この記事のまとめ
検索順位1〜3位のページは、リライトレーダーのCTR改善判定に出てきません。掲載順位4.0位より上を対象から外しているためで、これは機能不足ではなく仕様です。理由は3つあります。①すでに取れているので動かせる幅が小さいこと、②指名検索が混ざってCTRが高く出やすいこと、③そもそも実CTRが期待CTRを上回っているページは、順位に関係なく候補から落ちることです。判定に使う1位の期待CTRは9.90%(実測13.94%にAI Overview補正をかけた値)で、上位ほど補正が大きいぶん実CTRが超えやすくなります。ただし「1位なら何もしなくていい」わけではありません。この記事では、1〜3位のページに対して選べる手を4つ(何もしない・内部リンクの出発点にする・検索語のずれを確認する・情報の鮮度を保つ)並べます。
自分のサイトでいちばんクリックされているページが、改善候補の一覧に1本も出てこない。これを見て「使えないツールだ」と思うのは自然な反応です。
表示回数がいちばん多いページこそ、CTRを1ポイント上げたときの効果が最大のはずだからです。その直感は算数としては正しいです。
それでも上位のページを外しているのは、「どれだけ取りこぼしているか」を数字で出せないからです。順に書きます。
自分のページがどの帯に入るかだけ先に確かめる手もありますが、外している理由を知らないと結果の読み方を間違えます。先に構造から書きます。
Search ConsoleのZIPを読み込むと、候補の判定と1記事分の診断カードを無料で確認できます。登録は不要です。ZIPが無い場合は、診断カードの見本を確認できます。
「上位のページ」とは、判定では4.0位より上のこと
まず言葉を決めます。検索順位1〜3位のページとは、サーチコンソールの平均掲載順位が4.0位より上に出るページのことで、リライトレーダーではCTR改善の判定対象から外しています。
⚠️ 紛らわしいのですが、サーチコンソールのページCSVは1列目の見出しが「上位のページ」です(英語UIなら Top pages)。あれは「クリック数の多い順に並んだページの一覧」という意味で、掲載順位が上位という意味ではありません。この記事で言う上位は、順位のほうです。
ここで注意が要るのは、掲載順位が小数で出ることです。平均掲載順位は複数の検索語をまたいだ平均なので、3.9位や4.2位という値が普通に出てきます。
判定の線は4.0位です。3.9位のページは「上位」側に入って判定に出ず、4.2位のページは判定に出ます。「3位以内かどうか」ではなく、平均が4.0位を割っているかどうかで決まります。
判定に載る条件は、この順位の範囲(4.0〜20.5位)と表示回数100回以上の2つだけです。公開日や文字数では絞っていません。ページCSVにその列が無いからです。

1〜3位が判定に出ない3つの理由
「上位だから外す」では説明になっていないので、中身を分解します。
理由①: すでに取れているので、動かせる幅が小さい
1位のページに残っている順位の伸びしろはゼロです。2位なら1つ、3位なら2つ。手を入れて得られる上限が、構造的に決まっています。
判定に使っている期待CTR(AI Overview補正後)を、上位だけ並べます。
| 掲載順位 | 期待CTR(補正後) | 1つ上がったときの増分 |
|---|---|---|
| 1位 | 9.90% | —(上が無い) |
| 2位 | 5.61% | +4.29ポイント |
| 3位 | 3.59% | +2.02ポイント |
| 4位 | 3.15% | +0.44ポイント |
この表は、じつは逆のことも示しています。上位ほど1段の重みが大きいのです。4位から3位に上がっても0.44ポイントしか変わりませんが、2位から1位は4.29ポイント動きます。
つまり1〜3位のページは、残っている段数が少なく、そのぶん1段落ちたときの落差が大きい場所にいます。上げ幅が小さいことと、下げ幅が大きいことは同じ表の裏表です。
順位帯ごとに効く手が違うという話は 検索順位を上げる方法は順位帯で変わるに5つの帯で整理しています。あちらが帯ごとの打ち手の一覧、この記事はいちばん上の帯だけを掘るという分担です。
理由②: 指名検索が混ざり、CTRが高く出やすい
1〜3位を取れているページは、ブログ名や記事名を直接入れた検索でも呼び出されます。行き先が決まっている検索は、順位で決まるクリック率とは前提が違います。
混ざったページはCTRが高く出るので、順位別の平均と比べても「十分クリックされている」としか読めません。この現象と見分け方は 指名検索が混ざるとCTRが高く出るにまとめました。
ここで正直に書いておくと、リライトレーダーは指名検索を判別していません。ページCSVにクエリの列が無いので、ページ単位のデータからは分けようがないからです。判定が見ているのは掲載順位・表示回数・CTRの3つだけです。
理由③: 実CTRが期待CTRを超えたページは、順位に関係なく落ちる
ここが芯です。取りこぼしの計算は次の形をしています。
差(ctrGap) = max(0, 期待CTR − 実CTR) ← マイナスは0になる 取りこぼし = 表示回数 × 差 ÷ 100 取りこぼしが0以下のページは、候補から外す
実CTRが期待CTRを上回っていると、差は0になり、取りこぼしも0になります。その時点で候補から消えます。順位のフィルタとは別のところで落ちているわけです。
そして上位のページは、この0に当たりやすい構造を持っています。AI Overview の補正が、上位ほど大きく効いているからです。
| 掲載順位 | 実測CTR(補正前) | AI Overview による減少率 | 判定に使う期待CTR |
|---|---|---|---|
| 1位 | 13.94% | −58.0% | 9.90% |
| 10位 | 1.32% | −19.4% | 1.19% |
1位は補正で4.04ポイント引き下げられますが、10位は0.13ポイントしか下がりません。AI Overview は検索結果の最上部に出るので、押し下げられる幅が最大なのは1位だからです。
結果として、上位ほど「超えるべき基準」が低くなります。1位で実CTRが12%あるページは、期待9.90%を上回るので取りこぼし0。2位で実CTRが8%なら、期待5.61%を上回るのでこれも0です。
いっぽう6位・表示2,000回・実CTR1%のページは、期待2.05%との差から約21クリックの取りこぼしが出ます。並ぶのはこちらです。
つまり4.0位の線を外したとしても、1〜3位のページの多くは自動的に候補から消えます。線は、その結果を先に宣言しているだけとも言えます。
⚠️ 補正の係数は「AI Overview の出現率50%」×「順位別の減少率」で作った粗い道具です。日本固有の出現率は確認できていません(出現率の出典はほぼ米国ベース)。順位別の期待CTRの一覧と出どころは 掲載順位別のCTR平均一覧にまとめてあります。
では、1〜3位のページに何をするか
「判定に出ない」は「やることが無い」とは違います。選べる手は4つあります。
| 手 | やること | 順位が動くリスク |
|---|---|---|
| 何もしない | 直す候補の列に並べない。他のページを先にやる | 無し |
| 内部リンクの出発点にする | 本文中から、判定に載っているページへリンクを渡す | 小さい |
| 検索語のずれを確認する | そのページが1位を取っている語を見るだけ。直すとは限らない | 見るだけなら無し |
| 情報の鮮度を保つ | 古い数字・終了した仕様・切れたリンクを直す | 本文に触るぶん、ある |
1つめの「何もしない」から書きます。1位のページを触って3位まで落ちた場合、期待CTRは6.30ポイント下がります。表示1,000回なら約63クリックぶんです。
※この63クリックは期待CTRの表から出した試算で、実測ではありません。指名検索が混ざっているページでは、もっと大きくなることも小さくなることもあります。
2つめは、内部リンクの出発点にすることです。1〜3位のページは、サイトの中で最も人が到着している場所です。そこから4〜10位の記事へリンクを渡すほうが、上位ページ自身をいじるより副作用が小さくなります。
リンクを置く位置で押される率が変わるという話は 内部リンクはどこに貼るかに書きました。記事末尾のリンク集より本文中のほうが押されます。
3つめは、検索語がずれていないかの確認です。サーチコンソールでそのページを選び、クエリの一覧を見ます。想定していた語ではなく、書いたつもりのない語で1位を取っていることがあります。
ずれが見つかったとき、選択肢は2つです。その語に合わせて本文を寄せるか、その語で別の記事を立てるか。すでに1位を取れている以上、寄せる側にはリスクがあることは意識しておいてください。
4つめは、情報の鮮度です。年号・価格・提供終了したサービス名・切れた外部リンクは、順位ではなく読んだ人の信頼に効きます。ただし日付だけを新しくして中身を変えないのは、この手には入りません。
Search ConsoleのZIPを読み込むと、候補の判定と1記事分の診断カードを無料で確認できます。登録は不要です。ZIPが無い場合は、診断カードの見本を確認できます。
「何もしない」と「見るのをやめる」は違う
1位は永続しません。競合が新しい記事を出す、コアアップデートが入る、AI Overview の出方が変わる。どれも自分の側では起きていないのに順位は動きます。
だから「何もしない」を選ぶときも、直す候補の列に並べないだけで、数字を見るのはやめないのが前提になります。
見るのは月1回、上位ページの表示回数とクリック数の2つで足ります。順位そのものを毎日追う必要はありません。平均掲載順位は日ごとに小さく揺れるので、短い区間の上下からは何も読み取れないからです。
どこからが本物の下落かの判断は 検索順位の変動は一時的かに3つの条件で書いてあります。下がったその日に直すのがいちばんまずい、という話です。
落ちてきて平均掲載順位が4.0位を割った(=数字が大きくなった)ページは、そのとき初めて判定に出てきます。上位から外れた時点で、CTR改善の対象に入るという設計です。
よくある質問
1位のページのCTRを上げれば、いちばんクリックが増えるのではないですか
表示回数が多いページほど、CTRを1ポイント上げたときの増分が大きいのは事実です。ただし、そのページが「いま何ポイント取りこぼしているのか」を出せません。順位別の期待CTRは一般の情報検索を前提にした平均で、1〜3位のページは指名検索が混ざりやすく、比較の前提が崩れているからです。実CTRが期待9.90%(1位・AI Overview補正後)を上回っていれば、計算上の取りこぼしは0になります。効果の見積もりが立たない場所で、下がったときの落差だけが最大になるというのが、この手を勧めない理由です。
平均掲載順位が3.9位のページはどうなりますか
判定には出ません。線は4.0位で引いてあり、掲載順位は小数で出るためです。ただし3位と4位の期待CTRの差は0.44ポイントしかないので、この境目はCTRの断崖ではありません。線を引いているのは、そこから上では「取りこぼしているクリック数」が数字として出せなくなるからです。3.9位のページを判定に載せたいなら、期間を変えてエクスポートし直すと平均が動くことがあります。
1〜3位のページは、放置していいということですか
「直す候補に入れない」であって「見ない」ではありません。競合の新規記事やコアアップデートで順位が落ちることはあります。月1回、表示回数とクリック数だけ見ておけば十分です。落ちて平均掲載順位が4.0位より下になれば、そのページは判定に出てくるようになります。
1〜3位も判定に出せるようにしてほしいのですが
順位の線を外しても、結果はあまり変わらない見込みです。取りこぼしは「表示回数 ×(期待CTR − 実CTR)」で、マイナスは0に丸めています。実CTRが期待を上回るページは取りこぼしが0になり、線が無くても一覧には並びません。順位のフィルタは、その結果を先に宣言しているだけという位置づけです。
まとめ
- 検索順位1〜3位のページ(平均掲載順位が4.0位より上)は、CTR改善の判定に出ません。機能不足ではなく仕様です
- 理由は3つ。①動かせる段数が少なく、1段落ちたときの落差が大きい ②指名検索が混ざってCTRが高く出やすい ③実CTRが期待CTRを上回ると、取りこぼしが0になって候補から消える
- ③が芯です。AI Overview の補正は上位ほど大きい(1位で4.04ポイント、10位で0.13ポイント)ので、上位ほど実CTRが期待を超えやすくなります
- 1〜3位のページに選べる手は4つ。何もしない / 内部リンクの出発点にする / 検索語のずれを確認する / 情報の鮮度を保つ
- 「1位なら何もしなくていい」ではありません。直す候補の列に並べないだけで、月1回は表示回数とクリック数を見ます。落ちて4.0位より下になれば、そのとき判定に出てきます
ここから先は、私が作ったツールの話です。
この記事に書いた判定を自動でやるツールを作りました。Search Console のエクスポートをZIPのまま落とすだけで、掲載順位4.0〜20.5位・表示回数100回以上のページだけを拾い、改善余地スコア(表示回数 × 期待CTRとの差)の大きい順に並べます。解凍もファイル選びも要りません。判定と候補3記事の改善余地スコアの確認、そのうち1記事分の診断カードまでは無料で、残りの診断カードが2,980円(税込)の買い切りです。月額課金や自動更新はありません。ログインも不要です。CSVファイルそのものはブラウザの外に出ません(診断カードを出すときに選んだ1ページのURL・数値・入力したキーワードを、「ページタイトルを取得する」を押したときに判定に出たページのURLを最大10件送ります)。
⚠️ ただし、この記事そのものが「向かない人がいる」という話です。上位のページが大半を占めるサイトでは、候補が数本しか出ないか、0件になります。上位ページのCTRを分析したい人には、このツールは答えを返しません。指名検索が混ざっているかどうかも判別できません(ページCSVにクエリの列が無いためです)。公開日や更新日での絞り込みも、同じ理由でできません。
Search ConsoleのZIPを読み込むと、候補の判定と1記事分の診断カードを無料で確認できます。登録は不要です。ZIPが無い場合は、診断カードの見本を確認できます。

