この記事のまとめ
ChatGPTやClaudeに記事を貼ってリライトを頼んでも一般論しか返らないのは、プロンプトの書き方ではなく、渡している情報が足りないからです。AIは、その記事が検索で何位で、何回表示され、どれだけクリックされているかを知りません。掲載順位・表示回数・実CTR・狙う語の4つを書き添え、その前にどの記事を渡すかを数字で決めると、記事固有の改善案が返ります。
記事をまるごとChatGPTに貼って「SEOに強くリライトして」と頼んだことがあると思います。返ってきたのは、たぶんこんな内容ではないでしょうか。
- 結論を先に書きましょう
- 見出しを分かりやすく整理しましょう
- 関連キーワードを自然に含めましょう
- 読者の悩みに寄り添いましょう
どれも正しいのですが、あなたの記事について言っていることが1つもありません。同じ答えは、他人のどの記事を貼っても返ってきます。
これはプロンプトが下手だからではありません。AIに判断材料を渡していないからです。順に書きます。
渡す材料は自分のサーチコンソールから取れます。実際の手順では、先にどの記事を渡すかを決めてから材料を集めます。ただし、なぜ材料が要るのかを知らないと出力の読み方を間違えるので、読む順序としては構造から書きます。
Search ConsoleのZIPを読み込むと、候補の判定と1記事分の診断カードを無料で確認できます。登録は不要です。ZIPが無い場合は、診断カードの見本を確認できます。
ChatGPTのリライトで一般論しか返らない理由
AIは、あなたが渡したものしか見ていません。記事本文を貼れば本文は読めますが、その記事が検索でどう扱われているかは分かりません。
具体的には、次の情報がAI側に無い状態です。
| AIが知らないこと | 知らないと何が起きるか |
|---|---|
| この記事の掲載順位 | タイトルを直すべきか、本文を足すべきかを選べない |
| 表示回数 | そもそも直す価値があるページかを判断できない |
| 実際のクリック率 | タイトルが機能しているかどうかが分からない |
| 狙っているキーワード | 誰に向けた記事なのかを本文から推測するしかない |
この4つが無い状態で「良くして」と言われたAIは、どの記事にも当てはまる改善案を出すしかありません。一般論が返るのは、AIの性能ではなく入力の問題です。
逆に言えば、この4つを書き添えるだけで出力は変わります。プロンプトの言い回しを凝るより効きます。
AIに任せてよい工程と、任せられない工程
リライトは1つの作業ではなく、いくつかの工程に分かれています。AIが得意なのは後半だけです。
| 工程 | AIに任せられるか | 理由 |
|---|---|---|
| ① どの記事を直すか選ぶ | 任せられない | 100本の記事を全部渡せない。選定はサーチコンソールの数字が決める |
| ② どこを直すか決める | 数字を渡せば任せられる | 順位とCTRが分かれば、タイトル側か本文側かを切り分けられる |
| ③ 案を出す | 任せられる | タイトル案・見出し案は数を出せるほうが有利 |
| ④ 事実を確認する | 任せられない | AIが書いた数字や固有名詞は、自分で一次情報にあたる必要がある |
| ⑤ 公開して結果を見る | 任せられない | 変更前の数字を控えるのは人の仕事 |
詰まるのはほぼ①です。「AIにリライトさせたい」と思った時点では、どの記事を渡すかが決まっていません。手当たり次第に貼っても、直す価値の無いページを直してしまいます。
①の決め方は、順位と表示回数の組み合わせで決まります(サーチコンソールでリライト記事をどう選ぶ?)。
リライトのプロンプトに書き添える4つ
リライト用のプロンプトとは、既存記事の検索実績(掲載順位・表示回数・実際のクリック率)と狙っているキーワードを添えて、AIに改善案を出させる指示文のことです。書き添えるのは、狙っているキーワード・掲載順位・表示回数・実際のクリック率の4つ。直す記事が決まったら、その記事の数字をサーチコンソールから拾って書き添えます。
以下の記事を改善したい。 狙っているキーワード: ○○○ 掲載順位: 8.0位 表示回数: 1,200回(過去12か月) 実際のクリック率: 0.5% この順位の平均クリック率は1.52%なので、 順位のわりにクリックされていない状態。 タイトルとディスクリプションを中心に、 検索結果で選ばれるための案を出してほしい。 (ここに記事本文を貼る)
ポイントは最後の2行です。「タイトル中心で」と方向を指定しています。この指定ができるのは、順位が1ページ目にあってCTRだけが低い、と数字から分かっているからです。
11位より下のページなら、指定は逆になります。順位そのものが足りていないので、見出しと本文の不足を埋める方向になります(見出しのリライトが効くのは11位より下のページ)。
⚠️ 上の1.52%は、seoClarity「2021 CTR Study」の日本市場の実測値を、AI Overview によるクリック減で順位別に補正した値です。出典そのままの実測値ではありません。1位から20位までの一覧と補正の中身は掲載順位別のCTR平均一覧にあります。
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万能プロンプトを配らない理由
この記事では「これをコピペすればOK」という完成品を配りません。配れないからです。
良いプロンプトは記事ごとに違います。順位が違えば直す場所が変わり、狙う語が違えば読者が変わり、表示回数が違えばそもそも直す価値が変わります。全部に効く1つの文面があるなら、それはどの記事にも合っていないということです。
配れるのは型のほうです。「狙う語 + 順位 + 表示回数 + 実CTR + 方向の指定 + 本文」。上で書き添えた4つに、方向の指定と本文を足した6つの枠です。ここを埋めれば、記事ごとに違うプロンプトが出来上がります。
AIの出力をそのまま使わないための3つ
数字を渡しても、返ってきたものを検算せずに公開するのは危険です。最低限これだけは確認してください。
- 数字と固有名詞を自分で確かめる。AIは実在しない出典や古い料金を書くことがあります
- もともとあった内容が消えていないか見る。「整理」の名目で、順位を取っていた節が削られることがあります(リライトでやってはいけない5つ)
- 一度に1箇所だけ反映する。タイトルと見出しと本文を同時に入れ替えると、何が効いたか分からなくなります
3つ目は特に効きます。AIは一度に全部書き換えた案を出してきますが、採用するのは1箇所だけにすると、次の記事に持ち越せる知見が残ります。
この方法が向かない人
ブログを始めたばかりで、まだ検索データがほとんど無い場合は、この記事の方法は使えません。渡す数字が無いからです。
表示回数が全ページ2桁の段階では、順位もCTRも偶然で振れるので、渡しても判断材料になりません。その時期にやるのは記事を増やすことで、リライトではありません(リライトと新規記事はどっちを優先すべきか)。
また、AIに文章そのものを書かせたい人にも向きません。ここで書いたのは既存記事を直すときの指示の出し方で、新規に書かせる話とは別です(AI記事作成はSEOで評価されるか)。
よくある質問
ChatGPTとClaude、どちらが記事のリライトに向いていますか
この記事の主張は、どちらを選ぶかより、何を渡すかのほうが結果を左右するというものです。同じ4つの情報を渡せば、どちらでも記事固有の答えが返ってきます。渡さなければ、どちらでも一般論が返ります。
記事本文をAIに貼るのは問題ありませんか
自分が書いた記事であれば、自分の判断で貼れます。ただし他人の記事や、公開前の非公開情報を貼るのは別の問題になります。利用しているサービスの規約と、貼る内容の権利関係は自分で確認してください。
狙っているキーワードが分からない場合はどうしますか
サーチコンソールの「クエリ」タブで、そのページが実際に拾っている語を見ます。ただし画面から落とすCSVでは、クエリとページが繋がりません(クエリとページの違い)。ページ単位で見たいときは、検索パフォーマンスでそのページに絞り込んでからクエリを見てください。
AIが出したタイトル案をそのまま使っていいですか
使う前に、末尾に付くサイト名を含めた長さを確認してください。WordPressは既定でタイトルの後ろにサイト名を足すので(テーマやSEOプラグインで外せます)、その分だけ検索結果で切れます。自分のページがどう出ているかは、Googleで検索して表示される見出しを見れば確かめられます(記事タイトルの文字数は何文字が適切か)。
AIで直した記事は、AI検索に引用されにくくなりますか
誰が書いたかで引用されやすさが決まるという公式の記述は確認できていません。引用される側の条件はLLMO(AEO)とはにまとめました。
まとめ
- 一般論しか返らないのは、プロンプトの書き方ではなく渡す情報の問題。AIは検索の実績を見ていない
- 書き添えるのは4つ。狙う語・掲載順位・表示回数・実CTR
- その前にどの記事を渡すかを決める工程がある。ここはAIに任せられない
- 万能プロンプトは存在しない。配れるのは型だけ
- 出力は検算する。採用するのは1箇所だけにすると次に持ち越せる
ここまでの手順は、サーチコンソールとスプレッドシートを往復すれば手作業でできます。費用はかからず、出来上がるプロンプトの型も同じです。往復の回数を減らしたい場合の選択肢として、次に自分で作ったツールの話を書きます。
ここから先は、私が作ったツールの話です
上に書いた①(どの記事を渡すか)と、②に必要な数字(掲載順位・表示回数・実際のクリック率)の取り出しを自動でやるのがリライトレーダーです。狙っているキーワードだけは自分で入力します。ページCSVにはクエリの列が無いためです。
Search Console の「ページ」CSVをZIPのまま渡すと、掲載順位4.0〜20.5位・表示回数100回以上のページだけを拾い、改善余地スコアの大きい順に並べます。選んだページについては、そのままChatGPTやClaudeに貼れる指示文(300字以内・その記事固有の不足点を織り込んだもの)も一緒に出します。この記事で書いた型を、数字を埋めた状態で受け取れる形です。
読み込みと判定はブラウザの中で完結するので、CSVファイルそのものはブラウザの外に出ません(診断カードを出すときに選んだ1ページのURL・数値・入力したキーワードを、「ページタイトルを取得する」を押したときに判定に出たページのURLを最大10件送ります)。
判定と候補3記事の改善余地スコアの確認までは無料です。有料は2,980円(税込)の買い切りで、判定に出た候補のうち今月確認する上位3記事分の診断カードが対象です。月額課金や自動更新はありません。
Search ConsoleのZIPを読み込むと、候補の判定と1記事分の診断カードを無料で確認できます。登録は不要です。ZIPが無い場合は、診断カードの見本を確認できます。

