」は年末に寄ります。暦に紐づく行動を扱っている記事は、書いた本人が季節性に気づいていないことのほうが多いです。

そして、ここが厄介なところです。「順位が下がって表示が減った」と「毎年落ちる時期が来た」は、サーチコンソールのグラフでは区別がつきません。どちらも右肩下がりの線1本として出てきます。

なぜサーチコンソールの画面だけでは季節性が分からないのか

この記事でいちばん書きたいのはここです。理由は3つあります。

1. 表示回数には、需要と順位が畳み込まれている

表示回数は「あなたのページが検索結果に載った回数」です。検索パフォーマンス レポートに、その言葉を検索した人の総数を示す指標はありません。

つまり表示回数が半分になったとき、検索する人が半分になったのか、載る回数が半分になったのかを、その数字だけからは分けられません。

表示回数 = 検索した人の数 × そのうち自分のページが載った割合
              ↑ここは見えない      ↑ここも見えない
              ------------------------------------
              画面に出るのは、掛け算の答えだけ

掛け算の答えしか見えないなら、外から別の軸を入れて解くしかありません。次に書く3つの手順は、どれも「入れる軸」を1つずつ増やす作業です。

2. よく使う比較の相手が「直前の期間」だから

期間比較でよく使われるのは「過去28日 vs 前の28日」のような、直前と比べる形です。直前と比べると、季節の影響はそのまま残ります。

7月と8月を比べて分かるのは「8月に減った」だけです。知りたいのは「去年の8月も減っていたのか」なので、比べる相手そのものを変える必要があります。

期間を比べるときに揃えるもの(長さ・曜日・確定していない直近)は期間比較で間違えやすいことにまとめてあります。ここでは「揃える」とだけ覚えてください。

3. 「毎年」を確かめるには、保持されている期間が足りないことがある

Google の公式ヘルプには「Search Console では、過去 16 か月間のデータが保持されます」と書かれています(Search Console を Google アナリティクスに接続する)。この記述はアナリティクス ヘルプ側のページで確認したものです。

なお16か月を超えて貯めたい場合は、BigQueryへの一括エクスポートという手があります(ただし過去には遡りません)。 16か月あれば、前年の同じ月と比べること自体はできます。ただし「毎年」と言い切るには2年ぶん・3年ぶんの繰り返しが要るので、そこはサーチコンソールの中では確かめられません。

今年と前年の同じ時期を比べて検索需要の季節変動を判別する図

落ちたのか、毎年落ちる時期なのかを見分ける3つの手順

前年 → サイト内 → 検索語そのもの の順に、軸を1つずつ足していきます。

手順1: 前年の同じ時期と比べる

期間フィルタの「比較」タブを開きます。Google の公式ドキュメントには「グラフの上部にある [日付] フィルタから [比較] タブに進み、[過去 3 か月を前期と比較] または [過去 3 か月の前年比] を選択します」と書かれています(検索トラフィックの減少をデバッグする)。直近3か月でよければ、この「過去 3 か月の前年比」を選ぶのがいちばん早いです。日付を手で入れる必要がありません。

ただしこの選択肢は3か月ぶんに固定されています。見たい山や谷が直近3か月の枠から外れているとき、月単位で区切りたいときは、同じ「比較」タブでカスタムを選び、前年の同じ日付を入れます。公式ヘルプの比較機能の説明には「比較する ディメンション または 期間 を追加します」とあり、同じページには今年の7月1日〜9月30日と、昨年の7月1日〜9月30日を並べる例も載っています(高度なフィルタリングと比較)。

ここで見るのは、減った量ではなく「形」です。去年が8月に4割減で今年も8月に4割減なら、季節変動の可能性が高いと判断できます。去年の8月は横ばいだったのに今年だけ4割減なら、季節ではありません。

手順2: 同じサイトの他のページも同じ動きをしているか

季節変動は、ページ単位ではなくキーワード単位で起きます。だから同じテーマを扱っている複数のページが、揃って同じ月に落ちます。落ちた範囲を見れば、疑うべき相手が変わります。

落ちた範囲疑うもの季節変動か
テーマの近い数ページが揃って落ちたそのテーマの検索需要可能性が高い
テーマに関係なく、ほぼ全ページが落ちたサイト側(インデックス・表示の不具合・大きな順位変動)ちがう
1ページだけ落ち、同じテーマの他ページは動いていないそのページ固有の順位ちがうことが多い

この手順は、季節でないと分かったときにも効きます。全ページが一様に落ちているなら記事を直しても意味がなく、見る場所がサイト側に移るからです。

なお、順位そのものが日々ぶれる幅をどう読むかは検索順位の変動は一時的かに分けてあります。

手順3: 検索語そのものの需要を、サーチコンソールの外で見る

手順1と手順2で「季節っぽい」となっても、見たのはまだ2年ぶんです。「毎年」と言うには足りません。

そこで Google トレンドのように、検索語の推移そのものを見る道具に移ります。見るのは「毎年同じ月に山と谷が来ているか」という形だけです。

注意点が2つあります。1つめは、Google トレンドの数値は検索回数ではないことです。公式FAQには「その算出された数値が、すべてのトピックの総検索数に対する特定のトピックの割合に基づいて、0~100 の範囲で調整されます」と書かれています(Google トレンドのデータに関するよくある質問)。正規化された相対値なので、月間何回という数字としては使えません。

2つめは、あなたのページが拾っているのは1語ではないことです。1語だけ見て山谷が一致しなくても季節性の否定にはならないので、サーチコンソールの「クエリ」で表示回数の多い語を数個拾って確かめてください。

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前年と並べられるのは、期間の長さが4か月ぶんくらいまで

手順1には上限があります。保持されているのが16か月ぶんなので、前年側の日付が16か月より古くなる比較は組めません。

前年の同じ期間を取ると、前年側の開始日は「期間の長さ + 12か月」だけ過去に行きます。

比べたい期間前年側でいちばん古い日付16か月に収まるか
直近3か月 と 前年の同じ3か月約15か月前収まる
直近6か月 と 前年の同じ6か月約18か月前はみ出る
直近12か月 と 前年の同じ12か月約24か月前丸ごと取れない

境目はおおよそ4か月です。前年側の開始日がちょうど16か月前に来るので、それより長い期間を前年と丸ごと並べることはできません。

つまり、サーチコンソールが保持しているデータの範囲では「1年ぶんを前年と比較して季節性を見る」という使い方はできません。前年と比べるなら、比べたい山や谷を含む3か月ほどに切ってください。自分の画面で確かめるなら、日付を選ぶ画面で選べる一番古い日付を見ます。この日付は毎日1日ずつ後ろにずれていきます。

この上限は、あくまでサーチコンソールが保持しているデータの範囲での話です。公式ドキュメントにも「期間を 16 か月以上に延長したいのであれば、Search Analytics API や一括データ エクスポートを使用してデータを取得し、システムに保存できます」とあり、自分でCSVを月ごとに保存してあった場合も同じです。ただし貯め始めるより前には遡れません。今日から始めても、前年の同じ時期が手元に揃うのは1年後です。

季節性のあるページは、判定と効果測定の両方で読み違える

12か月で落とすと、繁忙期の姿が平均に埋もれる

期間を12か月にすると表示回数が貯まるので、判定に載せやすくなります。ただし季節性のあるページでは、閑散期の10か月が繁忙期の数字を薄めます。

同じページを、期間の切り方だけ変えて並べてみます。

切り方表示回数クリック実CTR平均掲載順位改善余地スコア
繁忙期の2か月だけ1,200121.0%5.0位約17.9
閑散期の10か月だけ30093.0%9.0位0
12か月まとめて1,500211.4%5.8位約11.1

※サンプルデータの数字です。

12か月でまとめると、閑散期の高いCTR(3.0%)と低い順位(9.0位)が混ざります。その結果、実CTRは1.0%ではなく1.4%に、順位は5.0位ではなく5.8位に見えます。

実際に人がその言葉を検索している時期の姿は、上の行のほうです。改善余地スコアも、約17.9と約11.1では並ぶ位置が変わります。

期間を3か月にするか12か月にするかで、同じページの4つの数字がどう動くかはサーチコンソールの期間はどれくらいで見るかにまとめました。あちらは「直す記事を選ぶなら12か月」を基本に置いています。季節性のあるページは、その例外です。この記事の結論としては、繁忙期を含む短い期間で切ったほうが実態に近くなります。

毎年落ちる時期のリライトは、効いたかどうかを測れない

これがいちばんやってはいけないことです。谷に入った月に慌ててリライトすると、翌月には季節が戻って数字が上がります。

その上昇はリライトの効果ではありません。それでも「直したら戻った」という記憶だけが残り、効かない施策が自分の中で「効く施策」として固定されてしまいます。

逆向きの間違いもあります。繁忙期に入る直前にリライトして、直後の上昇をそのまま効果と読むことです。季節のほうが上がる時期なので、何をしても数字は上がります。間違っているのは直すタイミングではなく、上がった理由を確かめずに効果と決めてしまうことです。

季節性のあるページで効果を測るなら、比べる相手は直前の期間ではなく前年の同じ時期です。逆に言うと、季節性が無いページなら効果測定は直前の同じ長さの期間と比べて構いません(揃えるものは期間比較で間違えやすいことにあります)。例外は季節性のあるページだけだと考えてください。 16か月の制約で前年との比較が組めないなら、判断を来年の同じ時期まで持ち越します。今すぐ判定できないページに時間を使わない、と決められるだけで十分な収穫です。

よくある質問

表示回数が季節変動かどうか、いちばん早く確かめる方法は何ですか

期間フィルタの「比較」タブを開くことです。公式ドキュメントには「[過去 3 か月を前期と比較] または [過去 3 か月の前年比] を選択します」と案内があり、直近3か月でよければ「過去 3 か月の前年比」を選ぶだけで組めます。見たい山や谷が直近3か月からずれているときだけ、同じタブでカスタムを選び前年の同じ日付を入れます。見るのは減った量ではなく形で、去年も同じ月に同じくらいの割合で落ちていたかだけを確かめます。次に、同じテーマの他のページも揃って落ちているかを見ます。テーマに関係なく全ページが落ちているなら季節ではなく、サイト側の問題です。

サイトを始めて1年経っていません。前年と比べられない場合はどうしますか

前年のデータが無いなら、サーチコンソールの中では季節性を判定できません。この場合は手順2と手順3だけを使います。同じテーマの複数ページが揃って落ちているかを見て、その言葉の年周期を Google トレンドのような外の道具で確かめます。ただしGoogle トレンドの数値は0〜100に正規化された相対値なので、検索回数としては使えません。見るのは山谷の形だけです。

季節変動があるページは、リライトしないほうがいいのですか

直すこと自体は問題ありません。時期と、効果の測り方の問題です。谷の月に直して翌月の上昇を見ると、季節が戻っただけの数字を「効いた」と読み違えます。直すなら繁忙期が来る前に済ませ、効果は前年の同じ時期と比べて判断してください。それが組めない長さなら、判断を来年の同じ時期まで持ち越します。

1年ぶんのデータを前年と比較して季節性を見ることはできますか

サーチコンソールが保持しているデータの範囲では、できません。Google の公式ヘルプによると Search Console が保持しているのは過去16か月ぶんです。直近12か月の前年側は12か月前〜24か月前になるため、保持されている範囲からはみ出します。画面上で前年と並べられるのは、期間の長さがおおよそ4か月までです。比べたい山や谷を含む3か月ほどに切ってください。ただし一括データ エクスポートや毎月のCSVで、自分の手元に1年以上ぶんを貯めてあった場合は別です。その場合は手元のデータ同士で並べられます。貯め始めるより前には遡れません。

まとめ

  • 検索ボリュームの季節変動とは、検索する人の数が毎年ほぼ同じ月に増減する動き。「順位が下がって落ちた」とグラフの形は同じなので、画面を見ただけでは区別できない
  • 区別できないのは、表示回数が「検索した人の数 × 載った割合」の答えだけだから。外から軸を足して解く
  • 手順は3つ。①前年の同じ時期と比べる(直近3か月なら「過去 3 か月の前年比」で組める。量ではなく形を見る) ②同じサイトの他ページも揃って落ちているか ③検索語そのものの年周期を外の道具で確かめる
  • 公式ヘルプによると保持は過去16か月ぶん。サーチコンソールの画面上で前年と丸ごと並べられるのは期間の長さがおおよそ4か月までで、直近12か月と前年の12か月は並べられない(自分で貯めたCSVがあれば別)
  • 季節性のあるページを12か月でまとめると、閑散期が繁忙期の数字を薄める。実CTRも平均掲載順位も、実際に検索されている時期の姿からずれる
  • 季節性のあるページは、谷の月にリライトすると翌月の自然な回復を「効いた」と読み違える。効果は前年の同じ時期と比べるか、来年の同じ時期まで判断を持ち越す(季節性が無いページなら直前の同じ長さの期間と比べてよい)

ここから先は、私が作ったツールの話です。

取りこぼしているページを機械的に洗い出すツールを作りました。Search Console のエクスポートをZIPのまま落とすだけで、掲載順位4.0〜20.5位・表示回数100回以上のページだけを拾い、改善余地スコア(表示回数 × 期待CTRとの差)の大きい順に並べます。判定と候補3記事の改善余地スコアの確認、そのうち1記事分の診断カードまでは無料で、残りの診断カードが2,980円(税込)の買い切りです。月額課金や自動更新はありません。ログインも不要です。CSVファイルそのものはブラウザの外に出ません(診断カードを出すときに選んだ1ページのURL・数値・入力したキーワードを、「ページタイトルを取得する」を押したときに判定に出たページのURLを最大10件送ります)。

⚠️ ただし、この記事の内容がそのまま向き不向きになります。読み込むのはCSV1枚ぶん、つまり1つの期間だけなので、この記事で書いた前年同期との比較そのものはツールではできません(画面でやってください)。どの期間で落とすかを決めるのも使う人の側です。年に2か月しか検索されないような極端に季節性の強いページでは、どの期間を選んでも判定が実態からずれます。表示回数が100回に届かないページばかりのブログでも、候補は出ません。

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この記事を書いた人

みやこし

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