この記事のまとめ
サーチコンソール(Search Console)とアナリティクス(Google アナリティクス)の数字は、合わないのが正常です。測っている対象が違うからです。サーチコンソールが数えるのは「Google 検索の検索結果でクリックされた回数」、アナリティクスが数えるのは「ページが読み込まれた回数(検索以外の流入も含む)」です。 Google 自身も両者が食い違う理由として、プライバシー・処理・タイムラグ(通常2〜3日)・タイムゾーン(太平洋時間)・JavaScriptの5つを公式ヘルプに挙げています。どちらを信じるかではなく、何を知りたいかで使い分けます。検索での見え方とリライトの判断はサーチコンソール、読まれ方と全体の流入はアナリティクスです。
サーチコンソールのクリック数と、アナリティクスのページビュー。並べると数字が違います。これは、どちらかが壊れているわけではありません。
そもそも数えている対象が違います。だから一致しません。近づけることはできますが、完全に一致させることはできません。この記事では、なぜズレるのかを構造として並べたうえで、どちらをどの判断に使うかまで書きます。
「結局どの記事を直せばいいのか」だけ知りたい場合は、サーチコンソールのCSVから判定する方法もあります。ただ、ズレの理由を先に知っておくと、数字を見て迷う回数が減ります。
Search ConsoleのZIPを読み込むと、候補の判定と1記事分の診断カードを無料で確認できます。登録は不要です。ZIPが無い場合は、診断カードの見本を確認できます。
サーチコンソールとアナリティクスは、そもそも別のものを数えている
ここが分かれば、あとの話は全部その系列です。2つのツールは、測っている場所が違います。
| サーチコンソール | アナリティクス | |
|---|---|---|
| 測っている場所 | Google の検索結果ページ | 自分のサイトの中 |
| 数える瞬間 | 検索結果のリンクがクリックされた時点 | ページが読み込まれた時点 |
| 対象になる流入 | Google 検索の検索結果からのクリックだけ | SNS・メルマガ・他サイト・直接アクセスも全部 |
| そこにしか無い数字 | 表示回数・掲載順位・検索キーワード | 滞在時間・回遊・コンバージョン |
右側の数字が順位に効くのか(滞在時間を伸ばせば順位が上がるのか)は、数字が合う・合わないとは別の論点です。そちらは滞在時間や直帰率はSEOに効くかに分けて書きました。
Google の公式の定義でも、サーチコンソールのクリック数は「ユーザーが Google 検索の検索結果からサイトをクリックした回数」です。一方、アナリティクス(GA4)のページビューは「ページが読み込まれるたび」に記録されるイベントとして定義されています。
この2つの間には、すき間があります。クリックしてから、ページが読み込まれるまでの間です。そして、アナリティクス側には検索以外の入口が全部乗っています。ズレはこの2つの方向から生まれます。

重なっている部分ですら、ぴったりは一致しません。その理由を、次に6つに分けて並べます。
数字が合わない6つの理由
Google 自身が、サーチコンソールと他のツール(アナリティクスなど)でデータが違う理由を公式ヘルプに列挙しています。それに、URLの数え方の違いを足したものが次の6つです。
1. 数える瞬間が違う(クリック時点 vs 読み込み時点)
サーチコンソールは検索結果でクリックされた時点で1回と数えます。アナリティクスはページが読み込まれた時点で1回と数えます。
ということは、こういうことが起きます。
- クリックしたけど、表示される前に戻った — サーチコンソール側だけが増えます
- 読み終えたあとブラウザの戻るで戻り、また同じページを開いた — アナリティクス側だけが増えることがあります
- 1つの記事を読んでいる途中でURLが切り替わる作り — GA4のページビューは「閲覧履歴のステータスが変更されたとき」にも記録される仕様なので、 1回の訪問で複数回記録されることがあります
2. 検索以外の流入が、アナリティクス側にだけ入る
アナリティクスの数字を全流入のまま見ていると、 SNSからの流入も、自分でブックマークから開いたぶんも、自分でスマホから確認したぶんも入っています。
比べるなら、アナリティクス側を「オーガニック検索」に絞ってからです。絞らずに「サーチコンソールより多い」と言っても、それは当たり前の話になります。
ただし絞っても一致はしません。アナリティクスの「オーガニック検索」にはGoogle 以外の検索エンジン経由も含まれますが、サーチコンソールが数えているのは Google 検索の検索結果だけだからです。
3. URLの粒度が違う(リダイレクトと正規URL)
ここは見落とされやすいところです。サーチコンソールの「ページ」は、リダイレクト後の最終的なURLでまとめられます。さらに、同じ内容のURLが複数ある場合、クリックは「正規URL」のほうに数えられます(実際にユーザーが通ったURLではありません)。これは Google の公式ヘルプに明記があります。
一方でアナリティクス側は、記録されるURLにパラメータ(?から後ろの文字列)が付いたままのことがあります。 SNSのシェアリンクやメール経由のリンクには、よくパラメータが付いています。
結果として、サーチコンソールでは1行のページが、アナリティクスでは複数行に散るということが起きます。ページ単位で突き合わせているのに数が合わないときは、まずここを疑ってください。
4. 検索回数がとても少ないキーワードは、サーチコンソールから除かれる
Google は、ユーザーのプライバシー保護のため検索回数が非常に少ないクエリを検索パフォーマンスレポートから除外していると公式に書いています。
影響が出やすいのはキーワード単位で足し算したときです。「クエリ」タブの数字を全部足しても、グラフに出ている合計に届かないことがあります。足りないぶんは、消えたのではなく、名前を伏せられているだけです。
クエリとページの関係そのものは別記事にまとめています →サーチコンソールのクエリとページの違い
5. 日付の切れ目と、反映の速さが違う
サーチコンソールのパフォーマンスレポートは、24時間ビューを除き太平洋時間(PT)で日付を区切っています。公式ヘルプに明記があります。
日本時間との差はおよそ16〜17時間(向こうの夏時間で1時間動きます)。つまりサーチコンソールの「8月14日」は、日本時間だと8月14日の夕方から8月15日の夕方あたりを指しています。アナリティクス側を日本時間で見ているなら、そもそも同じ1日を比べていません。なお24時間ビューだけはブラウザのローカル時間で表示されます(公式ブログに明記があります)。この画面の使いどころは「24時間」ビューは何に使えるかにまとめています。
反映の速さも違います。Google は、収集されたデータが使えるようになるまで通常2〜3日と書いています。直近の日付には暫定値(グラフでは点線)が出ることもあります。昨日の数字で比べると、サーチコンソール側だけが少なく見えます。
期間の揃え方そのものは別記事に書いています →サーチコンソールの期間比較で間違えやすいこと
6. アナリティクスは、タグが動いたときしか数えられない
Google の公式ヘルプにも「Google アナリティクスなど一部のツールでは、ブラウザで JavaScript を有効にしているユーザーのトラフィックのみがトラッキングされます」と書かれています。
裏を返すと、計測タグが実行されなければ、アナリティクスには記録が残りません。同意バナーで計測を断られた場合や、タグの入れ忘れ、読み込みが終わる前の離脱も同じです。
サーチコンソール側は、サイトの外(Google の検索結果)で数えています。サイト側のタグの状態とは関係がありません。ここが、2つのツールで最も性質が違うところです。
「正常なズレ」と「設定のミス」を見分ける
ここまでの6つは、全部正常なズレです。では、いつ疑えばいいのか。順番に潰すのが早いです。
- 期間を揃える — サーチコンソールは太平洋時間で、反映に2〜3日。直近数日を含めて比べていないか
- アナリティクス側を「オーガニック検索」に絞る — 全流入のまま比べていないか
- URLの粒度を揃える — パラメータ違いが別行になっていないか、リダイレクト前のURLで見ていないか
- それでも桁が違うなら、設定を疑う — サーチコンソールにはクリックが数百あるのに、アナリティクスの検索流入がほぼゼロ。このときはタグが入っていないページがあるか、見ているプロパティが違う可能性があります
逆に言うと、1〜3をやったうえで残る差は、追いかけても答えが出ません。Google 自身が「理由はいくつかあります」と列挙している性質のものだからです。ここで止めるのが、いちばん時間を節約できます。
どちらを信じるかではなく、何を見たいかで使い分ける
「正しいのはどっちか」という問いの立て方が、そもそも外れています。知りたいことによって、答えを持っているツールが決まっています。
| 知りたいこと | 見るツール | 理由 |
|---|---|---|
| どんな言葉で検索されているか | サーチコンソール | アナリティクスにキーワードの列が無い |
| 検索結果に何回出たか(表示回数) | サーチコンソール | クリックされなかったぶんはサイトに来ていない |
| 何位に出ているか | サーチコンソール | 順位は検索結果側の情報 |
| どの記事をリライトするか | サーチコンソール | 表示回数と順位が無いと、伸びしろが分からない |
| 読まれ方(滞在・回遊・離脱) | アナリティクス | サイトの中の動きは検索結果側から見えない |
| SNSやメルマガも含めた全体 | アナリティクス | サーチコンソールは検索結果しか見ていない |
| 申し込み・購入につながったか | アナリティクス | サイト内の行動の記録が要る |
ブログのリライト判断に限れば、使うのはサーチコンソールだけで足ります。直す記事を選ぶのに必要なのは、表示回数・クリック数・CTR・掲載順位で、この4つはアナリティクスには揃っていません。
その4つの読み方は別記事にまとめてあります →サーチコンソールの見方
出典はいずれも Google の公式ヘルプです。ズレる理由はデータの不一致に関するトラブルシューティング、正規URLの扱いはディメンションとデータのグループ化、GA4のページビューの定義は拡張計測機能イベントに書かれています。
数字を突き合わせても、直す記事は決まらない
ここまで読んで、たぶんこう思っているはずです。「で、結局どうすればいいのか」と。
2つの数字を一致させる作業には、打ち手がありません。一致しても記事は良くなりませんし、Google 自身が一致しない理由を並べています。時間を使うべきなのは、サーチコンソール側で「伸びしろのある記事」を選ぶことです。
やり方はリライトする記事の見つけ方に全部書きました。順位ごとの期待CTRと実際のCTRの差を出して、表示回数を掛ける。それだけです。アナリティクスは使いません。
ただ、記事が数十本あると、その計算を数十回やることになります。
同じ計算を自動でやるツールも作ったので、面倒なら使ってください。詳しくは記事の最後に書きます。
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よくある質問
サーチコンソールとアナリティクス、どちらの数字が正しいのですか
どちらも正しく、比べる対象になっていません。サーチコンソールは Google の検索結果でクリックされた回数を、アナリティクスはページが読み込まれた回数を数えています。測っている場所も、数える瞬間も、対象になる流入も違います。「どちらが正しいか」ではなく「何を知りたいか」で選んでください。検索での見え方はサーチコンソール、サイトの中での読まれ方はアナリティクスです。
2つの数字を完全に一致させる方法はありますか
一致させることはできません。Google は公式ヘルプで、両者が食い違う理由としてプライバシー(検索回数の非常に少ないクエリの除外)・処理・タイムラグ(通常2〜3日)・ タイムゾーン(太平洋時間)・JavaScript の5つを挙げています。近づけることはできます。期間を揃える、直近2〜3日を比較対象から外す、アナリティクス側を「オーガニック検索」に絞る。この3つで差はかなり縮みます。それでも残る差は、追いかけないほうが時間を使わずに済みます。
リライトする記事を選ぶとき、どちらを見ればいいですか
サーチコンソールです。理由は、表示回数と掲載順位がアナリティクスには無いからです。アナリティクスで分かるのは「来た人」の話だけで、「検索結果には出たのに来なかった人」が見えません。伸びしろはまさにそこにあるので、リライトの判断材料としては足りません。読まれ方の改善(記事の構成や導線)を考える段になって、初めてアナリティクスの出番になります。
まとめ
- 数字が合わないのは正常。サーチコンソールは「Google 検索の検索結果でのクリック」、アナリティクスは「ページの読み込み」を数えている
- ズレる理由は、数える瞬間・検索以外の流入・URLの粒度・少数クエリの除外・ タイムゾーンと反映の遅れ・タグが動いたかどうかの6つ
- サーチコンソールは太平洋時間で日付を区切り、反映まで通常2〜3日。日本時間のアナリティクスとは、そもそも同じ1日を見ていない
- 期間を揃え、アナリティクス側をオーガニック検索に絞り、 URLの粒度を揃える。それでも残る差は追いかけない
- リライトの判断はサーチコンソールだけで足りる。表示回数と掲載順位はアナリティクスに無い
2つの数字を一致させる作業には、打ち手がありません。合わない理由を1度理解したら、あとは使い分けるだけです。
ここから先は、私が作ったツールの話です。
サーチコンソールの数字から「直すと効きそうな記事」を出すツールを作りました。使うのはサーチコンソールの「ページ」CSVだけで、アナリティクスとの連携もアカウントのログインも要りません。エクスポートしたZIPをそのまま落とせば読めます(解凍もファイル選びも不要。ただし .xlsx は読めないので、その場合はCSVで出し直してください)。
判定に載るのは掲載順位4.0〜20.5位かつ表示回数100回以上のページで、並び順は改善余地スコアの多い順です。 CTRの差が小さくても、表示回数が多ければ上に来ます。期待CTRは2021年の日本市場の実測値に AI Overview 補正を掛けた値を使っています(補正後で8位なら1.52%。補正前の実測値とは別の数字です)。判定と候補3記事の改善余地スコアの確認、そのうち1記事分の診断カードまでは無料、残りの診断カードが2,980円(税込)の買い切りで、月額課金や自動更新はありません。 CSVファイルそのものはブラウザの外に出ませんが、診断カードを出すときは選んだ1ページぶんの数値(URL・キーワード・掲載順位・表示回数・CTR)を、タイトル取得ボタンを押したときは最大10件のURLを送信します。
⚠️ ただし表示回数が100回に届かないページばかりのブログでは、判定できる記事が出ません。少ない表示回数だとCTRが偶然で大きく振れるためです。アクセスの中身(読まれ方やコンバージョン)を分析したい場合も、このツールでは分かりません。それはアナリティクスの領分です。
Search ConsoleのZIPを読み込むと、候補の判定と1記事分の診断カードを無料で確認できます。登録は不要です。ZIPが無い場合は、診断カードの見本を確認できます。

