この記事のまとめ
検索流入を増やす方法は、Search Console が数える数字の上では2つしかありません。クリック数は表示回数 × CTR(クリック率)で決まるので、増やせるのは表示回数かCTRのどちらかです。表示回数を増やすのは記事を増やす・拾える語を増やす・順位を上げるという手で、CTRを上げるのはタイトルと説明文を直す手です(こちらは順位を動かさずに取れますが、上限があります)。どちらから手をつけるかは表示回数100回以上のページが1本でもあるかで決まります(そのうちタイトルが効くのは4.0〜10位で、11位以降は中身の側です)。Google公式は変更の反映について「数時間かかる変更もあれば、数か月かかる変更もあります」と書いているため、今週すぐ増える方法ではありません。
「記事は書いているのにアクセスが増えない」という状態を、増やす手の側から分解します。
結論を先に書きます。検索からの流入を増やす手は、2つしかありません。表示回数を増やすか、CTR(クリック率)を上げるかです。世の中の施策リストに並んでいる項目は、すべてこのどちらかに入ります。
そしてこの2つは、取れる上限も、結果が出るまでの時間も違います。混ぜたまま施策リストを上から試すと、自分の詰まりに効かない手に何か月も使うことになります。
自分がどちらで詰まっているかはCSVから機械的に判定できますが、先に分解のほうを書きます。ここが分かっていないと、出てきた結果をどう使えばいいか決まりません。
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検索流入を増やす方法とは、表示回数を増やすかCTRを上げるかのこと
検索流入を増やす方法とは、検索結果に自分のページが出た回数(表示回数)を増やすか、出たときにクリックされる割合(CTR)を上げるか、そのどちらか、あるいは両方を行うことです。
これは意見ではなく、数字の定義から出てきます。Search Console のヘルプは、指標をこう定義しています。
- クリック数: 「ユーザーが Google 検索の検索結果からサイトをクリックした回数。」
- インプレッション数(表示回数): 「サイトが検索結果に表示された回数。」
- CTR(クリック率): 「クリック率は、クリック数をインプレッション数で割った値です。」
出典は検索パフォーマンス レポート(Search Console ヘルプ)です。3つ目の定義を移項すると、クリック数 = 表示回数 × CTR になります。
クリック数 = 表示回数 × CTR → 左辺を増やす方法は、右辺の2つのどちらかを増やすことしかない
右辺には項が2つしかないので、左辺を増やす入口も2つしかありません。「内部リンクを貼る」「E-E-A-Tを高める」「キーワードを見直す」といった施策も、最終的にはこの2つのどちらか(あるいは両方)を動かすためにやっています。
限定しておくと、これはSearch Console が数える「検索結果からのクリック」だけの話です。SNSからの流入、ブックマークや直接入力、メールからの流入はこの掛け算には入りません。ここで扱うのは検索からの流入に限った分解です。

なぜ「施策の一覧」を見ても手が止まるのか
「検索流入 増やす 方法」で調べると、10も20も項目が並んだ一覧が出てきます。書かれていることは概ね正しいのに、読んでも手が動かない。これには構造的な理由が3つあります。
理由1: 一覧は「手段」で並んでいて、「動かす数字」で並んでいない
困っているのは「クリックが増えない」という結果のほうです。ところが一覧は手段で並んでいるので、結果と手段のあいだにある「どちらの因子が詰まっているのか」という層がまるごと抜けています。
しかも同じ施策が、人によって別の因子に効きます。たとえば内部リンクは、クロールされる経路を増やす意味では表示回数側の手ですが、記事末のリンク集ではなく本文中に置いて回遊を作る意味では別の話になります。手段の名前だけでは、自分のどの数字が動くのか判別できません。
理由2: 掛け算なので、同じ施策が人によって効いたり効かなかったりする
タイトルを直したら流入が伸びた、という体験談と、タイトルを直しても何も起きなかった、という体験談は、どちらも本当のことが起きています。表示回数が十分ある人にはCTR側の改善が効き、表示回数が2桁の人には同じことをしても数字が動かないからです。
表示回数100回のページでCTRを2倍にしても、増えるクリックはせいぜい数回です。表示回数10,000回のページで同じことをすれば、増えるクリックは数百回になります。同じ施策の効き目が、もう一方の因子の大きさに比例して変わる。これが掛け算の性質です。
理由3: 足し算の感覚で見積もると、期待が外れる
表示回数が1.2倍、CTRが1.2倍になったとき、クリック数は1.4倍ではなく1.44倍です。両方に少しずつ効かせたほうが、片方を頑張るより伸びます。
逆向きにも効きます。表示回数が100回・CTRが2%なら、クリックは2回です。この状態でCTRを4%に倍増させても、増えるクリックは2回。数字としては「CTRが倍になった」のに、体感は何も変わりません。片方が小さいままだと、もう片方をどれだけ磨いても全体は伸びない、ということです。
だから最初にやるのは、施策を選ぶことではありません。自分の掛け算のどちら側が詰まっているかを特定することです。
2つの手は、取れる上限も、かかる時間も違う
分解した2つを、それぞれ中身まで開きます。
表示回数を増やす — 検索結果に載る「枠」を作る作業
表示回数を増やす手は、さらに3つに分かれます。記事を増やす(そもそも検索結果に出せるページを増やす)、1記事が拾える語を増やす(1本のページが表示される検索語の種類を広げる)、順位を上げるの3つです。
このうち順位を上げる手だけは、掛け算の両側に効きます。順位が上がれば、それまで圏外だった語でも表示されるようになり、同時にその順位の期待CTRも上がるからです。ただし効き方は順位帯で違います。公式は、表示回数を数えるのはユーザーが見ている検索結果ページにリンクが載っているときで、続きを表示する操作が要る場合は除くとしています。 つまり同じ1ページ目の中で8位から4位に上がっても、その語の表示回数はほとんど変わりません。大きく動くのは2ページ目から1ページ目に上がったときと、 それまで圏外だった語を拾えるようになったときです。
3つに共通するのは、どれも「新しく検索結果に載る枠を作る」作業だという点です。だから時間がかかりますし、上限もありません。書けば書くほど積み上がります。
CTRを上げる — 順位を動かさずに取れるが、上限が計算できる
もう一方は、検索結果に出ているタイトルと説明文を直して、同じ表示回数からより多くクリックを取る手です。順位を1つも動かさずに取れるのが、この手のいちばんの特徴です。
代わりに、取れる上限が計算できてしまいます。その順位で平均的に取れているCTR(期待CTR)を超えた分まで保証できるものではないので、上限は「期待CTRと実CTRの差 × 表示回数」です。数字を入れてみます。
掲載順位 8.0位 / 表示回数 1,000回 / クリック 10回(実CTR 1.0%) 期待CTR(AI Overview 補正後) 1.52% 期待クリック数 1,000 × 1.52% = 15.2回 取りこぼし 15.2 − 10 = 5.2回 ← CTR側で取れる上限 同じ +5クリックを表示回数側で取るなら 1,500 × 1.0% = 15回 ← 表示回数を1.5倍にする必要がある
※期待CTRは日本市場の実測値(seoClarity の2021年調査)に AI Overview による減少を順位別に織り込んだ値です。上限であって、そこまで必ず届くという意味ではありません。
この比較が、この記事でいちばん書きたかったところです。タイトルと説明文を1本直して取れる上限と、表示回数を1.5倍にして取れる量が、同じ+5クリックです。前者は今日の作業で終わり、後者は記事を何本も足すか順位を上げる必要があります。
| 表示回数を増やす | CTRを上げる | |
|---|---|---|
| やること | 記事を増やす / 拾える語を増やす / 順位を上げる | タイトルと説明文を直す |
| 順位を動かす必要 | ある(順位を上げる場合) | 無い |
| 取れる上限 | 決まっていない。積み上がる | 期待CTRとの差ぶん。事前に計算できる |
| 着手できる条件 | いつでも | 表示回数100回以上・順位4.0〜20.5位のページがあるとき |
| 1本あたりの手間 | 記事1本ぶんの執筆 | タイトル1行と説明文1つ |
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どちらから手をつけるかは、表示回数100回以上のページがあるかで決まる
判定は1つの数字でつきます。表示回数100回以上のページが、1本でもあるかどうかです。
Search Console の検索パフォーマンスを開き、「ページ」タブを表示回数の多い順に並べてください。期間は長めに取ります。いちばん上の行の表示回数を見て、次の4つに振り分けます。
| いちばん表示が多いページの状態 | 先に手をつける側 |
|---|---|
| 表示回数が100回に届かない | 表示回数を増やす側だけ。CTRは測れない |
| 100回以上・掲載順位が4.0〜20.5位 | 4.0〜10位ならCTRを上げる側から(上限を計算してから決める)。 11〜20.5位は判定には載るが、効くのは中身 |
| 100回以上・掲載順位が1〜3位 | すでに取れている。表示回数を増やす側へ |
| 100回以上・掲載順位が20.5位より下 | 順位を上げる = 表示回数を増やす側へ |
1行目でCTR側を切り捨てるのには理由があります。表示回数が2桁だと、クリックが1回増えるだけでCTRが数ポイント跳ねるからです。表示17回ならクリック0回で0%、1回で5.9%になります。この数字を根拠にタイトルの良し悪しは判定できません。その段階で何をするかは、表示回数が少ないブログで、リライトする記事をどう決めるかに自分のブログの実例で書きました。
4行目を表示回数側に入れているのは、20.5位より下のページはタイトルを直しても検索結果でほとんど見られないためです。ここは中身を足して順位を上げる作業になります。順位が上がらない状態のさらに細かい切り分けは、ブログの順位が上がらない理由にまとめてあります。
なお2行目に該当しても、CTRが低い原因がタイトルとは限りません。指名検索が混ざっている、検索結果の見た目が変わっている、といった別の要因もあります。原因の切り分けは表示回数は多いのにクリックされない原因が本体です。順位ごとの平均CTRを一覧で見たい場合は掲載順位別のCTR平均一覧にあります。
「すぐ増える」方法はない、と公式が書いている
この記事を読んでいる人の多くは「今月中に何とかしたい」と思っているはずなので、正直に書きます。どちらの側から手をつけても、数字に出るまでには時間がかかります。
Google の SEO スターター ガイドには、こう書かれています。
変更した結果が Google 側に反映されるまでにはある程度の時間がかかります。数時間かかる変更もあれば、数か月かかる変更もあります。一般的には、数週間待ってから Google 検索の検索結果に良い影響があったかどうか確認することをおすすめします。ただし、変更すれば必ず目に見える変化が現れるというわけではありません。
出典はSEO スターター ガイドの「検索結果への反映にかかる時間」です。公式が幅として認めているのが「数時間〜数か月」で、確認の目安として挙げているのが「数週間」。そのうえで、変化が現れない場合もあると明記しています。
CTR側も例外ではありません。タイトルを書き換えても、検索結果に反映されるまでに再クロールが要りますし、反映されたあとも新しいCTRを判定できるだけの表示回数が溜まるまで待つ必要があります。表示回数100回未満では判定できないのは、直したあとも同じです。
なので現実的な進め方は、「今週やる1本」を決めて、変えた日と変える前の数字を記録し、次の判断まで手を出さないというものになります。1週間で数字を見て「効かなかった」と結論を出すのが、いちばんもったいない失敗です。
よくある質問
記事を増やすのと、タイトルを直すのは、どちらが先ですか
表示回数100回以上・掲載順位4.0〜20.5位のページが1本でもあるなら、タイトルを直すほうが先です。順位を動かさずに取れて、上限を事前に計算できるからです。該当するページが1本も無いなら、CTRの数字が判断材料にならないので、記事を増やす側だけが残ります。逆に言えば、この1本の判定が済むまでは、どちらが先かは決まりません。
タイトルを直すと、どれくらいクリックが増えますか
上限は「(期待CTR − 実CTR)× 表示回数」で先に計算できます。8位・表示1,000回・クリック10回(実CTR 1.0%)なら、期待CTRは1.52%なので期待クリックは15.2回、取りこぼしは5.2クリックです。これは上限であって、そこまで届く保証ではありません。ただ、上限が5クリックだと分かっていれば、その作業に何時間かけるかを先に決められます。
表示回数もCTRも平均並みです。これ以上増やす手はありますか
CTR側が期待値に届いているなら、掛け算のうち動かせるのは表示回数側だけです。記事を増やす、1記事が拾う語を増やす、順位を上げるの3つになります。CTR側を期待値より上に押し上げる方法が無いとは言えませんが、その分は期待CTRという基準の外側なので、どれだけ取れるかを事前に見積もる根拠がありません。見積もれる範囲で先に取り切ってから、表示回数側に移るのが順番として無駄が少ないです。
まとめ
- クリック数 = 表示回数 × CTR なので、検索流入を増やす手は表示回数を増やすかCTRを上げるかの2つしかない。CTRの定義はSearch Consoleヘルプの「クリック数をインプレッション数で割った値」から
- 施策の一覧で手が止まるのは、一覧が手段で並んでいて、動かす数字で並んでいないから。掛け算なので、同じ施策の効き目はもう一方の因子の大きさで変わる
- 表示回数を増やす側は記事を増やす・拾える語を増やす・順位を上げるの3つで、上限は無いが時間がかかる。CTRを上げる側は順位を動かさずに取れるが、上限が計算できてしまう
- どちらが先かは表示回数100回以上・掲載順位4.0〜20.5位のページが1本でもあるかで決まる。無ければCTRは測れないので表示回数側だけ
- 8位・表示1,000回・実CTR 1.0%なら、CTR側で取れる上限は約5.2クリック。同じ量を表示回数側で取るには表示を1.5倍にする必要がある
- 公式は反映について「数時間かかる変更もあれば、数か月かかる変更もあります」「一般的には、数週間待ってから」と書いている。1週間で結論を出さない
ここから先は、私が作ったツールの話です。
この記事に書いた判定のうちCTR側だけを自動でやるツールを作りました。Search Console のエクスポートをZIPのまま落とすだけで、掲載順位4.0〜20.5位・表示回数100回以上のページを拾い、改善余地スコア(表示回数 ×(期待CTR − 実CTR))の大きい順に並べます。上の計算例を全ページぶんやる、という道具です。判定と候補3記事の改善余地スコアの確認、そのうち1記事分の診断カードまでは無料で、残りの診断カードが2,980円(税込)の買い切りです。月額課金や自動更新はありません。ログインも不要です。CSVファイルそのものはブラウザの外に出ません(診断カードを出すときに選んだ1ページのURL・数値・入力したキーワードを、「ページタイトルを取得する」を押したときに判定に出たページのURLを最大10件送ります)。
⚠️ ただし、この記事の半分は「このツールでは扱えない側」の話です。表示回数を増やす手(記事を増やす・拾える語を増やす・順位を上げる)は、このツールでは何も助けになりません。表示回数が2桁で止まっているブログでは判定できるページが出ないので、そもそも0件と表示されます。公開日や更新日でも絞れません(ページCSVにその情報が入っていないためです)。
Search ConsoleのZIPを読み込むと、候補の判定と1記事分の診断カードを無料で確認できます。登録は不要です。ZIPが無い場合は、診断カードの見本を確認できます。

