この記事のまとめ
長いブログ記事を2本に分けるかどうかは、文字数では決めません。Google は「優先する文字数」は存在しないと書いていて、生成 AI 機能向けのガイドにも「理想的なページ長というものはありません」とあります。記事を何文字で分けるといった基準は、この記事で読んだ公式ページには書かれていませんでした。決め手は、サーチコンソールでその記事1本に絞って見たクエリ(検索された語)です。
検索した人の用事が違うクエリが2つのまとまりで混ざっていて、片方だけが掲載順位4.0〜20.5位あたりにいるときに、分割を考えます。クエリが1つの用事にまとまっているなら、私は何文字あっても分けません。分けるときは元のURLを残し、もう片方の用事に答える記事を新しく書いて、元の記事からリンクします。
書き足しを重ねて、1本の記事が1万字近くになった。「長すぎる記事は分けたほうがいい」「1記事1キーワード」と聞いて、2本に分けるべきか迷っている。そんな人に向けて書いています。
先に答えを書くと、私は、長さを分ける理由にしていません。分けるかどうかは、その記事がどんな語で検索結果に出ているかを Search Console(サーチコンソール)で見て決めます。読み終えるころには、自分の記事が分けるべき記事かどうかを、クエリの一覧から判断できるようになるはずです。
Search ConsoleのZIPを読み込むと、候補の判定と1記事分の診断カードを無料で確認できます。登録は不要です。ZIPが無い場合は、診断カードの見本を確認できます。
結論: 長さでは分けない。クエリが2つに割れたときだけ分ける
「長い記事は分けたほうがいい」という話の裏には、Google が記事の長さを見て評価を決めている、という思い込みがあることが多いと思います。Google 検索セントラルの有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成は、避けたい作り方を確かめる質問の1つとして、こう書いています。
Google が優先する文字数があるとどこかで聞いたか読んだかしたために、特定の文字数になるように記事を書いていますか(そのような設定は存在しません)。
英語版は "(No, we don't.)" です。目指す文字数が無いのなら、「長すぎるから削る・分ける」にも、Google の基準としての根拠はありません。文字数を増やす・削る話はリライトで文字数を増やすと順位は上がるのかに書きました。
生成 AI 機能向けの公式ガイドGoogle 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化するにも、コンテンツを細かく分ける必要があるかという項目があり、次の部分があります。
Google システムは、ページ上にある複数のトピックのニュアンスを理解し、関連性の高い部分をユーザーに表示できます。
ただし、オーディエンスやトピックによっては、短いページ(または長いページ)が効果的な場合もあります。理想的なページ長というものはありません。
AI 向けにページを細かく切る(チャンク化)必要は無い、という文脈の文で、英語版も "There's no ideal page length" です。1ページに複数の話題があっても、それだけで困るわけではない、と読めます。同じ項目には「短いページ(または長いページ)が効果的な場合もあります」ともあるので、長さが関係ないとまでは書かれていません。私が長さで決めないのは、短くすべきかどうかも、読む人の用事(クエリ)を見れば分かると考えているからです。
では、何を見て決めるのか。私は、その記事がどんなクエリで検索結果に出ているかで決めています。1本の記事が、用事の違う2種類の人に同時に表示されていて、片方にはうまく答えられていないとき、分けると片方ずつにまっすぐ答えられるようになります。逆に、どれだけ長くても、表示されているクエリが1つの用事にまとまっているなら、分ける理由はありません。
なぜ長さではなく、クエリで決めるのか
長い記事で困るのは、長いことそのものではありません。困るのは、1本の記事が、用事の違う2種類の人に表示されているのに、記事が答えている用事は1つ分しかないときです。それが表に出にくい理由が2つあります。
ページの掲載順位は、クエリをまたいだ平均になる
Search Console の検索パフォーマンス レポートのヘルプは、表に出る平均掲載順位をこう説明しています。
表内: 表の行に表示されている特定の URL またはグループ ディメンションの検索結果における平均掲載順位です。
ページのタブで見る1行の順位は、そのURLが表示されたすべての検索をならした数字です。たとえば、本題の語では3位、記事の後半で触れた別の用事の語では14位、という記事があったとします。ページの行には、その間のどこかの順位が1つ出るだけで、「本題は取れていて、後半の用事だけが2ページ目で止まっている」という形は見えません。平均が語ごとのズレを隠す仕組みは検索意図の調べ方は3ステップで詳しく書きました。
タイトルは1つしか付けられない
先ほどの Google のページには、作ったコンテンツを確かめる質問として「メインの見出しやページタイトルは、内容を要約して説明する有用なものですか。」があります。用事が2つ入った記事は、タイトルをどちらかの用事に寄せるしかありません。もう片方の語で検索した人には、検索結果で自分の用事と違うタイトルが見えることになります。
同じページには「コンテンツを読み終わったユーザーは、あるトピックについて、目的を果たすのに十分な情報を得たと感じることができますか。」という質問もあります。後半の用事で来た人にとっては、答えが記事の7つ目の見出しの下に埋まっていて、そこにたどり着くまでに本題の説明を読まされます。
どちらも、この記事で読んだ Google のページが「長い記事は分けなさい」と言っているわけではありません。ただ、用事が2つ混ざっているかどうかは、文字数ではなくクエリを見ないと分からないので、私はクエリで決めています。
サーチコンソールで、1本の記事のクエリが割れているかを見る
見るのは、分けるか迷っている記事1本に絞ったクエリの一覧です。Search Console ヘルプの高度なフィルタリングと比較には、フィルタの付け方の1つとして「または、表の任意の行をクリックすると、データがその行で自動的にフィルタされます。」とあります。ページの行をクリックすれば、そのページだけに絞れます。
- 検索パフォーマンスを開き、期間を長めにする(表示回数が少ないブログほど延ばす)
- 表の上の「ページ」タブで、分けるか迷っている記事の行をクリックする
- 「クエリ」タブに切り替え、表示回数の多い順に並べる
- 上から順に、それぞれのクエリの横に「この語で検索した人が片づけたい用事」を一言で書く
- 同じ用事どうしをまとめ、まとまりごとに表示回数と掲載順位を見る
エクスポートした CSV ではページとクエリがつながらないので、この確認は画面で1ページずつ絞ってやります。そのあたりの事情はサーチコンソールのクエリとページの違いに書きました。また、同じヘルプには「データをクエリや URL でフィルタすると、データの切り捨てや匿名化されたクエリの除外により、レポートの合計が変わることがあります。」ともあり、一覧の行を足しても、ページの合計と一致しないことがあります。見るのは合計ではなく、まとまりの分かれ方です。
次の表は、説明のために作った架空の例です。「WordPress ブログの始め方」の記事に、途中でレンタルサーバーの比較の節を足してあるとします。
| クエリ | 表示回数 | 掲載順位 | 用事(書き手が付ける) |
|---|---|---|---|
| wordpress ブログ 始め方 | 1,240 | 3.1 | ブログを開設する手順を知りたい |
| ブログ 始め方 初心者 | 610 | 4.8 | ブログを開設する手順を知りたい |
| wordpress ブログ 作り方 | 380 | 5.6 | ブログを開設する手順を知りたい |
| レンタルサーバー 比較 | 520 | 13.4 | 契約するサーバーを選びたい |
| レンタルサーバー 安い おすすめ | 260 | 16.9 | 契約するサーバーを選びたい |
この記事のクエリは、「開設する手順」と「サーバーを選ぶ」の2つのまとまりに割れています。開設の手順のほうは3〜6位で表示されていて、サーバー選びのほうは13〜17位あたりで止まっています。サーバーを選びたい人にとっては、手順の記事の途中にある比較の節は、タイトルからも見出しの位置からも、自分の用事に答えている記事には見えにくいはずです。これが、私が分割を考える形です。
反対に、「wordpress ブログ 始め方」「ブログ 開設 手順」「ブログ 始め方 スマホ」のように、言い方は違っても用事が同じ語しか並んでいないなら、私は1万字あっても分けません。1本の記事で複数のキーワードを狙ってよいかという疑問も、ここで答えが出ます。同じ用事の言い換えなら1本で受け、用事が違う語なら別の記事で受ける、というのが私の分け方です。
分けるかどうかの判定表
クエリのまとまりが見えたら、次の表で決めます。この表は私の判断の仕方で、Google が示している基準ではありません。4.0〜20.5位という帯は、このサイトで「直せば届く見込みがある」として使っている範囲で、1〜3位はすでに上位にいる、20.5位より下は2ページ目より後ろで遠い、という考えから決めています。
| その記事のクエリの様子 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 言い方は違っても、用事は1つにまとまっている | 分けない(何文字あっても) | 分けても、同じ用事の人を2本で取り合うだけになる |
| 用事が2つに割れているが、どちらのまとまりも1〜3位あたり | 分けない | どちらの用事でも、いまの記事が上位に出ている。分けて得られるものが見えない |
| 用事が2つに割れていて、片方は上位(1〜3位あたり)、もう片方だけが4.0〜20.5位あたり。その片方にも表示回数がまとまってある | 分割を考える | その用事で検索している人は一定数いるのに、タイトルと記事の主題が別の用事に向いている |
| 用事が2つに割れているが、片方の表示回数がごく少ない | まだ分けない | その用事で探す人がどれくらいいるか、数字からはまだ読み取れない。節のまま残して様子を見る |
| 片方の用事が、本題の手順の途中で必ず要るもの(例: 手順の中の1工程) | 分けない | 読む人が続けて必要とする内容を分けると、2本を行き来させることになる |
| 片方の用事の語が20.5位より下でしか出ていない | まだ分けない(後回し) | 20.5位より下は2ページ目より後ろで、直しても届くまでが遠い。順位が低いことだけでは、分けるかも新しく書くかも決めない |
5行目について補足します。Google のページには、避けたい作り方を確かめる質問として「ユーザーがコンテンツを読み終わっても、他のソースからより良い情報を得るために再び検索する必要があると感じさせてしまいますか。」があります。手順の一部を切り出して別の記事にすると、手順の記事だけを読んだ人は、続きを探しに戻ることになります。分けるのは、切り出した側だけを読んでも用事が片づくときに限っています。
記事がまだ答えていない語をどう扱うかは、分割ではなく「新しい記事にするか、今の記事に足すか」の判断です。その決め方はブログのネタ切れは?サーチコンソールのずれた語から次の記事を探すに書きました。この記事で扱うのは、すでに本文の節で答えている用事を、別のURLに切り出すかどうかのほうです。
分けると決めたときの手順
先ほどの架空の例(開設の手順の記事から、サーバー選びを切り出す)で書きます。
- 分ける前に、数字を控える。元の記事のページで絞ったクエリの一覧から、まとまりごとの表示回数・クリック数・掲載順位と、見た期間をメモしておきます。分けたあとに比べる相手がこれです。
- 元のURLは、上位にいるほうの用事のために残す。例なら、元の記事は開設の手順の記事のままにして、URLも変えません。URLを変えたり元の記事を消したりする場合の考え方は301リダイレクトのやり方にまとめています。節を切り出してもURLは移らないので、リダイレクトは使いません。
- 新しい記事は、切り出す側の用事に答える記事として書き直す。節をそのまま貼るのではなく、「契約するサーバーを選びたい」人が最初に知りたいことから並べ直し、タイトルもその用事に合わせます。元の記事では手順の途中の脇道だった節なので、そのままだと、その用事で来た人には足りないことが多いはずです。
- 元の記事の節は、短い案内と新しい記事へのリンクに置き換える。同じ段落を両方の記事に残すと、同じ語で自分の記事が2本表示されて、取り合いになることがあります(キーワードカニバリゼーションの確認方法)。手順を読んでいる人が「ここでサーバーを選ぶ」と分かる位置に、本文の中でリンクを置きます。節を短くすると、元の記事がその語で取れていた表示も減ることがあります。私は、新しい記事がその語で表示され始めたのを手順5の見方で確かめてから、元の節を短くしています。
- しばらく待ってから、2本それぞれのページで絞ってクエリを見る。サーバー選びの語が新しい記事の行に出ているか、元の記事の開設の手順の語の順位が崩れていないかを、1で控えた数字と比べます。どれくらい待つかはリライトの効果はいつ分かる?を目安にしてください。
手順5で、サーバー選びの語がしばらく元の記事の行に残っていたり、新しい記事がすぐには上位に出なかったりしても、それだけで失敗とは言えません。新しいURLがどう扱われていくかは、私には外から確かめる方法がないので、1で控えた数字と並べて、時間をおいて何度か見るようにしています。
記事の数を増やすためには分けない
「記事数が多いほうが有利」と考えて、1本を3本、4本に分けたくなることもあると思います。Google のページは、検索エンジンを第一に考えた作り方の警告として「いずれかが検索結果の上位に表示されることを期待して、さまざまなトピックで多くのコンテンツを制作していますか。」という質問を挙げています。クエリの裏付けが無いまま本数を増やすための分割は、この質問に当てはまる方向だと私は考えています。
逆に、似た記事が何本もあって、どれも同じ用事のクエリで中途半端な順位にいるなら、分けるのではなく1本にまとめる側の話です。その判断は伸びない記事はリライトか、統合か、削除かに書きました。分けるか、まとめるかは向きが逆なだけで、どちらも「1つの用事に1本の記事が答えている状態」に近づけるための作業です。
記事を分けて終わり、ではなく、どの記事のどの数字から手を付けるかを決めるところまでが手間です。記事が何本もあるとき、その並べ替えを機械にやらせる話は記事の最後に書きました。
Search ConsoleのZIPを読み込むと、候補の判定と1記事分の診断カードを無料で確認できます。登録は不要です。ZIPが無い場合は、診断カードの見本を確認できます。
よくある質問
1万字を超えた記事は、分けたほうがいいですか
文字数だけを理由には分けません。Google は優先する文字数は存在しないと書いていて、この記事で読んだ公式ページに「何文字を超えたら分ける」という基準はありませんでした。読みにくさが気になるなら、まず見出しと目次で、読む人が自分の用事の節にすぐ飛べるようにします。分けるかどうかは、クエリが2つの用事に割れているかで決めます。
分けると、元の記事の評価は下がりますか
記事を分けたときに元の記事や新しい記事の評価がどうなるかを説明した公式の記述は、この記事で読んだページには見つけられませんでした。なので、私は「元の記事の順位が新しい記事にそのまま移る」とは見込まずに判断しています。分けたあとに上位の側が崩れていないかは、手順1で控えた数字と比べれば確かめられます。
1つの記事で、複数のキーワードを狙ってもいいですか
同じ用事の言い換えなら、1本で受けて構いません。サーチコンソールで1本の記事に絞ると、ふつうは何十もの語が並びます。用事が違う語を1本で狙うと、タイトルをどちらかに寄せるしかなくなるので、私は用事ごとに記事を分けています。
分けた記事どうしは、どうつなげばいいですか
元の記事の、切り出した節があった位置に、短い案内とリンクを本文の中に置きます。記事の最後に関連記事として並べるより、読んでいる流れの中で「ここから先は別の記事」と分かるほうが押されやすいと私は考えています。置き場所の考え方は内部リンクはどこに貼るかにまとめました。
まとめ
- 私は長さを分ける理由にしない。Google は優先する文字数は存在しないと書いていて、生成 AI 向けのガイドにも「理想的なページ長というものはありません」とある
- 分けるかどうかは、サーチコンソールでその記事のページの行をクリックして絞り、クエリの一覧を用事ごとにまとめて決める
- 用事が2つに割れていて、片方だけが4.0〜20.5位あたりにいて表示回数もあるときに分割を考える(この線は私の判断で、Google の基準ではない)
- 用事が1つにまとまっている、両方とも上位、片方の表示がごく少ない、片方が手順の一部、片方が20.5位より下でしか出ていない、のときは分けない(最後のものは後回しにする)
- 分けるときは元のURLを残し、切り出す側の用事に答える記事として書き直し、元の記事の本文からリンクする。分ける前の数字を控えて、あとで2本それぞれを絞って比べる
この記事で引いた公式のページは、Google 検索セントラルのドキュメント2つ(有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成/Google 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化する)と、Search Console ヘルプの2つ(検索パフォーマンス レポートの概要と基本設定/高度なフィルタリングと比較)です。2026年10月8日に日本語版と英語版の本文を取得し、引用は原文と照合しました。Search Console ヘルプの日本語版には AI 翻訳を含む場合があるという注記があるので、細かい条件は英語版もあわせて確かめてください。
分けるかどうかを決めるのはクエリですが、その前に、どの記事から見るかを決める必要があります。そこを並べるために作ったツールがあるので、以下は私が作ったツールの宣伝として読んでください。
サーチコンソールのエクスポートをZIPのまま置くだけで、4.0〜20.5位のページを、表示回数100回以上は通常判定、30〜99回は参考判定、30回未満は本文中心の監査に分け、この順に、同じ区分の中ではCTR機会差(表示回数 × (期待CTR − 実CTR)で出す「回相当」の数)の多い順に並べて出します。 判定と候補3記事のCTR機会差の確認、そのうち1記事分の診断カードまでは無料です。有料は2,980円(税込)の買い切りで、無料の1件を除いた3記事分の診断カードが対象です。3記事分が揃うとき(判定に出た候補が4件以上のとき)だけご案内します。生成の利用期限は購入から7日間で、月額課金や自動更新はありません。ログインも不要です。 CSVファイルそのものはブラウザの外に出ませんが、診断カードを出すときは選んだ1ページぶんの数値(URL・キーワード・順位・表示回数・CTR)を、タイトル取得を押したときは最大10件のURLを送ります。
⚠️ このツールは、記事を分けるべきかどうかは判定しません。読み込むのはページのCSVで、そこにはページごとのクエリが入っていないため、1本の記事のクエリが2つの用事に割れているかはツールからは見えません。狙いのキーワードは、診断カードを出すときに自分で入力します。分けるかどうかは、この記事の手順でサーチコンソールの画面を見て決めてください。表示回数が0のページは扱えず、掲載順位4.0〜20.5位に入るページが無いブログでは、候補が0件になることがあります。順位やクリック数が上がることを約束するものでもありません。
Search ConsoleのZIPを読み込むと、候補の判定と1記事分の診断カードを無料で確認できます。登録は不要です。ZIPが無い場合は、診断カードの見本を確認できます。
