この記事のまとめ
Search Console のアドレス変更ツールは、引っ越しの届け出であって転送そのものではありません。公式ヘルプは「このツールは、サイトを移転してリダイレクトを設定した後に使用してください。」と書いていて、ツール自身がやるのは、両方のサイトの所有者であることの確認と、いくつかのページの301のチェックまでです。読者のブラウザを新しいURLへ送るのは、自分で用意した301のほう。「サイトを移転する方法」が冒頭の「概要」に並べる5項目にも、このツールは入っていません。要るのはドメインまたはサブドメインを変えるときだけで、公式は使うべきでない場合を4つ挙げています(http から https への変更、同じサイト内でのページの移動、同じドメインの www 有無の切り替え、ユーザーから見えるURLが変わらない移転)。
要件は4項目あり、個人ブログで詰まりやすいのは、新旧どちらのプロパティも自分が所有者であることと、パスの付いていないドメインレベルのプロパティであることの2つです。移転後の順位について、私が確認した2ページ(アドレス変更ツールのヘルプと「サイトを移転する方法」)には、移転前の順位に戻ると読める記述は見当たりませんでした。書かれているのは「移転中は、検索でのコンテンツ掲載順位が一時的に変動することがあります」と「サイトのランキングは時間の経過とともに安定します」までです。数字も1つではなく、リダイレクトの維持は「少なくとも 180 日間」と「一般的には 1 年以上」が別々のページに書かれています。
Search Console の設定にある「アドレス変更」は、Googleへの届け出です。押しても転送は始まりませんし、押さなくても301を置いていれば転送は動きます。
私はドメインを引っ越したことがありません。だからここに書けるのは、移転してみた話ではなく、公式の2ページを本文だけテキスト化して読み直した結果です。「サイトを移転する方法」の概要は5項目に畳まれていて、そのどこにもアドレス変更ツールは出てきません。同じページの本文で「アドレス変更」という語が出るのは2回だけ、どちらもリダイレクトを実装してテストした後の節でした(2026年9月15日の実測)。
評価が消えるのが怖くて手が止まっているなら、確かめる順番は2つです。自分の引っ越しがそもそもこのツールの対象か。301を置く前に送ってしまっていないか。
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設定にある「アドレス変更」を押しても、読者は新しいURLには着かない
Search Console の設定を開くと、「アドレス変更」という項目が並んでいます。移転先のサイトを選んで送信するだけの画面なので、これ自体が引っ越しの作業に見えます。ところがアドレス変更ツールの公式ヘルプの冒頭「このツールについて」は、押す前にやることがある前提で書かれていました。
アドレス変更ツールは、ウェブサイトをあるドメインまたはサブドメインから別のドメインまたはサブドメインに(たとえば example.com から example.org や example2.com に)移転するときに使用します。このツールは Google に変更を通知し、Google 検索の検索結果を元のサイトから新しいサイトに移行するのに役立ちます。このツールは、サイトを移転してリダイレクトを設定した後に使用してください。
順番を決めているのは、この3文のうち最後の一文です。移転してリダイレクトを設定した「後に」使うもので、これを送ることが移転の開始ではありません。
では、ツール自身は何をするのか。答えは同じヘルプの「ツールを実行した場合の動作」にそのまま出ています。
このツールは、Google に移転リクエストを送信する前に簡単なチェックを行うことで、両方のサイトの所有者であることを確認し、サイトのいくつかのページで 301 をチェックします。
301は、ツールが作るものではなく、ツールが確かめる対象として書かれています。置くのは自分です。同じヘルプの「ステップ 1: 準備作業」の1行目も「元のホームページから新しいホームページに対する 301 リダイレクトを実装します。元のサイトの正規ページに 301 リダイレクトを実装することもおすすめします。」で、ツールを開くより前に置かれています。
送った後にGoogle側で何が起きるかも、同じ節にあります。
Search Console を使用してアドレス変更リクエストを送信すると、元のサイトをクロールすることよりも、新しいサイトをクロールしてインデックス登録することを重視するよう、Google に通知されます。また、元のサイトから新しいサイトにさまざまなシグナルが転送され、正規ページを判断する際に、元のサイトよりも新しいサイトが優先されます。このようなアクションは、Search Console で移行を開始してから 180 日間続きます。
動いているのは、クロールの重み付けと、どちらを正規ページとして扱うかの優先です。「ツールを実行した場合の動作」の節には、どれだけのシグナルがどれだけ移るのかを数字で示した記述がありません。付いているのは「180 日間続きます」という期限のほうです。ただし、公式が量について何も書いていないわけではありません。もう1つの確認先である「サイトを移転する方法」には、リダイレクトを長く保持する理由として「この期間、Google は古い URL を指している他のサイト上のリンクの再クロールや再割り当てなどを行い、すべてのシグナルを新しい URL に転送できます」という一文があります。
アドレス変更ツールのヘルプには、逆に読める文もあります。移転先のサイト側に出る「他のサイトがこのサイトに移転しています」というメッセージの説明で、「移転が進行するにつれて、他の 1 つ以上のサイトからのトラフィックがこのサイトのトラフィックに追加されていきますが、これは、Google 検索によって元のサイトから新しいサイトに段階的にユーザーがリダイレクトされるためです。」と書かれています。ここだけを読むとツールが転送しているように見えますが、主語は「Google 検索」です。検索結果に出るURLが新しいほうへ移っていくという話だと私は読みました。英語版も「as Google Search gradually redirects users from the old site to this new site.」で、主語は同じです。検索結果を経由せずに旧URLを直接開いた人を新しいURLへ送るのは、自分が置いた301のほうです。
301そのものの仕組み、サーバーごとの設定のしかた、転送先の決め方、そして「すべてのシグナルを新しい URL に転送できます」をどこまで評価の引き継ぎと読めるかは 301リダイレクトのやり方、SEO評価の引き継ぎは3つのレイヤーに分かれるにあります。
自分の引っ越しが、そもそもこのツールの対象なのか
公式ヘルプには「このツールを使用すべきでない場合」という節があり、4つ挙がっています。要約すると、http から https への変更、同じサイト内でのページの移動、同じドメインの www 有無の切り替え、そしてユーザーから見えるURLが変わらない移転です。原文はそれぞれに理由と代わりの手段が付いています。
| やろうとしていること | アドレス変更ツール | 公式が代わりに書いていること |
|---|---|---|
| ドメインを別のドメインに変える | 使う | 301を置いて移転した後に送る。旧ドメインの www あり/なしを含むサブドメインのバリエーションも送るよう書かれている |
| サブドメインを別のドメイン・サブドメインに変える | 使う | 「あるドメインまたはサブドメインから別のドメインまたはサブドメインに」が対象 |
| http から https に変える | 使わない | 「このツールは使用しないでください。Google は変更内容を把握します。」 |
| 同じドメイン内でページの場所を変える(記事のスラッグ変更を含む) | 使わない | 「この場合はリダイレクトを追加し、必要に応じてサイトマップを更新します。」 |
| 同じドメインの www 有無を切り替える | 使わない | 「アドレス変更ツールを使用せずに正規化タグ付けやリダイレクトを使用します。」 |
| URLは変えずにサーバーやCDNだけ変える | 使わない | 「URL の変更を伴わないサイト移転をご覧ください。」 |
2つ目に挙がっている、同じサイト内でのページの移動にはただし書きが付いています。 原文は「ただし、このツールを使用して、あるドメインから別のドメイン内のパスにサイトを移行できます。たとえば、example.com から example3.com/new/location/ に変更できます。」です。パスが絡むと一切使えない、という意味ではありません。境目はドメインまたはサブドメインが変わるかどうかです。
同じ線引きは「サイトを移転する方法」にもあります。
このツールが必要になるのは、あるドメインまたはサブドメインから別のドメインまたはサブドメインに移転する場合のみです(example.com から example.net、a.example.com から b.example.com など)。HTTP から HTTPS への移転、同じドメインでの www ありと www なしの切り替え、または同じドメイン内でのパスの移転には必要ありません。
記事1本のスラッグを変えるかどうかは、この表の4行目にあたります。判断の軸は URLを変えるとSEO評価は切れる、スラッグ変更の前に301を用意するに書きました。
対象だったとしても、使える条件が別にあります。公式は「要件:」として4項目を並べていて、そのうち個人ブログで詰まりやすいのは最初の2つです。
Search Console で以前のプロパティと新しいプロパティの所有者である必要があります。両方のプロパティを管理するには、同じ Google アカウントを使用する必要があります。
アドレス変更ツールは、ドメインレベルのプロパティでのみ使用できます(つまり、example.com、m.example.com、http://example.com は移動できます)。http://example.com/petstore/ などのパス レベルではプロパティを移動できません。
2つ目は「ドメインレベル」であって、「ドメイン プロパティ」という種類の指定ではありません。原文が例に http://example.com を挙げているとおり、条件はパスが付いていないことです。ここを種類の話だと読むと、使えるのに使えないと思い込みます。
残る2項目も、個人ブログに関係します。3つ目はサブドメインの扱いで、「ツールは、指定したドメインより下位のサブドメインを移動しません(www を含む)。そのためツールで example.com を指定した場合、www.example.com や m.example.com は移動しません。ただし、そのドメインの下にあるすべてのパスが影響を受けます(example.com/any/path/here)。」とあり、同じ項目の後半が対処まで指定しています。
ドメインを移転する場合は、現在これらのバリエーションを積極的に使用していない場合でも、www や www 以外を含む古いドメインのすべてのサブドメイン バリエーション(たとえば、en.example.com、www.example.com、example.com から new-example.net など)に対してこのツールを使用してください。これらのバリエーションのすべてについて、Search Console で所有権が確認されているようにしてください。
www あり版も使っていたなら、そちらの分も別に送るよう書かれている、ということです。4つ目はプロトコルで、「ツールは、ソース プロパティのすべてのプロトコルを移動します。そのため http://example.com を指定した場合、https://example.com も移動します。」とあります。http と https を別々に送る必要はありません。
新しいドメイン側のプロパティで所有権の確認が通らないと、1つ目の要件(新旧どちらのプロパティも所有者であること)を満たせません。確認方法が自分のサイトで使えるかどうかの決まり方は サーチコンソールの所有権の確認ができないのはなぜ?自分に使える方法の決まり方、プロパティの登録そのものは サーチコンソールの使い方【初心者向け】登録から毎週見る画面までを1本でに書きました。
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アドレス変更を送るのは、301を置いた後
「サイトを移転する方法」は、冒頭の「概要」で作業を5項目に畳んでいます。1項目目は「サイトの移転に関する一般的なベスト プラクティス。手順の概要とユーザーや掲載順位に与える影響について確認しておきます。HTTP から HTTPS へ移転する場合は、HTTPS に関するおすすめの方法を確認してください。」という下読みの案内で、残る4項目が手を動かす作業です。「新しいサイトを準備して、十分にテストします。」「現在の URL から対応する新しい形式への URL マッピングを準備します。」「元の URL から新しい URL にリダイレクトするようサーバーを設定して、サイトの移転を開始します。」「元の URL と新しい URL 両方のトラフィックを観察します。」
この5項目のどこにも、アドレス変更ツールは出てきません。2026年9月15日にこのページの本文をテキスト化して数えたところ、「アドレス変更」という語が出てくるのは2回だけで、どちらも「サイト移転を開始する」という節の中、リダイレクトの実装とテストより後にありました。並び順がそのまま作業順です。
| 順番 | やること | 公式に書かれていること |
|---|---|---|
| 1 | 新しいサイトを用意してテストする | 所有権の確認に使っているファイルやタグを、新しいサイト側にも入れておくよう書かれている |
| 2 | Search Console で新旧の両方を登録・確認する | 「まだ行っていない場合は、Search Console で新旧の両サイトを確認します。」 |
| 3 | 旧URLから新URLへの対応表(URLマッピング)を作る | 「現在の URL から対応する新しい形式への URL マッピングを準備します。」 |
| 4 | 301を実装して、移転を開始する | 「元の URL から新しい URL にリダイレクトするようサーバーを設定して、サイトの移転を開始します。」 |
| 5 | ここでアドレス変更を送る | 「ドメイン名またはサブドメインを変更している場合は、Search Console で旧サイトのアドレス変更を送信します。」 |
| 6 | 新しいサイトマップを送る | 「今後 Google は新しいサイトマップを使用するため、この時点で元のサイトマップを削除できます。」 |
| 7 | 新旧のトラフィックを見る | 「元の URL と新しい URL 両方のトラフィックを観察します。」 |
1で所有権の確認の手段を新しいサイトにも入れておく作業は、見落とすと2で止まります。公式は「Search Console の所有権確認機能がサイト移転後も引き続き動作するようにします。」と書いたうえで、確認用のファイルやタグを新しいコピーにも含めるよう注意しています。
もうひとつ、「サイトの移転に関する一般的なベスト プラクティス」の箇条書きに「一度に行う変更を 1 つのみにする」という項目が立っています。見出しではなく、この節のリストの1項目です。アドレス変更ツールのヘルプ側にも、同じ趣旨の記述がありました。
サイトを移転するとき、新しい場所で同じサイト アーキテクチャを維持すると、新しいサイトにシグナルを直接渡せる可能性が高くなります。サイトの移転と、新しい場所でのサイトのコンテンツや URL 構造の再設計を組み合わせると、Google が個々のページを再学習し再評価する必要があるため、トラフィック損失が発生する可能性があります。
ここは日本語版と英語版で強さが違いました。英語版は「you will probably see some traffic loss」で、「起こりうる」ではなく「おそらく起きる」の側です。慎重なほうに寄せて読みます。引っ越しとテーマの入れ替え、引っ越しとURLの形の整理は、同じ日にやりません。
移転したあと、新旧どちらのプロパティを見るのか
両方です。Search Console の使い方は、「サイトの移転に関する一般的なベスト プラクティス」の「Search Console を使用する。」という項目に置かれています。
Search Console で各プロパティのデータを個別に確認します。
英語版も「Verify data for each property separately in Search Console.」で、同じです。新しい側のトラフィックが増えていく、とは書かれていますが、旧プロパティの数字がさかのぼって新プロパティに合算されるとは、確認した2ページのどちらにも書かれていません。旧プロパティの数字が減り、新プロパティの数字が増えていく形を、2つの画面で別々に見ることになります。
「サイトを移転する方法」は、移転中に見える具体的な形も挙げています。サイトマップのレポートについては、旧URLのサイトマップでインデックス登録されたページ数が減り、新URLのサイトマップで増えていくとしたうえで、こう続けています。
なお、Search Console は、元の URL を含むサイトマップについて URL のリダイレクトに関する警告を表示する場合があります。これは正常な状態であり、警告を無視して問題ありません。実際には新しい URL に移行中の状態です。
移転中に旧サイトマップへ警告が出るのは、公式が正常だと明記している状態です。この警告を見て旧サイトマップを消したり、301を外したりする必要はありません。
アドレス変更を送ったあとの画面については、アドレス変更ツールのヘルプが「移転前のチェックに合格すると、移行元または移行先のすべてのサイトで、移行が進行中であることを示す通知が Search Console に表示されます。通知は 180 日間表示されます。」と書いています。ここは日本語版に限定が1つ落ちていて、英語版は「If critical pre-checks pass」、つまり重大なチェックに合格すれば、です。すぐ前の文には日本語版にも「重大な不備」と「軽度な不備」の区別があるので、慎重なほうに寄せると、通知が出るのは重大なチェックを通った時点だと読めます。なお、この通知の180日は、同じヘルプに出てくる複数の180日のうちの1つです。
旧サイトが検索結果から消えるわけでもありません。同じヘルプは「Google は元のサイトをインデックスから削除しないため、元のサイトが利用可能で、新しいサイトに同等のページがない場合、引き続き検索結果に表示されます。」とも書いています。新しい側に同じ内容のページが無いURLは、旧URLのまま残りうる、ということです。
順位が「戻る」とは、確認した2ページに書かれていない
移転前の順位に戻ると読める記述は、私が確認した2ページには見当たりませんでした。確認したのは、アドレス変更ツールのヘルプと「サイトを移転する方法」の2ページです。2026年9月15日に本文を取得し、どちらも日本語版と英語版を突き合わせました(前者には「AI 技術を使用して翻訳されたコンテンツが含まれている場合があります」という注記があるので、断定に使う文は英語版でも確かめています)。この記事で「書かれていません」と言っているのは、すべてこの2ページの範囲の話です。順位について書かれているのは、次の範囲まででした。
なお、移転中は、検索でのコンテンツ掲載順位が一時的に変動することがあります。これは通常のことであり、サイトのランキングは時間の経過とともに安定します。
「サイトを移転する方法」の英語版は「This is normal and a site's rankings will settle down over time.」です。「安定します」も「settle down」も、落ち着くという意味であって、元の位置に戻ると言っているわけではありません。同じページの「サイトの移転に関する一般的なベスト プラクティス」の箇条書きにも「移転中、サイトのランキングが一時的に変動することを想定する。」という項目があり、変動のほうが前提として置かれています。
アドレス変更ツールのヘルプのほうは、そもそも順位に触れていません。2026年9月15日に、埋め込みJavaScriptとナビゲーションを落として本文をテキスト化して数えたところ、「順位」も「ランキング」もページ全体で0回でした。英語版で「rank」を含む文字列は取得したHTMLに4件ありましたが、4件とも埋め込みJavaScriptの中で、本文には0回です。順位について何も約束していないページだ、と読むのが素直です。
時間の目安は「サイトを移転する方法」のほうにありますが、1文ではなく2箇所に分かれています。「サイト移転を開始する」の側は「原則として、小規模から中規模のサイトで大半のページの移転が反映されるのには数週間かかり、より大規模なサイトであればそれより長くかかります。」、ベスト プラクティスの側は「概して、中規模のウェブサイトの場合は、Google が古い URL の代わりに新しい URL を段階的に表示し始めるまでに数週間以上かかることがあります(大規模なサイトの場合はさらに時間がかかります)。」です。前者は「数週間」、後者は「数週間以上」で、長いほうに寄せて読みます。前者には「原則として」「大半のページ」、後者には「概して」「中規模のウェブサイトの場合は」という限定が付いています。同じページの別の箇所には「移転は URL ごとに行われます。」ともあり、サイト単位で一度に切り替わるものとしては書かれていません。
リダイレクトをいつまで残すかについては、2ページで数字が違います。アドレス変更ツールのヘルプは「少なくとも 180 日間、リダイレクトを維持します。Google 検索からのトラフィックがまだある場合は、さらに維持します。」で、「サイトを移転する方法」は「リダイレクトをできるだけ長く保持します(一般的には 1 年以上)。」です。さらに前者には、旧ドメインの契約についての別の数字もあります。
ただし、以前のドメインが購入され、悪意を持って使用されることのないように、少なくとも 1 年間は以前のドメインの料金を支払い続けることをおすすめします。180 日経過後、Google は元のサイトと新しいサイトとの関係を認識しなくなります。元のサイトがまだ存在していてクロール可能な場合、元のサイトは無関係のサイトとして扱われます。
同じ180日が、別々の主語にかかっています。ツールの効果が続く期間、通知が出る期間、アドレス変更のリクエストをキャンセルできる期限、そしてアドレス変更ツールのヘルプが書くリダイレクト維持の下限。これに「サイトを移転する方法」のリダイレクト保持「一般的には 1 年以上」と、旧ドメインの料金「少なくとも 1 年間」が重なります。数字だけを見て180日経ったら片付けていいと読むと、リダイレクトのほうまで外してしまいます。
記事1本のスラッグを変えるだけならアドレス変更ツールを使わないので、180日のほうは出てきません。 URLを変えるとSEO評価は切れる、スラッグ変更の前に301を用意するが「一般的には 1 年以上」の側だけを扱っているのは、そのためです。
よくある質問
301を置かずに、アドレス変更ツールだけ送ってもいいですか
公式は301を置いた後に使うツールとして書いています。「このツールについて」の最後の一文が「このツールは、サイトを移転してリダイレクトを設定した後に使用してください。」で、ツール自身も「サイトのいくつかのページで 301 をチェックします」とされています。送ったときの分岐も、ステップ2に2文並んでいます。「移転前のチェックで重大な不備が見つかった場合、続行する前に問題を修正する必要があります。」と、「移転前のチェックで軽度な不備が見つかった場合、警告が表示されますが、リクエストは続行できます。」です。301が無い状態がこのどちらに当たるのかは、確認した2ページには書かれていません。
無料ブログから独自ドメインに変えます。このツールは使えますか
分かれ目は2つあり、どちらもサービス側の仕様しだいです。1つは、旧URLから新URLへの301を旧サイト側に置けるかどうか。もう1つは、旧サイトのプロパティを自分がSearch Consoleで所有者として確認できるかどうか。公式の要件は「Search Console で以前のプロパティと新しいプロパティの所有者である必要があります。」で、加えて「ドメインレベルのプロパティでのみ使用できます」とあります。旧URLが example.com/user/ のようにパスで割り当てられている形だと、後者を満たせません。使っているサービスごとの可否は個別に確認していないので、ここでは断定しません。
www ありから www なしに変えるだけです。送ったほうがいいですか
公式は使わない側に分類しています。「同じドメイン内の www と www 以外の間の移転(たとえば www.example.com から example.com へ)。この場合、アドレス変更ツールを使用せずに正規化タグ付けやリダイレクトを使用します。」と書かれています。http から https への変更も同じく対象外で、「このツールは使用しないでください。Google は変更内容を把握します。」とあります。逆に、別のドメインへ引っ越す場合は「www や www 以外を含む古いドメインのすべてのサブドメイン バリエーション」に対してツールを使うよう書かれているので、www あり版・www なし版それぞれについて送ることになります。
旧ドメインはいつ解約していいですか
旧ドメインの料金については、悪用を防ぐために「少なくとも 1 年間は以前のドメインの料金を支払い続けることをおすすめします」と書かれています。リダイレクトのほうは数字が2つあり、アドレス変更ツールのヘルプは「少なくとも 180 日間」維持してGoogle 検索からのトラフィックがまだあるならさらに維持するとし、「サイトを移転する方法」は「リダイレクトをできるだけ長く保持します(一般的には 1 年以上)。」としています。180日で区切れるのはツールの効果や通知、キャンセル期限のほうで、リダイレクトと旧ドメインの契約はそれより長い側の数字で考えます。
移転したのに、旧URLがまだ検索結果に出ています
アドレス変更ツールのヘルプは「Google は元のサイトをインデックスから削除しないため、元のサイトが利用可能で、新しいサイトに同等のページがない場合、引き続き検索結果に表示されます。」と書いています。新しい側に同じ内容のページがあるかどうかが、条件に入っています。原文はこの直後に、同等のページがある場合はリダイレクトなどを指定することで検索結果に出る旧URLの数を減らせる、とも書いています(301の置き方は下のリンク先です)。反映までの時間は「サイトを移転する方法」に2箇所あり、短いほうが「原則として、小規模から中規模のサイトで大半のページの移転が反映されるのには数週間かかり、より大規模なサイトであればそれより長くかかります。」、長いほうが「概して、中規模のウェブサイトの場合は、Google が古い URL の代わりに新しい URL を段階的に表示し始めるまでに数週間以上かかることがあります(大規模なサイトの場合はさらに時間がかかります)。」です。移転中にSearch Consoleが旧サイトマップへリダイレクトの警告を出すことについては、同じページに「これは正常な状態であり、警告を無視して問題ありません。」とあります。
送ってしまった後で、やっぱり戻したくなったら
アドレス変更ツールのヘルプに「アドレス変更のリクエストをキャンセルする」という節があり、「アドレス変更のリクエストは、その 180 日後までの間、キャンセルできます。」とあります。手順は3つで、サーバー上の301リダイレクト ディレクティブを削除し、新しいサイトから元のサイトへの301リダイレクトを追加し、元のサイトでツールを開いて[移行をキャンセル]をクリックする、という順です。ここでも先に動かすのはリダイレクトのほうで、ツールは最後に来ます。301を残したままキャンセルだけすると、「Google は次回サイトをクロールする際にディレクティブを認識し、ディレクティブに沿って URL のリダイレクトを続行することがあります」と書かれています。
まとめ
アドレス変更ツールは引っ越しの届け出で、転送そのものではありません。「このツールについて」の最後の一文が「このツールは、サイトを移転してリダイレクトを設定した後に使用してください。」と順番を決めていて、ツール自身がするのは「両方のサイトの所有者であることを確認し、サイトのいくつかのページで 301 をチェックします」まで。読者のブラウザを新しいURLへ送るのは、自分が置いた301のほうです。
出番はドメインまたはサブドメインを変えるときだけです。公式が挙げる使うべきでない場合は4つ(http から https への変更、同じサイト内でのページの移動、同じドメインの www 有無の切り替え、ユーザーから見えるURLが変わらない移転)。要件も4項目あり、個人ブログで詰まりやすいのは前の2つ、つまり新旧どちらのプロパティも自分が所有者であることと、ドメインレベルのプロパティであることです。ここでいうドメインレベルはパスが付いていないという意味で、プロパティの種類の指定ではありません(原文は例に http://example.com も挙げています)。残る2項目は、指定したドメインより下位のサブドメインは移動しないので www あり版なども別に送ること、そしてプロトコルはまとめて移動することです。
順番は、301を実装して移転を開始した後にアドレス変更を送る、です。「サイトを移転する方法」の「概要」は5項目で、そのどこにもツールは入っておらず、同じページの本文で「アドレス変更」が出てくる2回はどちらもリダイレクトの実装・テストより後でした(2026年9月15日の実測)。移転後は新旧のプロパティを別々に見ます。旧URLのサイトマップに出るリダイレクトの警告は「正常な状態であり、警告を無視して問題ありません」とされているので、慌てて消す必要はありません。
順位が移転前に戻るとは、確認した2ページのどちらにも書かれていません。あるのは「一時的に変動することがあります」と「サイトのランキングは時間の経過とともに安定します」まで。アドレス変更ツールのヘルプ本文には「順位」「ランキング」が0回、英語版の「rank」も本文には0回でした。期間の数字は主語で分けて読みます。180日がかかる主語は4つあって、ツールの効果が続く期間、通知が出る期間、アドレス変更のリクエストをキャンセルできる期限、そしてアドレス変更ツールのヘルプが書くリダイレクト維持の下限(「少なくとも 180 日間」)です。「サイトを移転する方法」のほうはリダイレクトを「一般的には 1 年以上」保持するよう書いています。旧ドメインの料金について「少なくとも 1 年間」払い続けることをすすめているのは、アドレス変更ツールのヘルプのほうです。
移転のあと、順位の動きを読み違えないために
移転のあとで困るのは、順位が動いたときに、それが移転のせいなのか、もともとの記事の弱さなのかを切り分けられないことです。公式が「一時的に変動することがあります」と書いている以上、下がっただけで記事に手を入れると、変動が落ち着いたときに何が効いたのか分からなくなります。その切り分けのために私が作ったツールがあるので、ここから宣伝として書きます。
移転の前に控えておきたいのは、移転とは関係なく元から直したほうがいい記事はどれかです。サーチコンソールの「ページ」CSVを貼ると、表示回数と掲載順位から「いま直すと効く順」にページを並べます。移転直後の新プロパティはデータが溜まっていないので、渡すのは旧プロパティで出した移転前のCSVのほうが読めます。同じ物差しで前後を比べられるのは、移転前に1回通しておいた場合だけです。
できないことを先に書きます。リダイレクトの設定もURLマッピングの作成もしないので、移転作業そのものには使えません。使えるのは記事の優先順位づけだけです。判定と1記事分の診断カードは無料、残りの診断カードが2,980円(税込)の買い切りで、月額課金も自動更新もログインもありません。
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