この記事のまとめ
サーチコンソールの「平均掲載順位」とは、そのページが検索結果に出たすべての表示について、順位を平均した値です。 Google公式ヘルプは「すべての表示について掲載順位の平均をとったもの」「そのプロパティが表示されるすべてのクエリでの平均」と定義しています。表示回数が多いクエリほど平均を強く引っぱるため、「平均7.3位」でも、安定して7〜8位のページと、1位と20位が混ざったページの区別はつきません。平均掲載順位は代表値であって、実態そのものではありません。読み方としては、平均1つで判断せず、表示回数の多いクエリの内訳を必ず見てください。
サーチコンソール(Search Console)の平均掲載順位とは何かを一言でいうと、検索結果に出たときの順位を、表示のたびに数えて平均した値です。読み方でつまずくのはたいていここからで、この数字は「今このページが何位か」を表していません。
だから 7.28 のような小数になりますし、その順位に実際に居た瞬間が一度も無くても、平均としては出ます。7.3位と表示されているページが、ずっと7位付近にいるとは限らないということです。
平均の裏側を1本ずつ見ていく代わりに、機械に候補を出させる手もありますが、まずは数字そのものの読み方から書きます。ここが分かっていないと、出てきた候補の意味も分かりません。
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平均掲載順位とは、何を平均した数字か
Google公式ヘルプ「表示回数、掲載順位、クリック数とは」には、こう書かれています。
これは、すべての表示について掲載順位の平均をとったものです(リンクの掲載順位は表示されるたびに変わるため)。
パフォーマンス レポートに表示される掲載順位値は、検索結果内のプロパティまたはページへのリンクに付与される最上位の掲載順位であり、そのプロパティが表示されるすべてのクエリでの平均です。
ここから、読み方に効く前提が3つ出てきます。
| 前提 | 意味 |
|---|---|
| 1回の表示ごとに数える | 平均の母数は「日数」でも「クエリの本数」でもなく表示回数。表示回数が多いクエリほど、平均を強く引っぱる |
| クエリをまたいで混ぜる | 1ページが10個の検索語で出ていれば、その10個ぶんが1つの数字に畳まれる |
| 1クエリにつき最上位だけ | 公式の例では、同じクエリで2位・4位・6位に出た場合、記録されるのは2位だけ。同様に別クエリで3位なら、平均は (2 + 3) / 2 = 2.5 になる |
小数で出るのは、この「平均」の当然の結果です。なぜ小数になるのかの仕組みは掲載順位が小数点で出るのはなぜかに分けて書いたので、ここでは平均が何を見えなくするかのほうに進みます。
なぜ平均掲載順位は実態を隠すのか
原因は「Googleの集計が雑だから」ではありません。平均という要約が、定義上そういうものだからです。隠れ方は3種類あります。
1. 表示回数の多いクエリが平均を支配する
平均は表示回数で重みづけされます。つまり表示回数が全体の8割を占めるクエリが1本あれば、平均はほぼそのクエリの順位になります。残りのクエリがどれだけ下位でも、平均には0.数位ぶんしか出てきません。
逆に、その大きいクエリだけが数位動くと、他が何も変わっていないのに平均掲載順位だけが動きます。「本文を触っていないのに順位が変わった」ときは、ここを疑う価値があります。
2. 上振れと下振れが打ち消し合う
平均は、良い数字と悪い数字を足して割ります。1位のクエリと20位のクエリが同じくらいの表示回数であれば、平均は真ん中あたりに落ち着きます。そして真ん中あたりというのは、「どちらも存在しない、ちょうど平凡な状態」とまったく同じ見た目になります。
3. 見られなかった順位は、そもそも記録されない
これがいちばん見落とされます。公式ヘルプにはこうあります。
掲載順位が記録されるためには、そのリンクが実際に表示されなければなりません。ある検索結果が表示されなかった(たとえば検索結果は 3 ページあったのにユーザーが 1 ページ目しか見なかった)場合、その検索結果の掲載順位はそのクエリには記録されません。
つまり誰も2ページ目を開かなかったクエリの順位は、平均に入りません。深いところに沈んでいる順位ほど記録される機会が少ないので、平均掲載順位は、実態より良い側に寄って見えることがあります。
「平均12位なのに表示回数がやけに少ない」ようなページは、この効き方をしている可能性があります。悪い順位が平均から抜け落ちているぶん、数字の見た目ほど健闘していない、という読み方です。
同じ「平均掲載順位7.3位」になる、まったく違う2つの実態
ここまでを、数字で見てみます。以下は説明のために私が作った架空の例で、実在するサイトの実績ではありません。どちらも表示回数は1,000回、平均掲載順位は約7.3位です。
| 実態 | 内訳 | 平均掲載順位 |
|---|---|---|
| A:安定型 | クエリ①が表示700回・7位 / クエリ②が表示300回・8位 | (700×7 + 300×8) ÷ 1,000 = 7.3位 |
| B:分裂型 | クエリ③が表示670回・1位 / クエリ④が表示330回・20位 | (670×1 + 330×20) ÷ 1,000 = 7.27位 |

サーチコンソールの画面上では、この2つは同じ「7.3」です。しかし打ち手はまったく違います。
- Aは、タイトルの改善が効きやすい状態です。 7〜8位という順位帯に表示が集中しているので、期待できるCTRとの差が、そのまま伸びしろになります
- Bは、タイトルを直しても大きくは動きません。670回ぶんの1位はすでに取れていて、残り330回は20位です。20位はタイトルの問題ではなく、そのクエリで中身が足りていないという話になります
平均掲載順位を「実態」として読むと、Bのページに対してタイトルを何度も書き直すという、効かない打ち手を選びます。これが、平均を代表値ではなく実態として扱ったときの実害です。
期待CTRと比べるときも、平均1つでは決まらない
CTRは絶対値ではなく、順位ごとの期待値と比べて読むのが基本です。当サイトが使っている値は、日本市場の実測CTRに AI Overview によるクリック減を織り込んだ補正後の数字です。
| 掲載順位 | 期待CTR(補正後) |
|---|---|
| 1位 | 9.90% |
| 4位 | 3.15% |
| 6位 | 2.05% |
| 7.3位 | 1.40% |
| 8位 | 1.52% |
| 10位 | 1.19% |
これは補正後の値です。補正前の実測値(日本市場)は1位が13.94%で、そこに順位別の係数(1位0.71〜10位以降0.90)を掛けたものが上の表です。2つは別の数字なので、どちらを見ているかは常に意識してください。7.3位のように小数の順位は、7位と8位の値のあいだを直線でつないで求めています。
ここで正直に書いておくべきことがあります。期待CTRを引き当てる入口が「平均」である以上、この比較にも同じ限界があります。さきほどのBのページは、実CTRが1位ぶんのクリックで押し上げられるため、7.3位の期待CTRと比べると「取りこぼし無し」に見えてしまいます。実際には20位ぶんの330回がまるごと取りこぼしなのに、です。
だから平均掲載順位と期待CTRの比較は、候補を絞る道具であって、診断の完成形ではありません。上位に出てきたページについて、最後にクエリの内訳を自分の目で見る工程は省けません。
期待CTRの出どころと限界は2021年のCTRをAI Overview時代に補正するに全部書いています。
平均掲載順位の読み方 — 実際にやること3つ
構造が分かったところで、手順に落とします。
- 平均掲載順位だけを見ない。クリック数・表示回数と並べて読みます。 4つの数字の見る順番はサーチコンソールの見方に書きました
- 気になったページは「クエリ」で内訳を開く。検索パフォーマンスでそのページを選び、クエリのタブに切り替えます。表示回数の多い順に上から数本の順位を見れば、AとBのどちらなのかが分かります。ただし画面から落とすCSVには、クエリとページをつなぐ列がありません(この点はクエリとページの違いに詳しく書きました)。内訳は画面上で確認するのが早いです
- 期間を長く取りすぎない。平均は期間が長いほど滑らかになり、変化が見えにくくなります。どの期間で比べるかは期間比較で間違えやすいことの領分なので、そちらを見てください
なお、デバイスや国でフィルタをかけると、平均はさらに分解できます。パソコンとスマートフォンで順位が違うページでは、混ざった平均より、分けたあとの数字のほうが実態に近くなります。
この絞り込みを自動でやるツールも作ったので、記事が多くて手が回らないなら使ってください。詳しくは記事の最後に書きます。
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よくある質問
平均掲載順位は何位を目標にすればいいですか
平均掲載順位そのものは、目標に向きません。表示回数の多いクエリが1本増えただけで平均は動きますし、逆に下位のクエリで新しく表示され始めると中身が良くなっていても平均は悪化します。目標にするなら、平均ではなく「主要なクエリ1本の順位」か「クリック数」のほうが動きの意味を読めます。
実際に検索した順位と、平均掲載順位が違います
違って正常です。Google公式ヘルプも「パフォーマンス レポートではページの掲載順位が5位なのに、実際の検索では8位になる」というケースを挙げ、掲載順位値はすべての検索の平均値であり、検索履歴や場所などの多くの変数によって個々の検索では平均と異なる場合があると説明しています。自分で検索して確かめた順位は、多数ある表示のうちの1回ぶんです。
平均掲載順位が上がったのに、クリック数が増えません
平均が上がった理由が、順位の上昇とは限らないためです。下位で表示されていたクエリの表示回数が減ると、悪い数字が平均から抜けて、平均だけが良くなります。このとき実際に起きているのは表示機会の減少なので、クリックは増えません。平均掲載順位が改善したときは、表示回数も同時に増えているかを必ず確認してください。
まとめ
- 平均掲載順位とは、すべての表示について順位を平均した値。母数は日数でもクエリ数でもなく表示回数
- 表示回数の多いクエリが平均を支配する。 1本の大きいクエリが動くだけで、平均は動く
- 誰も見なかった検索結果の順位は記録されないため、平均は実態より良い側に寄ることがある
- 同じ「7.3位」が、安定して7〜8位の実態と、1位と20位が混ざった実態の両方から出る。平均は代表値であって実態ではない
- 期待CTRとの比較も入口は平均なので、候補を絞る道具であって、診断の完成形ではない。最後はクエリの内訳を見る
平均掲載順位は、悪い指標ではありません。要約であることを忘れなければ、十分に使えます。危ないのは、要約を実況と読み違えたときだけです。
ここから先は、私が作ったツールの話です。
この記事に書いた「平均掲載順位から期待CTRを引き当てて、実CTRとの差に表示回数を掛ける」計算を、まとめてやるツールを作りました。Search Console のエクスポートをZIPのまま落とすだけです(解凍もファイル選びも要りません)。判定に載るのは掲載順位4.0〜20.5位かつ表示回数100回以上のページで、並び順は改善余地スコアの降順です。 CTRの差が大きい順ではないので、差が小さくても表示回数が多いページが上に来ます。判定と候補3記事の改善余地スコアの確認、そのうち1記事分の診断カードまでは無料で、残りの診断カードが2,980円(税込)の買い切りです。月額課金や自動更新はありません。ログインも不要です。
CSVファイルそのものはブラウザの外に出ませんが、診断カードを出すときだけ、選んだ1ページぶんの数値(URL・キーワード・掲載順位・表示回数・CTR)を送ります。タイトルを取得するボタンを押した場合は、最大10件ぶんのURLを送ります。
⚠️ そして、このツールが判定に使えるのも平均掲載順位と表示回数だけです。この記事に書いたクエリ単位の内訳までは見ていません。1ページに強いクエリと弱いクエリが混在しているサイトでは、最後の確認は手作業になります。表示回数が100回に届くページがまだ少ない段階なら、リライトより記事を増やすほうが先なので、このツールは向きません。
Search ConsoleのZIPを読み込むと、候補の判定と1記事分の診断カードを無料で確認できます。登録は不要です。ZIPが無い場合は、診断カードの見本を確認できます。

