この記事のまとめ
運営者情報とは、そのサイトを誰が運営し、誰が内容に責任を持っているかを読者に示すための記載です。私が確認した3つの文書——検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」(日本語版の最終更新日2025年12月18日)、「SEO スターター ガイド」、検索品質評価ガイドライン(2025年9月11日版)——には、「運営者情報ページを置くと検索順位が上がる」と読める記述は見つかりませんでした。明記されているのは「正確な著者の情報を追加することを強くおすすめします」という推奨までです。一方で品質評価ガイドラインは、決済を扱うページやYMYLの話題では「誰が責任を持っているかの情報が不十分ならLow評価」とし、非YMYLの個人サイトなら「メールアドレスかSNSへのリンクだけで足りることもある」としています。
結論から書きます。「運営者情報ページを作れば順位が上がる」という記述は、私が開いた公式ドキュメントの中には見つかりませんでした。
ただし「だから要らない」ではありません。Googleは著者情報について「強くおすすめします」と書き、品質評価ガイドラインは「誰が責任を持っているか」を何度も扱っています。順位の話と、評価の手引きが見ている話は別だ——これがこの記事の骨格です。
そのうえで、本名や住所を出さずに満たせる部分が思っているより広いことも書きます。
先に断っておくと、終盤には私が作ったツールの話が出てきます。その前に、一次情報で確認できたことだけを書きます。
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「順位が上がる」という記述は、3つの文書の中には見つかりませんでした
運営者情報とは、そのサイトを誰が運営し、誰が内容に責任を持っているかを読者に示すための記載です。著者情報はその一部で、そのページを書いたのが誰かを示す署名(バイライン)と、そこからたどれるプロフィールを指します。
まず「置くと順位が上がるのか」を確認しました。開いたのは検索セントラルの「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」と「SEO スターター ガイド」、検索品質評価ガイドライン(2025年9月11日版のPDF)の3つです。
この3つの中に、「運営者情報ページを置くと検索順位が上がる」と読める記述は見つかりませんでした。⚠️ これは「公式のどこにも無い」という意味ではありません。私が開いた3つの文書には書かれていなかった、という限定です。
そのかわり、はっきり書かれていたことがあります。検索セントラルの「誰が(コンテンツを作成したか)」という節です。
著者の情報が求められるであろうコンテンツでは、バイラインを記載するなどして正確な著者の情報を追加することを強くおすすめします。
英語版: "We strongly encourage adding accurate authorship information, such as bylines to content where readers might expect it."
同じ節には、自己点検用の問いが3つ並んでいます。「コンテンツの著者が誰であるかを明確にしていますか」「ページの然るべき場所にバイラインを記載していますか」「バイラインが著者や関係者についての詳細につながるものであり、その人たちのバックグラウンドや専門分野に関する情報をもたらすものになっていますか」の3つです。
3つ目に注目してください。署名があるだけでは足りず、そこから書き手の背景にたどり着けるかを問うています。これが「著者名を出す」と「著者情報を置く」の差です。
同じページの別の問いでは、信頼性を示す材料の例として「著者のページへのリンク、サイトの概要ページ」も挙がっています。それでも、確認できたのは推奨までです。
なぜ置くのか — 評価の手引きが見ているのは「誰が責任を持っているか」
ここが、この記事でいちばん書きたかったところです。
検索品質評価ガイドラインは、ページを見る前にまずサイトを理解しろという順番になっています。§2.5.2の書き出しが、それを直接書いています。
すべてのページはサイトに属しており、次のことが明確であるべきである。誰(どの個人・会社・事業・団体・政府機関など)がそのサイトに責任を持っているか。誰が、評価対象のページの内容を作ったか。
原文: "Every page belongs to a website, and it should be clear" に続けて、この2点が箇条書きで並びます。
⚠️ 但し書きを入れます。この文書は、検索の品質を人手で測るために雇われた評価者(Search Quality Rater)向けの手引きであって、順位の付け方を説明したものではありません。§0.1に「1つの評価が、特定のページ・サイト・検索結果のGoogle検索での見え方を直接左右することはなく、順位を上げたり下げたりさせることもできない」と明記されています。
それでも読む価値があるのは、採点する側が何を良いと見なすかの設計図だからです。この考え方の全体像はE-E-A-Tは個人ブログでどこまで作れるかの領分なので、ここでは運営者情報・著者情報という具体のページに絞ります。
では、なぜ「誰が」から見るのでしょうか。読み手は、その場で内容の真偽を検証できないからです。調べ直せない読者に残る手がかりは、書いたのが誰で、何を根拠にしているか、くらいしかありません。
ただしガイドラインは、自己申告をそのまま信じよとは書いていません。§2.5に「サイトや書き手が自分について言っていることと、評判のよい独立した情報源が言っていることが食い違うときは、独立した情報源を信じよ」とあります。
ここが構造の要です。運営者情報は自己申告なので、それ単体では材料の1つにしかならず、盛れば強くなるという作りになっていません。むしろ逆方向のブレーキがあります。§5.6は「サイトや書き手についての情報が誇張されている、あるいは軽度に誤解を招くと判断したら、Low評価を使う」とし、例として「訪問者を感心させるためだけに入れたように見える、経験や専門性の過大な主張」を挙げています。

つまり運営者情報は、置けば加点される欄ではなく、中身と食い違ったときに減点されうる欄として書かれています。テンプレートに肩書きを盛って埋める作業が空回りするのは、このためです。
足りないときの扱いも明確です。§4.5.1は「高い信頼を必要とするページでは、誰が内容を作り、誰が責任を持っているかの情報が決定的に重要」とし、§5.5は決済を扱うページやYMYLの話題で、責任者や作成者の情報が不十分ならLow評価としています。要求の強さは、ページの性質によって変わります。
個人ブログで書けること・書けないこと(本名と住所の話)
ここからが、身元を出したくない人に直接関わる部分です。品質評価ガイドラインは、匿名を頭から否定していません。
| 項目 | ガイドラインで確認できること | 注意 |
|---|---|---|
| 名前 | 「長く使っているハンドルネームやユーザー名は、コンテンツ作成者を識別しうる」(§5.5) | 使い捨てではなく、他の場所と同じ名前で |
| 連絡先 | 「非YMYLの話題の個人サイトなら、メールアドレスかSNSへのリンクだけで足りることもある」(§5.5) | 決済・YMYLでは要求が上がる |
| 住所・電話番号 | 「個人サイトは、自宅の住所や電話番号といった連絡先を省いてよい」(§2.5.3) | 販売しているなら別の話になる(下記) |
| 経歴・実績 | 誇張や軽度に誤解を招く記載はLow評価の理由(§5.6) | 盛るくらいなら書かないほうが安全 |
⚠️ ただし同じ§2.5.3は「必要な連絡先の種類と量は、サイトの種類によって変わる」とも書き、金銭を扱うサイトでは連絡先とカスタマーサービスの情報が極めて重要だ、と名指ししています。
販売している場合は、SEOとは別に法律の話になります。消費者庁の「特定商取引法ガイド」によると、通信販売の規制対象は「販売業者又は役務提供事業者」で、広告に表示する事項(法第11条)に「事業者の氏名(名称)、住所、電話番号」が含まれます。
つまりブログで物を売る、あるいは有料のサービスを提供しているなら、運営者情報とは別に特商法に基づく表記が要ります。なお同ガイドには、請求があれば遅滞なく書面(インターネット通信販売では電子メールでもよい)で提供する旨を広告に表示し、実際に提供できる措置を講じている場合は一部の事項を省略できる、とも書かれています(法第11条ただし書)。
⚠️ 売っていないブログがどう扱われるかは、広告の形や収益の得方によって変わります。ここは断定しません。自分が対象に当たるかは、消費者庁のページか専門家で確認してください。
置き方の選択肢は4つ。「1枚のページ」である必要はない
ページの名前や枚数の指定は、私が開いた文書には見当たりませんでした。§2.5.2は「たいていのサイトは、誰がサイトを所有しているかの情報を載せた『contact us』『about us』『about』のページを持っている」と書いていますが、これは評価者が情報を探しに行く場所の例であって、こう作れという指示ではありません。
選べるのは、だいたい次の4つです。どれか1つを選ぶのではなく、組み合わせる話です。
| 置き方 | 伝わること | 足りない点 |
|---|---|---|
| 記事末尾の署名(バイライン)だけ | そのページを誰が書いたか | 書き手の背景にたどり着けない |
| 著者プロフィールページ | 書き手の背景・専門分野 | サイトの責任者が別にいる場合はカバーしない |
| 運営者情報ページ | 誰がサイトに責任を持つか、どう連絡するか | 記事単位の「誰が書いたか」は別に要る |
| 特商法に基づく表記 | 法定の表示事項(販売・有料の役務提供がある場合) | 目的が法令対応。書き手の背景は伝わらない |
1人で書いているブログなら、著者プロフィールと運営者情報を1枚にまとめても矛盾しません。確認する順番はこうなります。①記事の署名から書き手の背景にたどり着けるか ②サイトに責任を持つ人と連絡手段が分かるか ③販売しているなら法定の表記があるか。
著者情報を機械可読な形で渡す話は構造化データは個人ブログに必要かの領分です。なお、ここまで整えても直すべき記事が決まるわけではないので、そちらは自分のサーチコンソールの数字で決めます。
Search ConsoleのZIPを読み込むと、候補の判定と1記事分の診断カードを無料で確認できます。登録は不要です。ZIPが無い場合は、診断カードの見本を確認できます。
このサイトでは、どこに何を置いているか
抽象論だけだと決めきれないと思うので、このサイトの実装を書きます。専用の「運営者情報」という1枚のページは作っていません。代わりに、次の場所に分けて置いています。
- 記事末尾の筆者情報。名前(ハンドルネーム)・何をしている人かの数行・note / Qiita / Zenn へのリンク。プロフィール文はnote側と同じ内容に揃えてあり、同じ人物が別のことを名乗っている状態にならないようにしてあります
- 機械可読な著者情報と、公開日・更新日。記事ページの構造化データ(BlogPosting)に著者をPerson・発行元をOrganizationとして入れ、日付は本文の先頭にも出しています
- 限界を公開したページ。「推定の根拠と限界」で、期待CTRの出どころ(seoClarityの2021年調査・日本市場)と、解決できていない点を並べています。数値はコードから読み込んでいるので、実装を変えるとページの数字も一緒に変わります
- 出典と照合日をコードに残す。期待CTRを定義したファイルに、出典のURL・いつ全文を突き合わせたか・以前そこに書いていた記述が誤りだったという訂正まで書き込んであります
そして販売しているので、特定商取引法に基づく表記は別のページに置いています。そこには氏名を出し、所在地と電話番号は「請求があれば遅滞なく開示する」という書き方にしています。
結果として、記事の署名はハンドルネーム、法定の表記は本名という形になりました。要求している主体が違うので、揃える必要がありません。
目的は「運営者情報という名前のページを1枚作ること」ではなく、「誰が責任を持っているかが読者に見えること」です。
よくある質問
運営者情報ページを作れば、検索順位は上がりますか
私が開いた3つの文書には、「上がる」と読める記述は見つかりませんでした。明記されているのは「正確な著者の情報を追加することを強くおすすめします」という推奨までです。⚠️ これは「効果が無い」ではなく「順位が上がるとは書かれていない」という意味です。品質評価ガイドラインは評価者向けの文書で、§0.1に「1つの評価が検索での見え方を直接左右することはない」と明記されています。
本名や住所を書かないと、評価されませんか
非YMYLの個人サイトなら、必須とはされていません。§5.5は「長く使っているハンドルネームは書き手を識別しうる」「メールアドレスかSNSへのリンクだけで足りることもある」とし、§2.5.3は「個人サイトは自宅の住所や電話番号を省いてよい」としています。ただし販売や有料の役務提供をしているなら、特商法に基づく表記が別途要ります(表示事項に事業者の氏名・住所・電話番号が含まれます)。売っていない場合の扱いは事情によって変わるので、断定しません。
著者情報は、記事の末尾とプロフィールページのどちらに置くべきですか
どちらかを選ぶ話ではありません。検索セントラルの問いは「バイラインが書き手の背景につながっているか」なので、署名からプロフィールにたどり着ければ形は問われていません(私が開いた文書に、ページ名や枚数の指定は見当たりませんでした)。1人で書いているブログなら、記事末尾の数行と外部プロフィールへのリンクで答えられます。
まとめ
- 運営者情報とは、そのサイトを誰が運営し、誰が内容に責任を持っているかを読者に示す記載。「置くと順位が上がる」という記述は、私が開いた3つの文書には見つからなかった(公式全体に無い、という意味ではありません)
- 確認できたのは推奨まで。検索セントラルは「正確な著者の情報を追加することを強くおすすめします」とし、バイラインから書き手の背景にたどり着けるかを問いに挙げている
- 品質評価ガイドラインは「誰がサイトに責任を持ち、誰が内容を作ったか」が明確であるべきとするが、これは評価者向けの文書で、§0.1に「1つの評価が順位を動かすことはない」と明記されている
- 盛れば強くなる作りではない。自己申告は独立した情報源より優先されず、誇張や誤解を招く記載はLow評価の理由として名指しされている
- 個人ブログなら長く使っているハンドルネームと、メールアドレスかSNSリンクで足りることがある。ただし決済・YMYLは要求が上がり、販売しているなら特商法に基づく表記が別途要る
- 置き方は署名・著者プロフィール・運営者情報ページ・特商法の表記の4つ。1枚のページを作ることではなく、誰が責任を持っているかが見えることが目的
ここから先は、私が作ったツールの話です。
この記事で書いた「出典と照合日を残す」「限界を公開する」を自分のサイトでやりながら、直す記事を数字で決めるツールを作っています。サーチコンソールのエクスポートをZIPのまま落とすだけで、掲載順位4.0〜20.5位・表示回数100回以上のページに絞り、改善余地スコア(表示回数 × 期待CTRとの差)の大きい順に並べます。判定と候補3記事の改善余地スコアの確認、そのうち1記事分の診断カードまでは無料で、残りの診断カードが2,980円(税込)の買い切りです。月額課金や自動更新はありません。ログインも不要です。CSVファイルそのものはブラウザの外に出ません(診断カードを出すときに選んだ1ページのURL・数値・入力したキーワードを、「ページタイトルを取得する」を押したときに判定に出たページのURLを最大10件送ります)。
⚠️ 向かない人がいます。このツールは運営者情報や著者情報が置かれているかを判定しません。誰が書いたかが出ているか、連絡手段があるか、経歴が誇張されていないか——どれも数値化していないので、この記事に書いた作業を代行するものではありません。扱えるのはタイトルとディスクリプションで取りこぼしているクリックだけです。表示回数が2桁で止まっているブログでは、判定できるページが出ません(私自身のブログは0件でした)。
Search ConsoleのZIPを読み込むと、候補の判定と1記事分の診断カードを無料で確認できます。登録は不要です。ZIPが無い場合は、診断カードの見本を確認できます。

