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リライトが怖くて手が止まるとき、見えない「直さない側」の損失を数字にする

リライトが怖いのは、失敗だけが目に見える形で残り、直さなかった結果は見えないからです。見えなかった取りこぼしを数字にすると、判断材料を1つ増やせます。ただし、その数字は触ったときの下落リスクまで数値化するものではありません。

この記事のまとめ

リライトが怖くて手が止まるのは、失敗だけが目に見える形で残り、何もしなかった結果は見えないからです。直して下がれば原因の候補が自分の行為に絞られた形で記憶に残りますが、直さずに取りこぼしたぶんは誰の目にも触れません。

この見え方の差が、実際のリスクの差と関係なく「触らない」を選ばせます。必要なのは勇気ではなく、見えていなかった触らない側の損失に数字を付け、判断材料を1つ増やすことです。その数字だけで、触る側のリスクまで確定できるわけではありません。

そのうえで、変更を元に戻せる範囲に限ると、失敗したときにかかる作業と、戻すまでの期間に上限がつきます。タイトルの文言は変更前を控えておけば同じ文字列に戻せますが、順位まで元に戻る保証ではありません。

リライトに踏み切れないとき、足りないのは勇気ではありません。見えていない「触らない側」の損失を、判断材料に入れることです。

この記事は、過去にリライトして順位が下がった経験があり、いま表示回数のあるページを触れずにいる人に向けて書いています。

読み終えると、これまで見落としていた「触らない」側の取りこぼしを数字にし、その日の判断材料を増やせるようになります。

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触らない側の取りこぼしを数字にし、判断材料を増やす
図は左右にスクロールして読めます。

失敗だけが記録に残り、何もしない側の損失は見えない

リライトして順位が下がると、出来事がはっきりした形で残ります。何日に何を変えたかが分かっていて、その後に数字が落ちた。原因の候補が自分の行為に絞られるので、記憶に残りやすくなります。

一方、直さなかった場合に何が起きるかというと、見た目には何も起きません。表示回数はあるのにクリックが取れていない状態が、先月と同じように続きます。先月と同じなので、そこで損が発生しているという感覚が生まれません。

つまり2つの選択肢は、結果の見え方が対等ではありません。片方は原因つきの痛みとして残り、もう片方は何事も無かったように見えます。

この差は、どちらの損が大きいかとは無関係に生まれます。だから実際には触ったほうが有利な場面でも、触らないほうが選ばれます。

比較項目「触って下がる」リスク「触らず放置する」リスク
結果の可視性順位下落として目に見える(痛みが残る)先月と同じ状態に見える(目に見えない)
原因の所在「自分が手を加えたせい」と自分に向く何もしていないため、自分の責任に感じない
発生する損失順位低下によるクリック減(一時的・可逆可能)本来取れるはずのクリックを取りこぼし続ける(累積)
判断の歪み過大に恐れられる(心理的ブレーキ)過小評価され、放置の口実になる

触らない側に数字を付ける

判断材料を増やすために、触らなかった場合に何を失っているのかを数字にします。使うのは、そのページが表示されている回数と、実際に取れているクリックの数です。

表示回数が出ているのにクリックが少ないページは、検索結果に並んでいるのに選ばれていない状態です。この状態が続くかぎり、毎月同じだけ取りこぼしが発生します。

取りこぼしの具体的な計算手順は 取りこぼしクリックの計算と、リライトの優先順位をスプレッドシートで出す手順にまとめました。順位ごとの期待値と実際のCTRの差から出せます。

数字が出ると、見えなかった「触らない側」にも判断材料ができます。ただし、これは触ったときに下がる可能性や損失を数字にしたものではありません。両方を同じ尺度で比べるのではなく、これまで見落としていた片側を判断に入れるための数字です。

直す記事と作業内容を決める

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失敗の大きさに上限をつける

もう1つできることがあります。変更を、元に戻せる範囲に限ることです。

変更には、戻せるものと戻しても同じにならないものがあります。この区別をしておくと、最悪の場合にどこまで失うかが着手前に決まります。

変更の種類元に戻せるか
タイトルの文言を変える変更前を控えておけば、同じ文字列に戻せる
本文の一部を書き換える控えておけば戻せる。控えていないと戻せない
URL(スラッグ)を変える戻すには転送の設定ごと戻す作業が要る。戻すまでの間の扱いは自分で制御できない
複数の記事を1本に統合する分割し直しても、元の状態にはならない
記事を削除する戻せない

上の2つに限れば、失敗したときの作業は「控えた文字列に戻す」だけになります。ここで上限がつくのは作業と、戻すまでの期間です。文字列を戻しても順位が同じ位置に戻るとは限らず、順位は他の要因でも動きます。それでも、怖さの対象がリライトという行為全体から、戻せない変更だけに絞られます。

実際に下がってしまったときの切り分けと戻し方は リライトで順位が下がったときの戻し方、判断は3〜4週間後に書きました。どのくらい待ってから判断するかも、そちらに書いています。

着手前のセルフチェック(3つの確認)

  • 1. 変更前の文字列を控えたか: タイトルや見出しを修正する前に、元のテキストをメモ帳や別ファイルに保存したか
  • 2. 触らない側の取りこぼしを認識したか: 直さないまま放置した場合に失われ続けるクリック(改善余地)の存在を確認したか
  • 3. 触る場所を1箇所に限定したか: 順位が動いたときに原因を特定できるよう、同時に複数ページや複数箇所を変えないと決めているか

変える前に損失の大きさを知りたい場合

タイトルを変えたときに、順位が1つ落ちるとどれだけのクリックを失うのかは計算できます。その計算と、キーワードを守ったまま変える手順は 記事タイトルを変えると順位が下がる?SEOキーワードを守る変更手順にあります。

この記事が扱っているのは、その計算をする前の段階、つまり比較そのものが成立していない状態のほうです。

この記事が当てはまらない場合

表示回数が少ないページを触るかどうかで迷っている場合は、怖さの問題ではありません。直しても効果を確かめられないので、判断の仕方が変わります。 リライトしないという判断はいつ正しいか、測れないページを触らない理由を参照してください。

サイト全体の移転やURL構造の変更を検討している場合も別の話になります。影響が個別ページに留まらないので、戻せる変更に限るという方針が使えません。

よくある質問

リライトして順位が下がる確率はどれくらいですか

確率は出せません。手元に集計したデータが無いためです。この記事で書いているのは確率ではなく、失敗したときに失う量に上限をつける方法になります。

変更前のタイトルは、どこに控えればいいですか

変更前の文字列が残っていれば、場所は問いません。テキストファイルでもメモアプリでも構いません。控える項目については リライトの記録は5項目で足りる、効果測定のやり方は変える前の数字で決まるにまとめています。

怖いので、表示回数の少ないページで練習してもいいですか

練習にはなりますが、効果の確認はできません。表示回数が少ないページは、直した後に数字が動いても、それが変更の効果か偶然かを判別できないためです。手順に慣れる目的なら有効です。

一度に複数のページを直してはいけませんか

ページごとの数字は分かれて出ます。ただし全ページを一度に触ると、触っていないページとの比較ができなくなります。サイト全体が同時期に下がったのか、自分の変更で下がったのかを切り分けるには、触らないページを残しておく必要があります。このサイトの診断カードも「今月は、ほかの記事を同時に直さない」を毎回出しています。分からなくなるのは、同じページの複数箇所を一度に変えたときも同じです。

まとめ

  • 怖さは「直して下がる」側にしか働かず、「直さないまま」の側には働かない
  • 直して下がれば「自分がやった」という形で記憶に残るが、取りこぼしは何も起きていないように見える
  • この見え方の差が、実際のリスク差と関係なく「触らない」を選ばせている
  • 対処は、見えなかった触らない側の取りこぼしを数字にし、判断材料を増やすこと
  • 取りこぼしの数字は、触ったときの下落リスクまで数値化するものではない
  • 変更を元に戻せる範囲(タイトルの文言など)に限ると、失敗の大きさに上限がつく
  • URLの変更・記事の統合・削除は、戻しても元の状態にはならない

取りこぼしの数字を出すところでつまずく場合

ここからは、私が作っているツールの宣伝です。触らない側に付ける数字、つまり取りこぼしの計算を自動でやるものを作りました。Search Consoleの「ページ」CSVを貼ると、順位に対してCTRが低いページが、改善余地スコア(表示回数 × 期待CTRとの差)の大きい順に並びます(「今は変更せず様子を見る」と出る行もあり、その行には触る場所もタイトル案も出ません)。この数は確認する順番を決めるための目安で、直せばその分クリックが増えるという意味ではありません。

出てくるのは、掲載順位4.0〜20.5位・表示回数100回以上で、実際のCTRが順位ごとの期待値を下回っているページだけです。順位を上げることも、下がらないことも約束する道具ではありません。出しているのは、いまどれだけ取りこぼしているかという見積もりです。表示回数100回以上のページが1本も無いサイトでは、候補が1件も出ません。その場合はまずSearch Consoleの期間を過去12か月(または16か月)に延ばして出し直してください。同じページの表示回数が積み上がって、条件に届くことがあります。それでも届かないなら、この道具の出番はまだありません。記事を増やすべきかどうかは、ページ単位のCSVだけでは決められません。候補が0件のときは、①掲載順位が4.0〜20.5位に入っていない、②表示回数が100回未満、③CTRがすでに期待値以上、④掲載順位が4.0位より上でCTRも高い、の4つの理由で何ページ外れたかの内訳が出ます。

判定と候補3記事の改善余地スコアの確認、そのうち1記事分の診断カードまでは無料です。有料は2,980円(税込)の買い切りで、判定に出た候補のうち今月確認する上位3記事分の診断カードが対象です(購入から7日間利用可能。候補が4件以上あっても診断カードは上位3件に絞ります)。月額課金や自動更新はありません。ログインも不要です。

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この記事を書いた人

みやこし

ブログのリライトで「どの記事を直すか」を数字で決めるSEOライター向けツールを作っています。 掲載順位ごとの平均クリック率、AI Overviewによるクリック減の補正、タイトルの直し方など。

noteQiitaZenn

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