この記事のまとめ
サーチコンソールに、自分のアクセスを除外する設定はありません。数えているのが自分のサイトの中ではなく検索結果の画面だからで、自分で自分の記事を検索した回数も表示回数として数えられます。ログイン中の検索やシークレットモードなら除外される、と書かれた公式の記述もありません。ただし実害はそのページの表示回数の規模で決まるので、やるべきなのは除外設定を探すことではなく、表示回数100回未満のページをCTRの判断材料にしないことです。
アナリティクスでは自分のアクセスを除外する設定を入れました。同じことをサーチコンソールでもやろうとして、設定画面を探しても見つからない。
見つからないのは、探し方の問題ではありません。その機能が用意されていないからです。
では自分の確認行動はデータをどれだけ汚しているのか。「汚している/いない」の二択ではなく、ページによって答えが変わります。順に書きます。
影響が出るのは表示回数の少ないページだけです。自分のサイトのどのページが該当するかを先に見る手もありますが、なぜそうなるのかを知らないと数字の読み方を間違えます。先に構造から書きます。
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なぜサーチコンソールに除外設定が無いのか
アナリティクスとサーチコンソールでは、数えている場所が違います。
| アナリティクス(GA4) | サーチコンソール | |
|---|---|---|
| 数えている場所 | 自分のサイトの中(ページに埋めたタグ) | Google検索の結果画面 |
| 数えているもの | ページが表示された回数 | 検索結果に出た回数と、押された回数 |
| 自分を外せるか | 外せる(IPアドレスで指定) | 該当する設定が見当たらない |
アナリティクスは自分のサイトに置いたタグが数えているので、自分のサイト側で「この訪問は数えない」と決められます。
サーチコンソールが数えているのは検索結果の画面での出来事です。あなたのサイトの外で起きているので、サイト側から手を出せません。これが、同じ発想の設定が存在しない理由です。
アナリティクス側の除外手順はこの記事では扱いません。GA4なら管理画面の内部トラフィックの定義で、除外したいIPアドレスを指定します(指定できるのはIPアドレスだけです)。ここで書くのはサーチコンソール側に同じ設定が無い理由のほうです。
2つの数字が食い違うのはこの構造から来ています。詳しくはサーチコンソールとアナリティクスの数字が合わない理由に書きました。
⚠️ 「Googleが運営者本人を自動で除外している」と読める説明を見かけますが、そう書かれた公式の記述は確認できませんでした。表示回数・クリック数・掲載順位の定義は検索パフォーマンス レポート(Search Console ヘルプ)に書かれていますが、誰の検索を数えないかについての記述はそこにありません。ログイン状態で検索した場合の扱いも同様です。この記事では「除外されていない前提」で見積もります。
自分のアクセスの実害はどれくらいか、表示回数の規模で決まる
「混ざる」と言っても、影響の大きさはページによって桁が違います。月10回、自分で検索して自分の記事を押したと仮定して、2つのページで比べます。
表示回数が多いページ(3,000回)
| 表示回数 | クリック数 | CTR | |
|---|---|---|---|
| 本当の値 | 3,000 | 60 | 2.00% |
| 自分の確認10回が混ざった値 | 3,010 | 70 | 2.33% |
差は0.33ポイントです。この程度なら判断は変わりません。
表示回数が少ないページ(30回)
| 表示回数 | クリック数 | CTR | |
|---|---|---|---|
| 本当の値 | 30 | 0 | 0.00% |
| 自分の確認10回が混ざった値 | 40 | 10 | 25.00% |
0%が25%になります。10位の期待CTRが1.19%、5位でも2.49%なので、この数字を見たら「異常に取れている優秀なページ」に見えます。実際には自分が押しただけです。
⚠️ ここで出した期待CTRは、seoClarity「2021 CTR Study」の日本市場の実測値を、AI Overview によるクリック減で順位別に補正した値です。出典そのままの実測値ではありません。1位から20位までの一覧と補正の中身は 掲載順位別のCTR平均一覧にまとめてあります。
つまり問題は「自分のアクセスが混ざること」ではなく、「表示回数が少ないページのCTRを信じること」です。自分のアクセスが1回も無くても、表示30回でクリック1回なら見かけのCTRは3%を超えます。
掲載順位はどう影響を受けるか
掲載順位のほうは、CTRほど単純に動きません。
平均掲載順位は表示されたときの順位を、表示回数で重みづけした平均だからです。自分の検索10回が全部同じ順位で出ていれば、その順位のほうへ平均が少し引っ張られます。
ただし影響が出るのは、やはり表示回数が少ないページです。3,000回のうち10回なら、平均はほとんど動きません。平均掲載順位そのものの読み方は平均掲載順位とはにまとめました。
⚠️ もう1つ注意があります。自分で検索するとき、あなたはたいてい2ページ目まで送ります。普通の読者はそこまで行きません。表示回数は「その順位が載った検索結果ページが表示された時点」で数えられるので(検索流入を増やす方法は2つしかない)、自分の確認は下位の順位ぶんの表示回数を増やす方向に働きます。
では、どうすればいいか
除外設定が無い以上、対処は混ざる量を減らすか混ざっても影響しない見方をするかの2つです。
| 選択肢 | やること | 向いている人 |
|---|---|---|
| 順位確認をやめる | 検索窓で調べず、サーチコンソールの掲載順位の列を見る | 全員。そもそもこちらのほうが正確 |
| 判断の下限を決める | 表示回数100回未満のページはCTRの判断材料にしない | 記事数が増えてきた人 |
| 混ざる量を減らす | 確認したいときは検索結果を押さず、URLを直接開く | どうしても検索窓で確かめたい人 |
いちばん効くのは1つ目です。自分で検索して確かめた順位は、そもそも自分のサイトの本当の順位ではありません。検索履歴・位置情報・デバイスで結果が変わるうえ、1回の検索は1標本にすぎません。サーチコンソールの掲載順位は多数の実際の表示を平均した値なので、確かめる目的ならこちらを見るほうが正確です。
2つ目は、この記事の結論そのものです。表示回数100回未満のページは、自分のアクセスの有無に関係なくCTRが偶然で振れます。そこを判断材料から外せば、自分の確認が混ざっていても結論は変わりません。表示回数が全体的に少ないサイトの打ち手は表示回数が少ないブログは何をリライトする?にあります。
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この対処が向かない人
ブログを始めたばかりで、全ページの表示回数が2桁の場合は、この記事の対処だけでは足りません。下限を設けると判断できるページが1本も残らないからです。
その段階でやるべきなのは、データを綺麗にすることではなく拾える検索語を増やすことです。表示回数が積み上がるまでは、CTRを見ても意味のある差は出ません。
よくある質問
ログインしていれば自分のアクセスは除外されますか
そう書かれた公式の記述は確認できませんでした。除外される前提で運用しないほうが安全です。この記事では「されていない前提」で影響を見積もっています。
シークレットモードで検索すれば数字は汚れませんか
シークレットモードでも検索結果は表示されるので、表示回数は数えられます。シークレットモードが避けられるのは検索履歴によるパーソナライズであって、計測ではありません。
自分のクリックを取り消すことはできますか
できません。サーチコンソールのデータは後から編集できないためです。できるのは、その数字を判断に使わないと決めることだけです。
順位を確認したいときは何を見ればいいですか
サーチコンソールの検索パフォーマンスにある掲載順位の列です。実際に表示された回数で重みづけした平均なので、自分で1回検索した結果より実態に近くなります。どこからが本当の変動かの基準は検索順位の変動は一時的かに書きました。
表示回数100回という下限には根拠がありますか
クリック1回でCTRがどれだけ動くかで決めています。さきほどの表示回数30回のページなら、クリック0回のときCTRは0%で、5位の期待CTR2.49%をまるごと取りこぼしている計算になります。ところがクリックが1回入るだけでCTRは3.3%になり、今度は期待を上回ります。クリック1回で「取りこぼし最大」と「取りこぼしゼロ」を往復してしまうので、この幅ではタイトルの良し悪しを判断できません。表示回数が100回あれば、クリック1回で動くCTRは1ポイントに収まります。期待CTRとの差を判断材料にできる最低限の分母として、ここを下限にしています。
まとめ
- サーチコンソールに自分のアクセスを除外する設定はありません。数えているのが自分のサイトの外(検索結果画面)だからです
- 実害は表示回数の規模で決まります。3,000回のページに10回混ざっても誤差、30回のページなら0%が25%になります
- 本当の問題は自分のアクセスではなく、表示回数が少ないページのCTRを信じることです
- やることは2つ。順位確認は検索窓ではなく掲載順位の列で行う/表示回数100回未満はCTRの判断材料にしない
ここから先は、私が作ったツールの話です
「表示回数100回未満は判断材料にしない」を記事ごとに手で確かめるのは手間がかかります。その線引きを最初から入れてあるのがリライトレーダーです。
Search Console の「ページ」CSVをZIPのまま渡すと、掲載順位4.0〜20.5位・表示回数100回以上のページだけを拾って並べます。下限に届かないページは最初から候補に出ません。読み込みと判定はブラウザの中で完結するので、CSVそのものはブラウザの外に出ません。ただし診断カードを出すときだけ、選んだ1ページぶんの数値(URL・入力したキーワード・掲載順位・表示回数・CTR)を送ります。
裏を返すと、全ページの表示回数が2桁のうちは、かけても候補が1本も出ません。さきほどの「この対処が向かない人」に当てはまる場合は、まだリライトレーダーを使う段階ではありません。先に拾える検索語を増やすほうが早いです。
判定と候補3記事の改善余地スコアの確認までは無料です。今月確認する上位3記事の診断カードは2,980円(税込)の買い切りで、月額課金や自動更新はありません。
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