この記事のまとめ
ブログの順位が上がらない理由は、3つの層に分かれます。 ①そもそも検索結果にほとんど出ていない、②出ているが下位で止まっている、 ③上位に出ているのにクリックされない、の3つです。③は順位の問題ではありませんが、多くの人がこれを①②と混同して、タイトルばかり直しています。自分がどの層かは、サーチコンソール(Search Console)の表示回数と平均掲載順位の2つで分かります。目安は表示回数100回未満なら①、100回以上で11位以降なら②、100回以上で4〜10位なら③の候補です。 ③かどうかは、実CTRを順位ごとの期待CTR(AI Overview補正後で4位3.15%、 8位1.52%、10位1.19%)と比べて判断します。層が違えば効く手はまったく違います。
「ブログの順位が上がらない」と言うとき、じつは3つの違う状態が同じ言葉で呼ばれています。
そして層が違うと、効く手がまったく違います。いちばん多い取り違えが、「上位には出ているがクリックされていない」状態を「順位が低い」と読み違えて、本文を書き足し続けてしまうケースです。逆に、下位で止まっているページのタイトルだけを何度も直すのも同じ取り違えの裏返しです。
自分がどの層にいるかは、サーチコンソールの表示回数と平均掲載順位を見れば 1分で分かります。専門的な計算は要りません。
この切り分けをCSVから自動でやるツールも作りましたが、先に切り分け方そのものを書きます。ここが分かっていないと、出てきた結果の意味が分かりません。
Search ConsoleのZIPを読み込むと、候補の判定と1記事分の診断カードを無料で確認できます。登録は不要です。ZIPが無い場合は、診断カードの見本を確認できます。
なぜ「順位が上がらない」が3層に分かれるのか
原因が3層に分かれるのは、検索から人が来るまでに、独立した3つの関門があるからです。
① 検索結果に出るか → 表示回数になる ② 何位に出るか → 掲載順位になる ③ そこでクリックされるか → CTR になる クリック数 = 表示回数 × CTR
3つの関門は順番に並んでいて、前が通っていないと後ろは評価できません。検索結果に出ていないページの「順位」を議論しても意味がなく、 30位のページの「クリック率」を議論しても意味がありません。
にもかかわらず、私たちが目にするのはいちばん最後の「クリック数」という1個の数字だけです。アクセスが増えないという体験は、3層のどこで詰まっていても同じ形で現れます。結果が同じ形をしているせいで、原因が違うことに気づけない。これが取り違えの構造です。
もうひとつ、言葉の問題があります。「順位が上がらない」の「順位」は、2つの意味で使われています。
- 検索結果での位置(本来の意味) — 動かすのは本文の中身
- アクセスが増えないこと全般(実際の使われ方) — 原因は3層のどこか
後者の意味で「順位が上がらない」と言っている人に、前者の対策(=本文を厚くする)を当てても効きません。先に、自分がどの意味で困っているかを確定させる必要があります。
サーチコンソールで、自分の層を1分で判定する
使うのは2つの数字だけです。表示回数と平均掲載順位。サーチコンソールの「検索パフォーマンス」を開き、「ページ」タブに切り替えて、表示回数の多い順に並べてください。
| 表示回数 | 平均掲載順位 | 層 | 効く手 |
|---|---|---|---|
| 100回未満 | —(見ない) | ①出ていない | インデックス確認・キーワード選び・記事を増やす |
| 100回以上 | 11位以降 | ②下位で止まっている | 本文の中身(網羅性・検索意図との一致) |
| 100回以上 | 4〜10位 | ③クリックされていない | タイトルと説明文。ただし期待CTRと比べてから |
| 100回以上 | 3位以内 | — | もう取れている。触らない |

表示回数から先に見るのがポイントです。順位やCTRから見ると、そもそも判断材料が足りていないページに時間を使ってしまいます。
ひとつ注意があります。平均掲載順位は、そのページが出ているすべての検索語をまたいだ平均です。「平均12位」でも、3位の検索語と40位の検索語が混ざっているだけ、ということがあります。層の判定を大きく外していそうなときは、「クエリ」タブでどの検索語で出ているかを見てください。
層①:検索結果にほとんど出ていない
表示回数が2桁で止まっているページです。この層では、順位もCTRも判断材料になりません。
理由は単純で、数が少なすぎて偶然で振れるからです。表示17回のページは、クリック0回なら実CTR0%、1回なら5.9%になります。クリック1個で評価がひっくり返る数字を根拠に、直す場所は決められません。
この層でやることは、リライトではありません。
- そもそもインデックスされているかを確認する
- 誰も検索していないキーワードで書いていないかを見直す
- 記事を増やす(判断できるページの母数を作る)
- サーチコンソールのエクスポート期間を長く取る(期間が短いだけで表示回数が少なく見えていることがあります)
インデックスの確認手順はサーチコンソールでインデックスを確認する方法に、表示回数が少ない段階で何から手を付けるかは表示回数が少ないブログで、リライトする記事をどう決めるかに分けて書いています。
層②:出ているが下位で止まっている
表示回数はあるのに、平均掲載順位が11位以降のページです。ここが唯一、「本当に順位が上がらない」層です。
この層でタイトルを直しても、クリックはほとんど増えません。そもそも見られていないからです。 11位以降は2ページ目以降なので、タイトルの前に「そこまでスクロール・ページ送りされるか」という関門が挟まります。
参考までに、seoClarity「2021 CTR Study」の日本市場データでは、1位の平均CTRが13.94%(補正前の生値)なのに対して、11位は1.03%(同じく生値)です。桁がひとつ違います。そして12位から11位に上げても、クリック数はほぼ動きません。この帯では、順位を1つ2つ動かしても結果が変わらないということです。
つまりこの層の打ち手は、10位以内に入れることです。そのために動かすのは本文の中身で、具体的には検索意図とのズレと足りていない論点です。
11位以下でCTRが横ばいになる理由と実測値は11位以下のCTRはなぜ横ばいなのかにまとめています。
層③:上位に出ているのにクリックされない
表示回数があり、平均掲載順位も4〜10位。それなのにクリックが少ないページです。
この層は「順位が上がらない問題」ではありません。順位はもう取れています。取れていないのは、検索結果でのクリックだけです。ここで本文を書き足しても、たいてい数字は動きません。
判定には、順位ごとの期待CTRを使います。 CTRは絶対値では判断できません。4位と10位では、期待値がそもそも違うからです。
この層に入ったあと、順位帯ごとに何が効くのかと、順位別の期待CTRの一覧は 検索順位を上げる方法は順位帯で変わるにまとめました。この記事は層の切り分け、あちらは帯ごとの打ち手という分担です。
層を取り違えると、どうなるか
よくある取り違えを、効かない理由つきで並べます。
| 本当の層 | やりがちな手 | 効かない理由 |
|---|---|---|
| ①出ていない | タイトルを何度も書き直す | 検索結果に出ていないので、タイトルが見られていない |
| ①出ていない | 本文を大幅に書き足す | インデックスされていなければ、何を書いても評価されない |
| ②下位で止まっている | タイトルを直す | 2ページ目以降はそもそも見られる回数が少ない |
| ③クリックされていない | 本文を書き足す | 順位はもう取れている。増やす余地はCTR側にある |
| ③クリックされていない | 新記事を量産する | 目の前に取りこぼしがあるのに、母数を増やしている |
どれも「作業としては正しい」ものばかりなのが厄介なところです。間違っているのは作業の中身ではなく、当てる先です。
候補が複数出たときの並べ方は、CTRの差そのものではなく、差に表示回数を掛けた「改善余地スコア」の大きい順です。差だけで並べると、表示回数の少ないページが上位に来ます。式と手順は 自分のブログのCTRは平均より低いのかにまとめました。
層の切り分けから並べ替えまでを 自動でやるツールも作りました。詳しくは最後に書きます。
Search ConsoleのZIPを読み込むと、候補の判定と1記事分の診断カードを無料で確認できます。登録は不要です。ZIPが無い場合は、診断カードの見本を確認できます。
よくある質問
記事を公開してから、どれくらいで順位が付きますか
期間で断定はできません。Google は新しいサイトや変更に気付くまでに数週間かかる場合があると案内しています。ただし待っていても表示回数が増えないなら、それは待ち時間の問題ではなく層①の問題です。まずインデックスされているかを確認してください。
表示回数は多いのに順位が上がりません。中身が悪いのでしょうか
平均掲載順位が何位かで答えが変わります。11位以降なら中身(層②)、4〜10位ならもう順位は取れているので問題は中身ではなくクリックのほう(層③)です。「順位が上がらない」と感じていても、実際には上がっていることがあります。
3つの層は同時に起きませんか
サイト全体で見れば同時に起きます。ただし判定はページ単位で行うので、1ページはどれか1つの層に入ります。サイト単位で「うちは中身が弱い」と決めつけると、層③のページを見落とします。必ずページごとに切り分けてください。
まとめ
- 「ブログの順位が上がらない」は3層に分かれる。 ①出ていない ②下位で止まっている ③クリックされていない
- 切り分けに使うのは表示回数と平均掲載順位の2つだけ。サーチコンソールの「ページ」タブで足りる
- 表示回数100回未満は層①。順位もCTRも判断材料にならない
- 11位以降が層②で、ここだけが本当の「順位」の問題。動かすのは本文の中身
- 4〜10位は層③の候補。順位の問題ではないので、実CTRを順位ごとの期待CTRと比べて判断する
- 直す順番は差の大きさではなく、表示回数を掛けた改善余地スコアで決める
直し方を増やすより、当てる先を1回間違えないほうが早いと思っています。表示回数を先に見るだけで、当てる先はだいたい決まります。
ここから先は、私が作ったツールの話です。
この記事に書いた切り分けを自動でやるツールを作りました。サーチコンソールのエクスポートをZIPのまま落とすだけで使えます(解凍もファイル選びも要りません。Excelの .xlsx は読めないので、CSVで出し直してください)。判定に載せるのは掲載順位4.0〜20.5位、かつ表示回数100回以上のページで、改善余地スコアの多い順に並びます。 11位以降のページには「本文確認候補」と出るので、層②と層③がその場で分かれます。判定と候補3記事の改善余地スコアの確認、そのうち1記事分の診断カードまでは無料で、残りの診断カードが2,980円(税込)の買い切りです。月額課金や自動更新はありません。ログインも不要です。
CSVファイルそのものはブラウザの外に出ませんが、診断カードを出すときだけ、選んだ1ページぶんの数値(URL・キーワード・掲載順位・表示回数・CTR)を送ります。タイトル取得ボタンを使うと、最大10件のURLを送ります。
⚠️ ただし絞り込みに使えるのは掲載順位と表示回数の2つだけです。公開日や記事の長さでは絞れません。そして層①のページは判定に出ません。表示回数100回未満は数字が偶然で振れるためです。まだ記事を増やす段階のブログには、このツールは向きません。
Search ConsoleのZIPを読み込むと、候補の判定と1記事分の診断カードを無料で確認できます。登録は不要です。ZIPが無い場合は、診断カードの見本を確認できます。

