この記事のまとめ
リライトの記録とは、いつ・どのURLの・どこを・何を狙って変えたかと、変える直前の表示回数・クリック数・CTR・掲載順位を、変更のたびに1行ずつ残した一覧です。記録が無いとリライトの効果を測れないのは、Search Console が数字は日付ごとに持っているのに「いつ何を変えたか」を持っていないためで、変更の履歴だけは自分で残すしかありません。残すのは日付・URL・変えた箇所・変える前の4つの数字・狙いの5項目で足りて、道具はスプレッドシート1枚で十分です。効果測定のやり方として決定的なのは1回に1箇所だけ変えることで、同時に3箇所変えると、数字が動いてもどれが効いたか切り分けられなくなります。
リライトの効果測定でつまずく原因は、測り方ではありません。測る対象が定まらないことです。
Search Console を開けば、表示回数・クリック数・CTR・掲載順位は日付ごとに残っています。足りないのは数字ではなく、「その数字が動いた日に、自分が何をしたか」のほうです。これはどのツールにも入っていないので、自分で持つしかありません。
必要なのは大がかりな管理表ではなく、1変更につき1行です。何を書けば足りるのかを、理由から順に書きます。
記録する相手を決めるところ(どの記事から直すか)は自分のデータで確かめることもできますが、先に記録の話をします。対象が決まっても、記録が無いと結果を読めません。
Search ConsoleのZIPを読み込むと、候補の判定と1記事分の診断カードを無料で確認できます。登録は不要です。ZIPが無い場合は、診断カードの見本を確認できます。
Search Console は数字を持っているが、変更の履歴は持っていない
ここがこの記事の中心です。Search Console は指標のデータベースであって、作業のログではありません。
入っているのは「この日、このページは何回表示されて何回クリックされたか」です。入っていないのは「この日、このページのタイトルが変わった」という出来事のほうです。
| 持っている場所 | 内容 |
|---|---|
| Search Console | 表示回数 / クリック数 / CTR / 掲載順位(日付ごと) |
| どこにも無い | いつ・どのページの・どこを変えたか |
この非対称が、効果測定を難しく見せている正体です。数字の変化は観測できるが、原因の候補と突き合わせる材料が片方しかない。だから「上がった気がする」「たぶん効いた」で終わります。
CMSの更新日時が残っていれば代わりになりそうに見えますが、更新日時は「何かを触った」までしか教えてくれません。誤字を1つ直したのか、タイトルを丸ごと書き替えたのかが区別できないので、効果の帰属には使えません。
つまり記録は「あると便利なもの」ではなく、効果測定に必要なデータの片側そのものです。これが無い状態は、ものさしが無いのではなく、測る対象が無い状態に近いです。
なぜ「変える前の数字」をその場で控えるのか
記録で真っ先に抜けるのが、この項目です。日付とURLは思い出せても、変える直前の数字は残していないと後から困ります。
誤解のないように順序を分けて書きます。数字そのものは、変更日を覚えていれば取り直せます。変更日の前で期間を切ってエクスポートし直せばいいだけです。取り直せないのはそこではなく、次の3つです。
① 直近を含む期間の数字は、後から増える側に動く
Search Console のヘルプには「最新のデータは暫定値の可能性があり、引き続きデータが収集中であるため、その後数時間で変動する場合があります。」と書かれています(検索パフォーマンス レポート ヘルプ)。
つまり同じ期間を指定して取り直すと、当時より大きい数字が返ってくることがあります。後から取ったほうが確定値に近いので、数字としてはそちらが正しいです。ただし「自分が当時どの数字を見て直すと決めたか」は消えます。
暫定の日が期間に占める割合と、その扱い方はサーチコンソール データ反映はいつにまとめました。
② 掲載順位は期間全体の平均なので、期間を変えると値が変わる
掲載順位は「その瞬間の順位」ではなく、期間内のすべての表示について順位を平均した値です。だから同じページでも、28日で切るか90日で切るかで数字が変わります。
「変える前は8.2位だった」と書き残しておくと、それがどの期間で見た8.2位なのかが問題になります。だから記録には数字だけでなく、その数字を見た期間の長さも添えます。これだけで、後から比べるときに同じ条件を再現できます。
平均が何を隠すかは平均掲載順位とはに書きました。
③ ページ単位のCSVには日付の列が無い
Search Console のエクスポートに含まれる「ページ」の表は、1URLにつき1行で、期間ぶんが合計されています。日付の列は入っていません。
変更日をまたぐ期間で落とすと、変更前の日と変更後の日が同じ1行に混ざります。混ざったあとで内訳を取り出す手立ては、この表にはありません。期間を切るには、切る位置(=変更日)をこちらが知っている必要があるわけです。
だから5項目のうちいちばん重要なのは日付です。数字を控え忘れても日付があれば復旧できますが、日付が無いと切る位置が決まりません。
最低限これだけ残せば足りる(5項目)

管理表を作り込む必要はありません。次の5つだけです。
| 項目 | 書き方 | なぜ要るか |
|---|---|---|
| 日付 | 2026-08-17 | 比較する期間を切る位置。これが無いと後から復旧できない |
| URL | /blog/xxx | CSVの行と突き合わせる鍵。記事タイトルではなくURLで持つ |
| 変えた箇所 | タイトル / 見出し / 本文 / 説明文 のどれか1つ | どの手が効いたかを切り分ける。複数書いてある行は読めない |
| 変える前の数字 | 表示 1,400 / クリック 8 / CTR 0.6% / 8.2位(過去28日) | 判断の根拠。期間の長さも添える |
| 狙い | 順位は取れているのにクリックが少ないので、タイトルに数字を入れる | 外れたときに「何の仮説が外れたか」が残る |
1行にすると、こうなります。
2026-08-17 /blog/xxx 変えた箇所: タイトルのみ(見出しと本文は触っていない) 変更前: (旧タイトル) 変更後: (新タイトル) 変更前の数字: 8.2位 / 表示 1,400 / クリック 8 / CTR 0.6%(過去28日) 狙い: 順位のわりにクリックが少ない。冒頭に具体的な数字を入れる
※サンプルデータの数字です。
5つめの「狙い」を軽く見ないでください。効果測定でいちばん価値があるのは、上がった記録ではなく外れた記録です。狙いが書いてあれば「順位帯を読み間違えていた」と分かりますが、書いていないと「効かなかった」しか残りません。
逆に、本文の差分を全文で保存する必要はありません。タイトルと説明文は短いので前後を残す価値がありますが、本文を毎回コピーしていると続きません。続かない記録は、無い記録と同じです。
なお、記録する対象の選び方(掲載順位4.0〜20.5位・表示回数100回以上のページに絞り、期待CTRとの差に表示回数を掛けた改善余地スコアの大きい順に並べる)は自動で並べるツールも作ってあります。記録の様式とは別の話なので、詳しくは記事の最後に書きます。
Search ConsoleのZIPを読み込むと、候補の判定と1記事分の診断カードを無料で確認できます。登録は不要です。ZIPが無い場合は、診断カードの見本を確認できます。
1回に1箇所だけ変える。これが記録が意味を持つ条件
記録の様式より、こちらのほうが効果測定の成否を決めます。タイトルと見出しと本文を同時に変えると、数字が動いてもどれが効いたか分かりません。
「3箇所変えて上がったなら、3つとも良かったのだろう」とは言えません。1つが効いて、1つが足を引っ張っていて、差し引きでプラスに見えている可能性が残るからです。この形は、次に同じ手を使ったときに再現しません。
もう1つ、忘れがちな理由があります。自分の手以外の変化が、いつも同時に走っていることです。
- 競合ページの入れ替わり。自分が何もしなくても、上位が動けば順位と表示回数は動きます
- 検索需要の季節性。月をまたげば、同じ順位でも表示回数は変わります
- 検索結果の構成の変化。AI Overview や他の枠が増減すれば、順位が同じでもCTRは動きます
これらは記録しても止められません。だからこそ自分の手を1つに絞る必要があります。自分側の変数が1つなら、動いた数字を「自分の手」と「外の変化」に振り分ける余地が残ります。 3つあると、そこから先に進めません。
遅く感じるかもしれませんが、記事が複数あるなら並行できます。1記事あたりの試行は遅く、サイト全体では速いという進み方になります。
同じ記事に戻るまでの間隔はリライトの頻度はどれくらい、変えてから結果を見るまでに置く期間はリライトの効果はいつ分かるのかにあります。記録した数字を突き合わせる手順そのものはサーチコンソールの期間比較で間違えやすいことに分けて書きました。
道具はスプレッドシート1枚で足りる
正直に書きます。ここまでの記録に専用ツールは要りません。列が5つあるスプレッドシートで足ります。
理由は、記録が追記しかされないデータだからです。集計も検索もほとんど必要なく、月に数行増えるだけです。この用途でツールを増やすと、開く手間のほうが記録の手間を上回ります。
続けるためのコツは、置き場所を1つに決めることだけです。
- 並び順は「変更日の降順」。直近に触った記事が上に来ていれば、間隔を空けるべき記事が目に入ります
- 書くのは変える直前。変えた後に書こうとすると、変更前の数字が手元から消えています
- 1行に複数の変更箇所を書かない。2箇所変えたなら、記録上は失敗として扱うほうが後で読めます
記録が続かない原因は、たいてい様式が重すぎることです。項目を増やすほど精度が上がるように見えますが、続かなければ精度は0になります。5項目に削ってあるのはそのためです。
よくある質問
リライトの記録とは、具体的に何を残すことですか
リライトの記録とは、いつ・どのURLの・どこを・何を狙って変えたかと、変える直前の表示回数・クリック数・CTR・掲載順位を、変更のたびに1行ずつ残した一覧です。項目は日付・URL・変えた箇所・変える前の4つの数字・狙いの5つで足ります。いちばん重要なのは日付で、これが後から比較する期間を切る位置になります。数字にはそれを見た期間の長さ(過去28日など)も添えてください。掲載順位は期間全体の平均なので、期間が違うと同じ数字になりません。
記録を忘れていました。あとから数字を取り直せますか
変更日を覚えているなら、取り直せます。変更日の前で期間を切ってエクスポートし直してください。ただし当時の画面と同じ数字になるとは限りません。直近を含む期間には暫定のデータが混ざっており、ヘルプにも「最新のデータは暫定値の可能性があり、引き続きデータが収集中であるため、その後数時間で変動する場合があります」と書かれています。後から取ったほうが確定値に近いので数字としては正しく、失われるのは「自分が当時どの数字を見て直すと決めたか」のほうです。変更日そのものが分からない場合は、その記事の効果測定はあきらめて、次の変更から記録を始めるのが早いです。
記録をつけようとしたのに続きませんでした
続かない原因は手間ではないことが多く、その記録をいつ読み返すかが決まっていないと、書く動機を毎回ゼロから用意することになります。 リライトの記録が続かないのは面倒だからではない、読み返す日が決まっていないからに、再開するときの順番を書きました。
タイトルと説明文なら同時に変えてもいいですか
分けたほうが後で読めます。どちらも検索結果に出る文なので、同時に変えるとCTRが動いた原因を割り振れません。本文の表のとおり、1行に書く変更箇所は1つにしてください。避けたいのは、記録には「タイトルのみ」と書いて実際は本文も触っている状態です。記録と実作業がずれると、溜まったデータ全体が使えなくなります。
記録用のツールを導入したほうがいいですか
この用途なら要りません。スプレッドシート1枚で足ります。記録は追記しかされず、月に数行増えるだけなので、集計機能が要らないためです。
まとめ
- Search Console は数字を日付ごとに持っているが、「いつ何を変えたか」は持っていない。変更の履歴だけは自分で残すしかない
- 残すのは日付・URL・変えた箇所・変える前の4つの数字(表示回数・クリック数・CTR・掲載順位)・狙いの 5項目。いちばん重要なのは日付で、比較する期間を切る位置になる
- 数字にはそれを見た期間の長さも添える。掲載順位は期間全体の平均なので、期間が違えば同じ数字にならない
- 変更日を覚えていれば数字は取り直せるが、直近を含む期間には暫定のデータが混ざるため当時の画面とは一致しない。失われるのは「当時どの数字を見て決めたか」のほう
- 1回に1箇所だけ変える。競合の入れ替わり・季節性・検索結果の構成の変化が常に同時に走っているので、自分側の変数を1つに絞らないと切り分けの余地が残らない
- 道具はスプレッドシート1枚で足りる。項目を増やすほど精度が上がるように見えるが、続かなければ精度は0になる
ここから先は、私が作ったツールの話です。
記録そのものはスプレッドシートで足りますが、「次にどの記事を記録の対象にするか」を選ぶところは毎回同じ計算です。そこを自動でやるツールを作りました。Search Console のエクスポートをZIPのまま入れるだけで、掲載順位4.0〜20.5位・表示回数100回以上のページに絞り、改善余地スコア(表示回数 × 期待CTRとの差)の大きい順に並べます。判定と候補3記事の改善余地スコアの確認、そのうち1記事分の診断カードまでは無料で、残りの診断カードが2,980円(税込・買い切り)です。月額課金や自動更新はありません。ログインも不要です。 CSVファイルそのものはブラウザの外に出ません(診断カードを出すときに選んだ1ページのURL・数値・入力したキーワードを、「ページタイトルを取得する」を押したときに判定に出たページのURLを最大10件送ります)。
⚠️ ただし向かない人がいます。このツールは変更の履歴を保存しません。記録を代わりに持ってくれる道具を探しているなら、目的が合いません。公開日や更新日も分かりません(ページCSVにその情報が入っていないためです)。表示回数が2桁で止まっているサイトでは判定できるページが出ないので、その段階なら記事を増やすほうが先です。
Search ConsoleのZIPを読み込むと、候補の判定と1記事分の診断カードを無料で確認できます。登録は不要です。ZIPが無い場合は、診断カードの見本を確認できます。

